この数日、さまざまな発掘調査報告書の中で暮らしている。興味が尽きない世界なのだが、ふといつの間にかどっぷりとつかっている自分が気になった。思い出してみれば10年前は、このような報告書を必死に読むことなど想像もしてなかった。
新しい経験というか、新しい世界に入るというのはこの年になっても新鮮でわくわくする。学生のころも計量心理学などの分野にわくわくしたが、就職して営業職につき、コンピュータ関係だったのでいろいろな業界の方の世界を垣間見て日々新鮮であった時代もあった。その後マーケティングの仕事もわくわくしたものだ。それが全くの進路を変えてNPOの世界とか、福祉などの人に関わる世界、小説書きの世界、さらに最近もいろいろな世界を経験させていただいている。
これは職業という切り口であるが、このほかにも海外で暮らしたり、転勤したり、あるいは宗教の世界(私はカトリックだが)もある。独身生活もあれば家庭をもつことも、あるいはある社会的な役割をすることもそうだ。いろいろな世界を経験していくと、表層的なイメージではない実感をともなったその世界での文化(独自の理想とか現実把握の仕方が隠れている)を身に着けるようになる。そして、これが重要だがその経験の中で見えてくるものがあれば、見えなくものもでてくる。このあたりは「生き甲斐の心理学」で人のこころの不思議な仕組みを知り意識することができた。
「生き甲斐の心理学」では別の大事なことも学んだ。私にとって大事なポイントの一つが、いろいろな世界を生きるにあたって、自己肯定・他者肯定のスタンスをはじめ、自己肯定・他者否定(傲慢)、自己否定・他者肯定(卑下)、自己否定・他者否定(破滅)の4つのスタンスの意味付けだ。自己肯定・他者肯定のスタンスは幸福曲線の道ともいえるがなかなか意識しないと難しい。自己肯定・他者否定(傲慢)のスタンスに陥ると理想は凶器と化し他者を時に過剰に攻撃することも。これは両刃の剣で自己をも攻撃することもある。
今の時代もこの不思議なメカニズムは当然働いているが、縄文時代もきっとそうであっただろう。土偶や石棒の不思議な変遷は何を語っているのだろうか。
7/10 年末年始に理想と現実を考える
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