彦中三八ブログ 

彦島中学校を昭和38年3月に卒業した同期生のためのブログ。 掲示板「彦中昭和38年卒同期会」にもお立ち寄りください。

草千里の馬

2010年05月02日 06時37分02秒 | 動植物・自然
草千里も良かった。
日本人って、南方系と北方系の混血だから、祖先のイメージを固定しにくいと
思うんだけど、「草原」はかなりの確率で、現代の日本人のDNAにも刻印されている
ような気がする。

旅行先を選ぶ際、「女子に高原、外れなし」っていうのが、僕の勝手に作った格言。
女子は感性に素直なので、草原・高原の良さを即座に感得する。
高原に誘う方が、一流ホテルのディナーや、ブルガリのバッグのプレゼントより
喜ばれるかもしれないよ。

男だって、じっと草原を見つめているうちに、数々の幼い理の世界のバリアが
ほどけてきて、「ああ、この景色いいなあ」と感じ入ることもあるし、ふいに
現れた草原の光景に、幼い「理」が間に合わなくって、「ドキッ」としてしまう
こともあるんだ。

ま、とにかく日本人は高原や草原を見ると、心が洗われるような気分になるんだと思う。


草千里はそんなに広い草原ではないのに、伸びやかな清澄感がある草原でした。


インターネットで探すと、上手な人の写真がどーんとあると思いますので、
写真はこの一枚にしておきます。


草千里の一角に、観光用の馬が繋がれていまして、馬のお尻が一列に並ぶ様を
撮ると、構図的に面白いかもと思い、近づきました。


繋がれている馬たちの側にくると、僕を近づけさせたのは、馬たちの「お尻」
だけではないことに気づきました。
馬たちの「静寂」です。馬たちは微動だにしないのです。
それが静かなる「気」を発して、僕を呼び寄せたのでした。


馬は寂しいのでしょうか? 悲しいのでしょうか? こんな所に繋ぎやがってと
すねているのでしょうか? 諦念か? 馬語で哲学をしてんのか?
何も考えていないのか? 何も考えないことが色即是空で、空即是色だと
悟ってしまったのか?


見入る少女も僕と同様に、何かを刻印されたに違いありません。
いつ、どこでというのは憶えていないが、小さい頃大きくて静かなお馬さん達を
見たというおぼろげな、おぼろげだけどリアルな記憶として彼女の胸に残るのでしょうね。

ちなみに右端の馬は頭を下げていますが、この馬は花粉症か風邪のようで、
首を上下させながら、シュルシュル、フルフルと鼻を震わせていました。

by K

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