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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

万葉動物園を夢想し、現在のバブル的心理を考える!(古今東西 6/10)

2013-06-04 | 第三章「無意識の世界」

 世の中には万葉植物園は沢山あるが、どうも万葉動物園は無いようだ。

 しかし、萬葉集には沢山動物が歌われている。悲劇の大津皇子の姉が、その死をを嘆いた歌の中で次の歌は馬がでてくる。伊勢の斎宮であった大伯皇女が伊勢から飛鳥に馬で駆けつけた歌である。

 見まく欲りわがする君もあらなくに なにしか来けむ馬疲るるに

 ネットで調べてみると、動物は想像以上に萬葉集に登場する。ロバや鯨まで出てくる。その中で、興味を持ったのは蚕(カイコ、昆虫も立派な動物)だった。先日行った遠野でもオシラサマと養蚕業の繋がりは深いが、日本神話の中でも五穀と同じくらい蚕は神話の世界から登場する。昆虫の中の家畜とも言われているようだ。

 話は脱線するが、奈良旅行に備えて、日本書紀を読んでいたら、皇極天皇の時代に常世の虫の話があった。蚕の形をした虫を富士山の麓に居た大生部多(おおうべのおお)が、村人に常世の虫で、貧しい人は富を得る、老人は若返る。そんなことを言い、同調する人も多く、何の益もなく財産を失うものが続発したそうだ。この問題は秦河勝によって、取り締まられ沈静化したそうだが、常世虫はどうもアゲハ蝶の幼虫だったようだ。

 今の世の中も、こうしたバブルの話は後を絶たない。心の奥に隠れている自分の声を聴くのではなく、徒らに他人に影響されることが元凶だ。生き甲斐の心理学では、現実吟味力の問題ということで大事にする。カールロジャースは例によって現実吟味力の問題を難しく表現しているが、次の命題10はとても鋭い真理だと思う。

 10.いろいろの経験に結びつけられている諸価値や、自己構造の一部である諸価値は、ある場合には有機体によって直接的に経験される諸価値であり、ある場合には他人から投射されもしくは受けつがれるが、しかし、あたかも直接的に経験されたかのように歪められたかたちで知覚されるものである。

 今も昔も、より良く生き残るための現実吟味力・叡智は大事。そして、甘えの構造の中にどっぷり浸っているのではなく、時に厳しく考えなければならない問題なのだろう。私も含めて。

 古今東西 6/10

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