資産3000万ドル以上(約34億円)の超富裕層の都市別人口推計が英不動産調査会社ナイトフランクから発表され、東京は世界で8位の2035人だったことがわかった。1位は米ニューヨークの5600人。また一方で、大阪は568人で前年から大きく人数を減らしている。調査では日本は東京、大阪が対象となっているが、昨年7月からできた新制度「出国税」の影響もあるのではないかと思われる。
レポートによると、超富裕層人口の1位は米NYで、前年の3227人から約4割も増加して5600人に。順位も4位から首位に躍り出た。2位ロンドンは前年1位から順位こそ下げたものの、人数は4905人に増加し、依然として英語圏出身の超富裕層への人気の高さをうかがわせる。今後も一定数の増加は見込むことができるのではないか。
また、別の調査で大富豪の人口が世界一になった中国だが、各主要都市で軒並み超富裕層人口も増加。北京が前年9位から6位に上海が18位から16位にそれぞれ順位を上げている。もちろん、ドルに対する人民元高という要因も大きく、深センなど他の大都市も超富裕層人口が増加している。香港はレポートに記述がなかった。
1億円 10億円 30億円
1 NY 32万人 1万4300人 5600人
2 ロンドン 37.6万人 1万2730人 4905人
3 モスクワ 7.6万人 7570人 3457人
4 LA 16.5万人 7370人 2820人
5 シンガポール 22.4万人 6580人 2360人
6 北京 11.1万人 4860人 2073人
7 台北 11.2万人 4810人 2062人
8 東京 26.4万人 6430人 2035人
9 シカゴ 13.4万人 5990人 2030人
10 チューリッヒ 10.6万人 5620人 1754人
11 ソウル 10.2万人 4410人 1740人
12 サンパウロ 8.4万人 4420人 1677人
13 フランクフルト 14.3万人 4420人 1650人
14 ジュネーブ 9.7万人 5150人 1607人
15 メキシコシティ 10.1万人 4580人 1533人
16 上海 8.1万人 3560人 1519人
17 パリ 12.6万人 3180人 1510人
18 ヒューストン 8.3万人 3680人 1318人
19 イスタンブール 4.8万人 3120人 1272人
20 ローマ 7.3万人 3070人 1242人
出国税
東京の超富裕層は、前年の3575人から2035人にまで減少している点は気にかかる。理由は二つ考えられるが、まずは単純に持ち株の下落が影響し資産を減らした可能性。もうひとつは、国外流出である。昨年6月に引退したある著名創業者は、すでにシンガポールに引っ越したと言われているケースも存在する。こうしたケースは通称「出国税」と呼ばれる、昨年7月から制度化された「国外転出時課税制度」の影響も出ているのかもしれない。
また、大阪も1471人から568人に減少しており、東京と同様に上記二つの要因が考えられそうだ。資産が30億円以上のレベルになると、普通の富裕層レベルの節税策では相続対策が困難なために、ある意味で最もシンプルな方法である日本の非居住者になるなど何らかの策を講じた結果かもしれない。
ちなみに大阪は、1億円以上の富裕層は11万人、10億円以上は1840人、30億円以上は568人だった。国際的に見ると、中国の深セン市、インドネシアのジャカルタと同程度のレベルとなっており、今後は追い抜かれる可能性もありそうだ。
超富裕層の転入、転出の大きな要因ともなる高級レジデンスの市場だが、都市別の上昇率ランキングは次のようになっている。
1 バンクーバー 24.5%
2 シドニー 14.8%
3 上海 14.1%
4 イスタンブール 13.0%
5 ミュンヘン 12.0%
6 メルボルン 11.9%
7 サンフランシスコ10.9%
8 オークランド 10.2%
9 アムステルダム 10.0%
9 モナコ 10.0%
