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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

青虫から蝶に・・感情の世界から縄文土器の美 (9/10 真善美に触れる・・今も縄文も)

2021-08-19 | 第二章「五感と体感」

全く異なる生き物のように見える青虫が蝶に完全変態する。このありさまは今でも観察できるが、当然ながら縄文時代や旧石器時代の祖先たちも観察できただろう。命とは何だろうか、青虫と蝶の中間の蛹の中はどうなっているんだなど考えながら。

私たち人間。カフカの変身のようにある日目覚めたら人間が毒虫に変身していた。そんなことは無いと思っているが、ある体験を通じて、大きく変わることがある。宗教家が悟りを得るエピソードなどは読んだ方も多いと思う。苦悩の世界が喜びに変わったりする。悟りとは別に、私たちも人生の節目や身近な人の死などで大きく変わることを経験する。今回のコロナ禍もそうかもしれない。

変化の要素として、理性については学校や職場で学ぶことが多いと思う、ある知識を得て世界が少し変わるなど。しかし、感情についてはどうだろうか。非常に日常的で理性以上に意識に上る感情。しかし不思議なことにきちっと感情自体を学ぶことは少ないし、感情はじゃまだと思っている人も世間では多い。でも、本当はどうなのだろうか。実は理性と同じように大事で、それをどのように扱うかで人生が豊かになったり、大事な選択で役立てたりできる。

今日は青虫が蝶に変身するような、感情の変化についてちょっと考えてみたい。感情には暗い感情(ストレス曲線と呼ぶ)と明るい感情(幸福曲線と呼ぶ)がある。その関係は面白く身近な例を挙げてみたい。例えば親しいAさんと会うことになって出かけたのは良いが、電車が遅延して遅刻しそうになる。慌てたり怒ったりの暗い感情が湧きおこる中、携帯電話が通じてAさんと話してほっとする。実際に遅刻をするかどうかは別に、電話一本で感情が大きく変わることを体験する。これは電話で自分の理想、現実把握のしかた変わり、そのギャップが変化したからかもしれないし、Aさんの愛に触れたからかもしれない。青虫の感情が蝶の感情に変身したかもしれない。

蛇足だが、こうした感情の性格に興味を持ち、学ぶことで日々の生活に活かしたり、悔いのない人生の道を歩むことが「生き甲斐の心理学」の目的の一つである。

さて、私はこのところずっと縄文時代の土器について楽しんでいる。一万年以上続いた縄文時代。文字はないが美しい縄文土器から豊かな文化が育まれていたことが分かる。10,000年以上続いた縄文時代を通して、各時代各地域から土器が出土されているが、さらに気の遠くなるような考古学者の長年の研究により、土器の器形や文様の変化が時代・地域で分かるようになって来ている。

これは、文学であれば、8世紀に編纂された万葉集、11世紀の紫式部の源氏物語、・・・樋口一葉の小説、夏目漱石の小説、など各時代によって表記法や文法が違っていているのに似ている。土器も当時としては貴重品で勝手に作るわけではなく、先輩から作り方を教わり、その中で努力しつつ自分の創意工夫で目指す土器を作り上げる。時代や地域の空気を十分に吸いながら、恐らく青虫を蝶に変身させていくのだろう。そうした蓄積が火炎式土器を生んだり、一連の亀ヶ岡式土器となっていく。日常の生活の中で使用されたり、特別なハレの日に使用する土器。どれほどの思いが込められていたのだろうか。

今の時代は個性や自我が大切にされている。それゆえに特許とか著作権とかがいろいろ言われる。しかし、数学の世界には特許や著作権はないようだ。これは非常におもしろいことで、絵画や音楽の世界と一線を画している。しかし、私には数学も芸術も似ているように思われる。数学の世界も実に美しく、エレガントさを感じる。外国では数学もArtの一つと位置付けられているという話もある。数学的真理は人間が創造するのではなく発見するからという理屈で著作権はないと言われているようだ。

土器にも個性があるものも多く。製作者が著作権を主張しそうなものも当然あるが、一方装飾的な部分などは個性というより真理を発掘するといった数学的な美しさを感じてしまう。

どちらにせよ製作者は青虫を蝶に変身させようという意欲があり、感情生活が土器には塗りこめられている。美とはなんだろうか。

9/10 真善美に触れる・・今も縄文も

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