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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

自然への畏れと恐れ・・・(湧き上がる感情 2/10)

2019-11-28 | 第二章「五感と体感」

 私が住んでいる多摩丘陵。思い出してみると、もう30年以上多摩に住んでいるが、開発でいろいろ便利になり嬉しい反面、昔ながらの自然がぐっと減ったように感じる。

 さて、昨日の続きであるが、夜、近くの遺跡周辺を彷徨って少し怖くなったりしたが、昨日、その遺跡について郷土資料館でその調査報告書を詳しく読むことができた。この遺跡については約30年前に調査報告書が書かれ、市民が閲覧出来る状態になっていたのだ。多摩丘陵の山林の一部が、宅地化されるのに伴い調査されたもので、縄文時代の早期から後期、そして平安時代や奈良時代の遺物や遺構まで発見されている。平安時代の火葬された女性のお墓があったり、縄文時代の竪穴住居跡やピットなども検出され、土器片や石器も出た。

 報告書を読むと、多摩の山林の一部分だけが、それこそ1万年近く住居やお墓に使われていたものが、大規模に開発され宅地化されるに伴って、タイムカプセルの蓋が開いたかのように、その歴史が明るみにされたことが分かる。その報告書の結語にもあったが、長い間、山林だった場所が宅地化される。それは経済的合理性という時流もあるが、今までの祖先が感じていた、自然への畏怖か希薄化した結果とも言えるかもしれない。そして、繁茂していたタマノカンアオイなどの植物が絶滅危惧種に追いやられる。

 屋久島の縄文杉などは有名だが、縄文にのめり込んだ私は縄文時代の三瓶山の埋没林遺跡を通じて、かつての自然を想う力が増したようだ。昨日の畝傍山山麓の神社の自然とは比較にならないような、自然のもつ圧倒的な力。私たちの祖先が畏れを感じ、自然を利用するときは祈る(祈らざるを得ない)という、当たり前のことを私はいつの間にか忘れかけていたようだった。

 少し前に想定外という言葉で顰蹙を浴びる事件があったが、それこそ自然は想定外に溢れている。100年とか1000年といった学校の歴史の時間感覚では想定外かもしれないが、私のように縄文時代に興味を持つと、もう少し広く10000年、20000年といった範囲でものを考えるのが普通になる。寒冷化で海水面が今より100m下だったり、日本海が殆ど湖状態だったり、1000年以上回復に時間がにかかるカルデラ火山爆発などを知ると。かつての私のように科学技術を信じ、自然をコントロールできるという楽観主義は影を潜めてくる。

 自然を畏れ、神仏をひたすら信じた私たちの祖先。そうした祖先のありように、今また身近に感じられるようになってきたようだ。

 話が少しずれてしまった。身近な場所の遺跡調査書を読むことは、私の感情生活を変える側面がある。いつもよく眺めていた風景が変わる。このアスファルトの道に3500年前に土器を捨てた人が見える。あるいは公園の一部に平安時代の尼僧が火葬されて埋葬される。6000年前に黒曜石の鏃をつけた狩人が通る・・・そして、大抵の住居がこんもりとした山に・・・山を畏れて、引き返す人もいる。

湧き上がる感情 2/10

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