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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

持統天皇を小説で!(自己開示力 2/10)

2013-05-20 | 第三章「無意識の世界」

 先日、ある方から持統天皇を知るにはどんな本が良いかと尋ねられた。

 持統天皇は、様々は方から取り上げられている。直木孝次郎氏、関裕二さん他の歴史家、陰陽五行思想の権威である吉野裕子氏、漫画の世界でも里中満智子さんの「天上の虹」。考古学の世界も、遺跡等で当然扱われている(昨日書いた山田寺の情報は飛鳥歴史館に負うことが多い)。萬葉集や日本書紀関係を通じての学者や思想家(橋本治氏など)の膨大な資料もある。そして小説も。

 その中で、私は小説がいいかなと思う。歴史的事実を踏まえつつ持統天皇の感情生活が彷彿とさせられるのは素晴らしい。特に残された萬葉集が出てくるのは嬉しい。小説も、坂東眞砂子氏の「朱鳥の陵」、小石房子氏の「鉄の女帝 持統」、三田誠広氏の「炎の女帝 持統天皇」、吉田 知子氏の「飛鳥の風」などがある。これらは直接題材を扱ったものだが、もちろん、同時代を扱い持統天皇が登場する小説も沢山ある。黒岩重吾氏、永井路子氏などだ。

 どれも個性豊かで良いと思うが、一番オススメするのは、吉田 知子氏の「飛鳥の風」である。持統天皇を肯定的に受け止めて書いていて、かつ史実も正確な感じだ。読み終わってからの爽やかさが素晴らしい。

 持統天皇は、日本史史上まれに見るような謀略の跋扈する時代を生きた方である。そして、その活動やそれを動かした真意は、1300年前ということもあり良くわからない。従って、小説家の持統天皇の解釈の幅は広がる。つまり人間観が反映されるのだ。

 そして、小説の中で、小説家の持統天皇を信じる強さというか、人間を信じる強さがでてくるように思う。持統天皇の生育史から考えると、自己愛の問題を持った方ではなかったかとか、いろいろネガティブな解釈もできるからである。しかし、その中でも持統天皇をどこかで信じることは読者に安定感を与える。

 信頼の中から紡ぎ出す言葉で、人は幸せを感じるようだ。

 自己開示力 2/10

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