The Man in the Grey Flannel Suit
かつてビジネスマンの服はドブネズミ・ルックと 呼ばれていたことがあった。漢字で灰色と書くと暗く冷たいイメージになるが、これがグレーのフランネルとなればこれはもう身も心も暖かくしてくれる冬服の定番となる。
男の服にはこうでなければという頑固さが欲しいものである。寒くなればそれなりのマテリアルを選びたいもの。巷でいうウォームビズは大歓迎!
得体の知れぬスリーシーズンなるもの、これはいけません。諸兄の皆様にはフランネルのスーツをビシッと身に纏っていただきたい。
~信濃屋さんのHPより~
この項“白井さん”の撮影もいよいよ日没との競争が始まってきました。上一番左の写真はカメラの感度を上げて撮影したもので、実際は2枚目以降がより自然な条件に近いものです。この日はあいにくの曇り空でもありましたが、今までに比べ画像が暗くなってきているのは一目瞭然。如何に陽が短くなってきたかが判ります。
そして、季節はここにきて慌しくその歩を早めてきたようで、ここのところ寒さが急激に増してきました。
今日は“Just! Flannel gray!”フランネルのスリーピースの登場です!
Grey Flannel 3piece suit DB, Wide-spread collar shirt, Big paisley tie, White linen pocketkerchief, and Suede brogue shoes with stitch“Benti Vegna”.
冒頭の一文は信濃屋さんのHPの中で私が特に好きな項『THE FLANNNEL』(2007・12・12掲載)から引用させていただきました。
白井さんは日頃よくこう仰ることがあります、
『“何でもいい”はいけない。』
と。ですが一方で、
『好きなように着ればいいんだよ。』
と仰ることもあります。う~ん・・・(汗)。
先ほどの言葉を、前者は“こだわり”、後者を“自在”、と別の言葉で表現してみればどうでしょう。どちらの言葉も白井さんがよく使われる言葉です。
自分だけにしか判らない、他人が見れば些細なこと。でもそこに自分なりの“こだわり”を持つ。
『そんなところ誰も見ていないんだけどね(苦笑)。』と、笑い飛ばしつつ、
『でも、一度は“そこ”を通らないと駄目なんだよ(笑)。』と、仰る白井さん。本当に服が好きな人は皆さんこの言葉に頷かれるようです(笑)。
“服が好き”
私如きがこんなことを申し上げるのは本当に口幅ったいのですが、白井さんはその道にずっとこだわり続けてこられています。このブログでご覧戴いているのはそのほんの一部分、極々僅かに過ぎません。このブログでは到底お伝えすることは不可能な膨大な経験の積み重ねがあり、“自在”とはその上に在る世界では?なんて思っています。
些か抽象的な筆になってしまいましたが、今回は、この撮影日の信濃屋さんで、この日初めてお会いした或る一人の学生さんへ、私がこれまでに知りえた“白井さん”について、もの凄く掻い摘んでですが、お伝えしたくて老婆心ながら書かせていただきました。この日が信濃屋さんデビューの、まことに爽やかな好青年でした。