貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ヌーマイトとアストロフィライト/アルベゾナイト

2021-10-29 21:24:22 | ややレア

原宿のコスモスペースさんの廉価物コーナーで、ヌーマイトなるものを見つけた。
「地球で一番古い石」とかいう説明をどっかで見たことがある。
真っ黒な地にキラキラ光るものが入ってきれいで、安かったので、買った。500円。グリーンランド産。

ヌーマイトは、グリーンランドの30億年前の地層から出るもので(地球温暖化なんたらで地面が露出したとか)、どんな石より古いものだとか。まあできるところを誰も見たことがないし(当たり前だ)、年代測定法に関しては若干の疑義もあるので、話を全部真に受けているわけではないです。ヌーマイトの名前はグリーンランドの地名「ヌーク」から来ているとのこと。
ネットには「直閃石(Mg7Si8O22(OH)2)と礬土直閃石(Mg5Al2Si6Al2O22(OH)2)の混合物(変成岩)」という解説がある。直閃石は角閃石(アンフィボール)の一種だけど、この何たら閃石という連中(おい)、やたら種類があって(187とか)わけわからん。アスベストもその一部。トレモライト、アクチノライトなどは有名かな。

で、家に帰ってコレクションケースを見たら、どうも似た姿の石がある。
「アストロフィライト握り石」という名前のもの。
あれ、同じ物買ったか、と一瞬思った。キラキラした針状のものは色が違うけれど、あとはそっくり。これも老舗で買ったものなので、間違った名前を付けたりはまずしない。


左がアストロフィライト。

で、ネットを漁ってみた。どうもはっきりした解説はない。さらにアルベゾナイト(アルベゾン閃石)という名前のそっくりさんも出てきた。
はてさて。

今のところの推論は、
・アストロフィライト(星葉石)やアルベゾナイト(アルベゾン尖石)として売られているもの(ロシア、中国などが産地)は、それぞれの鉱物の針状結晶が母岩(石英か長石か?)にたくさん含まれているもの(まあインクルージョンというやつですかね)。アストロフィライトは金色、アルベゾナイトは青(実物を見ていないので確かなことは言えない)。ちなみにどちらの鉱物も単独の結晶が存在し売られている。

こちらはアストロフィライトの結晶。Weblioさんから拝借。
《 Ti Fe Mn Na Kなどを含む珪酸塩鉱物》とのこと(Vec Stoneさんより引用)



・ヌーマイトはグリーンランド産で、こちらはインクルージョンではなく、成分の違う直閃石の界面で光が乱反射するもの(ラブラドライトのあの輝きと同じものですね)。なぜかそれが面状ではなく針状になっている。
ではないかなと。
よく見ると(と言ってもジジイの目は怪しいけど)、ヌーマイトの燦光は角度を変えると消えるし、色も青や金に変化する。

仮の推論ですけど、これが正しいとすると、ヌーマイトとアストロフィライト/アルベゾナイト包含岩石は、いわば「異質同姿」なのかもしれない。材質や形成は全然違うけれども、姿はよく似ている。不思議ですねえ。


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