クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

ジャワ島東部のDorcus〜パリー?・3

2020-08-10 22:02:21 | ジャワ島東部のDorcus

記事「ジャワ島東部のDorcus〜パリー?」の続きです。

 

これまでのあらすじ

今年のGWに見慣れない顔つきの

Dorcus系クワガタムシ野外個体をネットで見つけ

2ペアを購入しました。

産地は、ジャワ島東部のMt. Gumitir

パリーオオクワガタとして販売されていました。

 

ジャワ島東部に分布するパリーオオクワガタといえば

東ジャワパリーこと Dorcus  ritsemae ritsemae が知られています。

確かに当該個体は、Dorcus  ritsemae の系統には見えますが

前者とは異なる特徴を有して見え

また、他亜種とも異なるように感じたため

急激に興味が湧き、飼育を始めたものです。

 

 ↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産 59・60㎜ 野外個体

↓ こちらが既知種 東ジャワパリー Dorcus  ritsemae ritsemae

↑ ジャワ島東部  Mt.Argopuro.産 62㎜ 野外個体

 

パリーオオクワガタ Dorcus  ritsemae は

棲息地(多くは島)によってその姿がダイナミックに変化します。

仮に陸続きであっても異なる山塊に分布し

隔離された環境であれば

形態に差異が出てもおかしくはありません。

 

↓ Mt. Gumitir

↓ 母虫は野外個体33㎜と27㎜の2頭  持ち腹(2産卵セット)

 

割り出し

前記事では割り出しが早すぎたため

卵と初齢初期の幼虫を確認したところで終了しました。

あれから50日ほどが経過し

本日、本格的な割り出しを行いました。

 

↓ 27㎜メスのセット

↓ 27㎜メスからは15頭

↓ 菌床へ投入

↓  ↓  ↓

↓ 33mmメスセット

↓ 33㎜メスからは5頭

↓  ↓  ↓

↓ 合計20頭採れました

↓ 2回目の産卵セットを継続中

↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産60mm 野外個体

↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産59mm 野外個体

 

今日の割り出しでは2野外メス持ち腹で計20頭採れました。

近年では、先人の研究と努力のおかげで

菌床という優れた飼育用品・技術により

誰でも簡単に大型個体を

羽化させることができるようになりました。

来年の今頃には

Mt. Gumitirの正体を見ることができるものと思います。

 

参考文献:

  塚脇智成,1998.月間むし(328):79-81.むし社. 

  水沼哲郎著,2000. Stag Beetls Ⅱ ,ESI.

  西山保典著,2000.世界のクワガタG,有限会社木曜社.

  藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑6,むし社. 



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