皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

皿尾城の歴史②

2017-06-20 21:56:51 | 皿尾城の空の下
戦国時代の北武蔵の覇権争いのなかで、忍の成田氏の動向に大きな影響を与えた戦国大名といえば、小田原の北条氏と越後の上杉謙信です。北条氏康と成田長泰は血判の証文を何度もかわしています。しかし永禄三年(1560)上杉謙信が関東に侵攻すると、長泰は北条から離れ、謙信に味方して相模国まで兵を進めています。当時上杉は関東攻めと共に、宿敵武田軍との川中島の戦を始めたころのことです。
成田長泰にしても藤原の流れを汲む北武蔵の国衆として生き残りをかけて悩み抜いていた時代です。北条と上杉の狭間で揺れ動き、従属と離反を繰り返すことで北条上杉両家から信用されていなかった様子が北条氏政の手紙の中に記されています。(上杉家文書)そんな中、成田と上杉の関係を決定的に引き離す事件が小田原にて起きています。永禄4年(1561)上杉謙信が関東管領就任の際、馬上から降りなかった成田長泰を馬から引きずり下ろしたことです。この件で、他国の国衆も上杉に対する心証を悪くしたと伝えられています。そうした成田、上杉との関係のなかで浮かびあがるのが上杉が忍城攻めの起点とした皿尾城です。
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