貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

オクタヘドロン・フローライト

2022-03-27 10:38:16 | 単品

(なんかこのところ変なタイトルつけるのにはまってないか?)

かっこいいですね。オクタヘドロン。単に八面体のことだけど。

正多面体には正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の五種類がある。つか、五種類しかない。プラトン立体などと呼ばれて神聖視される。なんでだろうとか、なんでその数字なのだろうとかは、数学や神秘学などでいろいろと話があるようだけど、ほっておく。(まあそれがよかろう)
正八面体は、ピラミッドを二つ底辺で貼り合わせた格好。
ダイヤモンドやスピネルにはしばしば見られる。マグネタイト、パイライトなど、ほかにもたくさんあるらしい。等軸晶系のものが多いとのこと。

フローライトの八面体はあちこちで見る。フローライトがそう結晶したのではなくて、劈開面でうまく割ったもの。なんでもアメリカだかに名人がいるらしい。カチーン、スコーンと次々に割る様子を見てみたいですな。
けど、フローライトは等軸晶系だから、この八面体が本来の姿、「自形」でもある。天然であまりこういう形を見せないのはひねくれ者ということだろう。(おいw)

これはクリワさん(だからそんな店名はないって)からおまけでもらったもの。透明なのとかいろいろあったけど、一番色が濃かったものを飾っている。(おお、ついに0円のもので記事を書くようになったかw)
で、こいつがちょっと変。
コレクションケースの中にはいろいろな石が入っているのだけど、室内灯の薄明かりで、こいつが妙に明るく光る。輝くのではなく、どこからともなくやって来る光を吸収してぼわーっと薄く浮かび上がる感じ。ほかの石はそういうことはない。

はてー。

フローライトというのは、屈折率が低いので有名。(有名か?)
ダイヤモンドが 2.42、水晶が 1.54~1.55 なのに対して、1.43 くらいしかない。ガラスが 1.4~2.0 くらいなので、へたすりゃそれより低い。
屈折率とかの話はややこしいので別項にするけれど、屈折率が低いというのは、宝石の形にした時に、光を集めにくい。すかーっと光が通っていってしまう。だからフローライトの輝きはつまらないという人もいる。確かに見た感じでは、軽い。あっさり。CaF、つまりカルシウムとフッ素だからさもありなんという感じ。

けれど、屈折率が低いものは、石全体が明るく見える。らしい。確かに、屈折率の高い鉛入りのクリスタルガラスと普通のガラスを並べてみると、クリスタルガラスは部分的きらめきはあるけれど、全体的には光り方は鈍重、普通ガラスはそれに対して全体がぽわーっと光る。
宝石では一般的にダイヤモンドやスフェーンといった屈折率の高いものが評価されるけれど、トルマリンやアクアマリンのような低いものも、軽やかな明るさで愛されるらしい。
このフローライト八面体がぼうっと光るのは低い屈折率のせいだろうか。

あるいは八面体というのも関係しているかもしれない。
下半分が斜めに切れているので、そこからも光が入ってくる。数学はからきしだめなのでわからないけれど、対する面が平行なので、何かしら反射の仕組みがあるのかもしれない。何せプラトン立体という神秘の形態。何か秘密があるような気もする。

単純なフローライトだし、人工的に割ったものだし、と正直少し軽視していたのだけれど、どうしてどうして、けっこう面白いものだと発見したのでした。


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