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From Hiron to many NetWalkers♪

”YK20”~20周年につき初ソロ~ 東京公演ライブレポ。

2006年12月15日 23時44分40秒 | 上野洋子/ZABADAK
◆2006年12月10日(日)
レトロな雰囲気漂うビルの一角にある、東京キネマ倶楽部。聞くところによれば、そこは元々キャバレーホールだったという事です。今夜ここで”YK20” ~20周年につき初ソロ~ というライブが催されるのですが、これはサブタイトルの通り元ZABADAKのヴォーカリスト、上野洋子さんのデビュー20周年を記念して初めてのソロライブなのです。どちらかというと裏方業が自分に合っているという上野さん。デビュー以来誰かとユニットを組んだり、企画物に参加したりと数々の音楽活動をしてきましたが、ライブの主役としてソロでステージに立つのは初めての事で、ファン達の注目度はかなりのものでした。また、ZABADAKやその周辺の音楽を愛する人達というのは長年のファンである人が殆どで、きっとそれぞれに深い感慨を持ってライブに臨んだ事と思います。
かくいう私も14年来の上野さんファンであり、その透き通るような冷たい優しい歌声の持ち主がどんな人なのかと憧れ続けた存在なのです。

開場時間近くになると、入り口の前に続々と人が集まってきました。一同に押し黙って列に倣っていく人々の様子を、しばらく眺めていました。私のチケットはH322番。公式HPで先行予約して購入したチケットです。番号順に入場した後は自由に席が選べるという事で、少し迷いましたがやっぱり上野さんになるべく近い席に座りたくて選んだ席は、何と2列目!ドリンク片手に着席して待っていると、やがて場内が暗転し上野さんとバックバンドのメンバーがステージに上がってくるのが見えました。

1曲目は今月6日に発売されたばかりのニューアルバム『asterisk*2』から、「星の祝祭」。正直に言ってしまうと、私はZABADAKののれん分け後の楽曲を知らない。それでも一瞬で「あぁ、上野さんの音だ」と感じれる曲でした。惹き込まれます。触れたら切れてしまうんじゃないかと思うような張り詰めた調子で歌っていると思えば、次の曲では鼻にかかった甘い声になってみたり。曲毎に人格さえ変わっていたりして。

こちらのブログによれば、セットリストは以下の通りです。


星の祝祭(*2)
水(SSS~SINPLY SING SONGS)

私の畑で(ナーサリー・チャイムス)
出逢いのページから(「ふしぎ遊戯」CDブック)

赤い月(*2)
hide in the bush(zabadak/zabadak<銀の三角>)
海のオパール(「奏光のストレイン」主題歌『メッセージ』)
忘れる水(「灰羽連盟」イメージアルバム『聖なる憧憬』)
ムシとフラワー(折笠富美子/flower)

◆6曲メドレー
Tower of Hanoi(Puzzle)
対角線<Voces Iberica より>(Vita Nova/Shiawase)
猫の地図(ナーサリー・チャイムス)
届けたい、トトへ!(「小さき勇者たち~ガメラ」O.S.T)
Raspberry Heaven(Oranges&Lemons/空耳ケーキ/Raspberry Heaven)
アジアの花(zabadak/桜)

パラフィン(*1)
カモメの断崖、黒いリムジン(*1)
光さす、希望の彼方へ(折笠富美子/Lune)
天使に近い夢(zabadak/私は羊)
Root A(*1)
約束の花(*1)

seven swan songs(SSS)


上野さんの希望により、アンコールはありませんでした。アンコールをしないライブをするのが夢だったんだそうです(笑)
それにしても新曲が歌われた後、不意に始まった『hide in the bush』には震えました!ZABADAK時代の歌も歌ってくれる事は期待していたし、この20年間の集大成とも銘打つライブである以上何曲か歌ってもらえる事はお約束のような感もあった。だけどまさかこの歌が来るとは!あまりにマニアック過ぎる選曲でした。ブックレットの歌詞に何やらメモ書きしながら聴き入っていたあの頃を思い出してしまいました。懐かしい。

上野さんのMCも面白かった。ライブであまりしゃべらないという話を聞いた事がありますが、逆にそっちの方が意外に思うくらいいっぱい話してくれましたね。年齢のこともネタにしていましたが、私はとても可愛らしい人だなと思いましたよ。平均年齢53才(!)というバックバンドのメンバーとも、厚い信頼で結ばれていたね。

全てが想像以上のライブでした。やっぱりもっとこの人の音楽が広まって欲しいと思う。そうは思うけれど、この規模でずっとやってきたからこそこれだけの質を保ちながらも次々と冒険していけるのかもしれないですね。

DVD化を切に願います!