貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

変なフローライト ②光のミルフィーユ

2021-10-09 20:55:04 | 単品

フローライトはいくつもの色の層を作ることがあります。



これは「レインボーフローライト」という名の、フローライトのスライス。長さ120ミリとけっこうでかい。
クリスタルワールドさんの通販で購入。江西省九江市産。4000円弱。
ただ置いてあるのを見ると暗くて「何じゃ?」となるけれど、強い光に透かすと、これがまあ、なんというか、七色変化というか、光のミルフィーユというか。紫、緑、青、黄色などが薄い層を作って重なっています。



薄いほうの紫・緑・青の鮮やかさは惚れ惚れしますし、濃い色の部分の紫も、ごく薄い別色の層があったり、深~い紫が透けて深紅の輝きを見せたり、実に妖しい。

ちょっと写真じゃ再現できないですね。

この色の層は実に不思議。厚かったり薄かったり、同じ色が繰り返されたり、濃い紫の中に突然まったく違う薄い透明や青の層が入り込んだり。

フローライトの色は、微量の希土類がカルシウムに変わって入り込み、結晶が歪むことで生まれると言われています。そういう元素置換は関係なく、何らかの理由で結晶が歪んだためという説もあります。(結晶の歪みによる発色だから方向変色が起こる。)
いずれにせよですな、こんなにころころ変わる色を、何層も重ねるというのは、どういうわざなのだろう。
ある時はイットリウムを微量に含んだフッ化カルシウムが流れ込み、別の時にはサマリウムを微量に含んだものが流れ込む。それが頻繁に繰り返された?
それとも液状の中で希土類と結びついた微小結晶が生まれ、それが重さの順で沈んだのか。(それでは繰り返しが説明できないのではないか。)
希土類が関係ないなら、ある状態で固まったところに、熱や放射線が作用してある色になり、少し時間をおいて固まったところに、また何かが作用して別の色を作った?

リーゼガング現象といって、あるゲル状の電解質溶液に、それと混ざると沈殿を起こすような別のゲル状電解質溶液を少しずつ注ぐと、層状(ないし同心円状)の縞模様ができるというものがある。瑪瑙の縞模様はこれによると考えられているらしいが、フローライトも同じことなのか。いや、これでは複数色になることが説明できないのではないか。厚さが極端に違う層ができたりはしないのではないか。
はてさて、わかりませーん。本当に神秘的で、実に面白い。


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