今日の一枚

 小さな幸せを
見つける名人になりたい

愛媛新聞から③

2007-12-19 18:18:26 | 写真日記
(森をゆく)
沖縄西表島 マングローブ⑦
「海の母」開発で汚損

海と陸にまたがるマングローブの森は、たぐいまれな自然の
環境保全システムでもある。
河川から海に流れ込む土砂を食い止め、重金属など有害な物質を
吸収する働きをするという。
琉球大の馬場繁幸教授は「独特のにおいがするでしょう。
海水の硫黄分を吸収したためです。硫化水素のにおいですよ。」と言う。
 マングローブの干潟に生息する数多くの貝やカニ、エビなどの
甲殻類の食事はそのまま水質浄化の活動だ。
マングローブたちを中心に、生き物も土壌も植物も
一体となった生態系として天然のフィルターの役割を果している。
透明度の高い水をつくり、さんご礁をはぐくんでいる。
 沖縄には「山ヌハギネー、海ヌハギイン」と
いう言葉がある。「山がはげると、海がはげる」という
古くからの言い伝えだという。
山、つまり森がなくなってしまったら、海の豊かさも
失われてしまう。森は海の母だ。
 元気なマングローブの森が沖縄の海には欠かせない。
マングローブの結実には、花粉を運んでくれる昆虫が
なくてはならない。
西表島は虫の宝庫だ。「ほとんど新種といっても
いいぐらい貴重な虫が多い」のだが、
「業者が入って来て採り放題」という。規制もない。
クワガタが減り、ヘビも野生ランも売られているのが現実だ。
 森の中で醜い光景に出合った。
船から海に捨てられ漂着した人工物だ。
さまざまなプラスチックの容器、割れたブイ、
壊れた発砲スチロールの箱、魚網。
根に絡み自然に流れ出ることはない。
プラスチックは腐ることもなく、分解されることもない。
半永久的に無残な姿をさらしている。
 馬場教授は「道路の開発が一番の問題です」と言う。
島を半周する舗装道路の建設のためにマングローブが伐採された。
それ以上に海岸線に造られた道路が「潮の満ち引きを
止めてしまう。枯れたところもあります」。
絶滅危惧種で100匹ぐらいといわれるイリオモテヤマネコは、
年に数匹が車にひかれて死ぬ。
人だけが森を痛めつけ、汚している。
(ジャーナリスト・米倉久邦)

 今日の写真は我が家の緑。
水栽培です。
寒くなって、元気がなくなっていますけど
小さな緑は癒してくれます。