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From Hiron to many NetWalkers♪

光を取り戻した92才。

2006年12月03日 22時16分07秒 | 日常茶番劇
もう長いこと白内障を患っていた実の祖父が、今週の初めに手術を受けました。
おじいちゃんの右目が白内障である事が分かってから、実に十数年になります。
すぐに治療をしなかったのは、白内障は徐々に症状が進行していくものなので急がなくても良かったのもあるけれど、
本当の理由はやっぱり手術が怖かったから、です。

元々華やかな事が苦手なおじいちゃんは、あまり出かける事も無かったのですが、
最近はいよいよ出かけたがらず、家に閉じこもりがちな日が続いていました。
足元も覚束ないようで、庭を歩くのも危なっかしい様子でした。
いつの間にか右目は全く視力を失い、辛うじて見えていた左目も白内障になっていたようです。

白内障というのは短時間の手術で治ると言われる時代です。
とは言え、今年で92才になったおじいちゃん。年齢を考えると、手術を勧めたものか母もかなり迷ったようです。
けれど目が見えない他は健康体のおじいちゃん。
病気知らずで、私が物心付いてからずっとおじいちゃんが床に伏せった姿を見た事がありませんでした。
お医者様の診察によれば、おじいちゃんの体力なら手術は受けられるとの事。
色々話を聞くうちにおじいちゃんも腹を決めたようで、手術を受けるに至りました。

高齢である事と、白内障の進行具合から通常より長く時間がかかると説明を受けてはいたけれど、
結局予定より長びき、約2時間という長丁場となりました。
手術は無事成功!
これから一週間くらいかけて、徐々に見えるようになってくるそうです。
大事を取って一泊入院しましたが、その後も順調です。

昨日実家に帰った時に、私は早速おじいちゃんの目を覗き込んでみると、今まで見えなかった方の目で私がはっきり見えると言いました。
摘出した水晶体をもらってきたというので見せてもらうと、保存液の中にあったのは白く濁った丸いコンタクトレンズのような物でした。
それをどう光に透かして向こう側を見ようと思っても、見れるとは思えませんでした。
おじいちゃんはずっと、この靄の世界を見ていたんだね。
十数年振りに取り戻した光は、おじいちゃんの目にどう映ったのでしょうか?

おじいちゃん長生きしてね、大好きだよ!