貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

異形・同形・固溶体

2021-10-30 23:00:09 | 漫筆

同じ材料を同じ数使ってものを作る。でも、違うものができる。
鉱物の場合でも、同じものを同じ数使って、別のものができる。
これを「同質異形」(polymorphorism)と言う(同質異像、多形とも言う。分野によって用語が違うらしい。素人としては統一していただきたいものだが。

ダイヤモンドと石墨は、炭素だけでできているけれど、石墨は六方晶系、ダイヤモンドは等軸晶系。かたや真っ黒で柔らかく、かたやきらきら透明で硬い。全然違いますね。
カルサイト(三方晶系)とアラゴナイト(斜方晶系)も有名。
アラゴナイトはいろいろと変な形の結晶を作る。カルサイトはそれほどでもない。
これはスプートニクという俗称があるアラゴナイトのクラスター。変なやつ。



同様のもので有名どころでは、
ルチル・ブルッカイト・アナテーズ=TiO2
カイヤナイト・アンダルサイト・シリマナイト=Al2SiO5
があります。

同じ材料を同じ数使っても、全然違う石ができるというのも、不思議ですねえ。
存在は構成要素にではなく構造に左右される。まあ人間だって同じような要素を持っていても、それをどう組み合わせるか、どう優先順位を付けるかで、全然違う人間になる。(話がかなり違うと思う)
いや、うどんとそうめんとスパゲティみたいなものか。(もう少しパンとか芸を付けたらどうかね)

で、今度は、「材料は違うのに、同じ形」というものもある。
「異質同形」(isomorphism)というもの(単に「同形」とも言う)。
いわゆる「グループ」になっているものが多いようです。
・長石
・ガーネット
・トルマリン
・輝石
・角閃石
などが有名どころ。まあだいたいケイ酸塩部分が同じで、それにいろいろな金属が乗っかるということね。
天ぷら蕎麦と月見蕎麦みたいなものかな。乗せるものが違うだけで同じ蕎麦だよ。(まあ……な)

で、こういうグループ内の鉱物は、構造が同じだから溶け合う。それを「固溶体」と呼ぶ。天玉蕎麦とか。(もうよしとけ)天玉とろろ蕎麦とか。(おいw)
固溶体というのは厄介で、「ラピスラズリは固溶体か否か」で議論があるようだし、どの成分が何%だったら名前が違う(長石とかスキャポライトとか)なんてこともある。天ぷら2本に卵1個なら天天玉そば、天ぷら1本に卵2個なら玉玉天そば、とかね。(もうそれやめい。だいたい卵2個載せるか?)

同じ材料から違う形を創る。
違う材料で同じ形を創る。
鉱物の創造主もあの手この手ですね。
われら人間もこのやり方を真似しているのでしょう。

さて、固溶体である天玉蕎麦を食いに行こう。
(お前、天玉蕎麦が言いたくてこれ書いたんちゃう?)


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