端的に言えば、上位3都市は中国人の動向によるものだ。バンクーバー、シドニーは移住のための中国人人気が高い都市として知られており、特にバンクーバーは中国人に占拠された、とも揶揄されているほど。高級不動も買いあさり、不動産価格も沸騰しているというわけだ。ちなみに東京は0.4%の上昇、大阪はランク外だった。
レポートによると、超富裕層人口の1位は米NYで、前年の3227人から約4割も増加して5600人に。順位も4位から首位に躍り出た。2位ロンドンは前年1位から順位こそ下げたものの、人数は4905人に増加し、依然として英語圏出身の超富裕層への人気の高さをうかがわせる。今後も一定数の増加は見込むことができるのではないか。
また、別の調査で大富豪の人口が世界一になった中国だが、各主要都市で軒並み超富裕層人口も増加。北京が前年9位から6位に上海が18位から16位にそれぞれ順位を上げている。もちろん、ドルに対する人民元高という要因も大きく、深センなど他の大都市も超富裕層人口が増加している。香港はレポートに記述がなかった。
1億円 10億円 30億円
1 NY 32万人 1万4300人 5600人
2 ロンドン 37.6万人 1万2730人 4905人
3 モスクワ 7.6万人 7570人 3457人
4 LA 16.5万人 7370人 2820人
5 シンガポール 22.4万人 6580人 2360人
6 北京 11.1万人 4860人 2073人
7 台北 11.2万人 4810人 2062人
8 東京 26.4万人 6430人 2035人
9 シカゴ 13.4万人 5990人 2030人
10 チューリッヒ 10.6万人 5620人 1754人
11 ソウル 10.2万人 4410人 1740人
12 サンパウロ 8.4万人 4420人 1677人
13 フランクフルト 14.3万人 4420人 1650人
14 ジュネーブ 9.7万人 5150人 1607人
15 メキシコシティ 10.1万人 4580人 1533人
16 上海 8.1万人 3560人 1519人
17 パリ 12.6万人 3180人 1510人
18 ヒューストン 8.3万人 3680人 1318人
19 イスタンブール 4.8万人 3120人 1272人
20 ローマ 7.3万人 3070人 1242人
出国税
東京の超富裕層は、前年の3575人から2035人にまで減少している点は気にかかる。理由は二つ考えられるが、まずは単純に持ち株の下落が影響し資産を減らした可能性。もうひとつは、国外流出である。昨年6月に引退したある著名創業者は、すでにシンガポールに引っ越したと言われているケースも存在する。こうしたケースは通称「出国税」と呼ばれる、昨年7月から制度化された「国外転出時課税制度」の影響も出ているのかもしれない。
また、大阪も1471人から568人に減少しており、東京と同様に上記二つの要因が考えられそうだ。資産が30億円以上のレベルになると、普通の富裕層レベルの節税策では相続対策が困難なために、ある意味で最もシンプルな方法である日本の非居住者になるなど何らかの策を講じた結果かもしれない。
ちなみに大阪は、1億円以上の富裕層は11万人、10億円以上は1840人、30億円以上は568人だった。国際的に見ると、中国の深セン市、インドネシアのジャカルタと同程度のレベルとなっており、今後は追い抜かれる可能性もありそうだ。
超富裕層の転入、転出の大きな要因ともなる高級レジデンスの市場だが、都市別の上昇率ランキングは次のようになっている。
1 バンクーバー 24.5%
2 シドニー 14.8%
3 上海 14.1%
4 イスタンブール 13.0%
5 ミュンヘン 12.0%
6 メルボルン 11.9%
7 サンフランシスコ10.9%
8 オークランド 10.2%
9 アムステルダム 10.0%
9 モナコ 10.0%
端的に言えば、上位3都市は中国人の動向によるものだ。バンクーバー、シドニーは移住のための中国人人気が高い都市として知られており、特にバンクーバーは中国人に占拠された、とも揶揄されているほど。高級不動も買いあさり、不動産価格も沸騰しているというわけだ。ちなみに東京は0.4%の上昇、大阪はランク外だった。