貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

あるかなきかの

2021-12-21 19:38:02 | 漫筆

無色透明ではない。
鮮やかに色に染まっているわけでもない。
かすかに色があるようなないような。
そんな石がけっこう好きで。

クンツァイト。

アポフィライト。

ユークレース。



バーライト。

まあ色の鮮やかなものは高価だから、という見方もありはありだけど。
負け惜しみではなく、こういうほのかな色の石はいい。
「寒天ですか」とカミさんは毒舌を発するけれど。

わびさび、という見方もできるかな。
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」(定家)
何もない。けれどかすかな気配がある。
そこに遠い内なる響きとして花や紅葉の絢爛の記憶が漂う。

人もまた人生の最後になったら
こういうありかなきかの色に染まっていたい
そんな思いも湧いて。

ん? 寒天ジジイか?



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