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ぐるぐる回る、窒素のゆくえと日々の食卓

2008-05-20 22:08:22 | WWFマガジンより
 食の大半を海外に依存している日本は、食料と共に、ある物質も大量に
輸入していることをご存知ですか?それは野菜や穀物などの農産物や家畜の飼料、
化学肥料に含まれる「窒素」です。窒素は自然の中で、土や水から養分として
植物に吸収された後、植物を食べた動物の死体や屎尿から排出されると、
微生物に分解されて土や水に還ります。しかし、自然のサイクルでは分解しきれない
ほどの窒素が環境中に出されると、酸性雨や地下水の汚染の原因になるほか、
川や湖で富栄養化を起こし、さまざまな生物の生息環境や漁業資源を脅かします。
今、世界各地で、人口増加や都市化に伴い、家庭や工場からの排水や生ゴミ、
化学肥料、そして家畜の屎尿に含まれた窒素が大量に排出される地域が
出てきています。日本も例外ではありません。農産物の輸入が多く輸出のすくない
日本は、入ってきた窒素を国内の土や水に排出しながらどんどん溜め込んで
しまっているからです。

 かつて日本の農村では、家畜の屎尿を畑の肥料に使い、近くで刈った草を
家畜に与えるといった、無理のない窒素の循環がなされていました。
今すぐ、こうした仕組みを取り戻すのは難しいもの、しかし、国産で、
化学肥料を使わない農産物を選んだり、残飯を減らすことなら誰にでもできます。
自分の口にする食物がどこから来て、最終的にどこへ行くのか、
改めて考えてみませんか?

 日本の食料自給率(2006年)出典:農水省
米・・94%
小麦・13%
大豆・5%
肉類・56% *輸入した飼料の割合も考慮されている
野菜・79% *栽培の際、輸入した化学肥料が使われた可能性がある
(WWFマガジン)