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ー 序 ー (書いてみただけで、すいません^^:)

2019年06月16日 20時07分10秒 | 書き物置き(自分が確認する程度です💦)

   - 序 -

 そこは、ただ圧倒的なまでの光に満たされていた……。

 様々な彩りの光、
暖かく柔らかな抱擁のような、
羽根のように包み込む光や、安らげる陽光など、
知っている光もあれば、知らない光も、
全てが溢れそうなくらい、
そう、まるで光の海……。

 不快さなど微塵も無く、ただ、その居心地の良さと、
例え大きく瞳を見開いたとしても、決して眩しいというわけではなく、
夢だという一言で片付けられない、言葉には表わせないものだった。

 そうして呑まれていく自分が光の海の中、
意識という境界線は、まるで柔らかに包まれるように曖昧になり、
とても素晴らしい夢の中にいるような、
幻想的で優しさと温もりに溢れる感覚だけが、
永遠に続くような揺りかごに、その身を任せたくなる……。

 そんな中、光の泉と呼ぶべき世界に、
異端な一筋の小さな陰が現われる。
陰が大きく尾を引くと思いきや、それさえも光が包み、
一点の陰として人型を形取った。

 と、その陰の主がややクセのある声の男が、
この光の渦の中心に向かってこう発する。

陰の主「この私などに、何か御用ですか?
我らが盟主様。」

 自己を強く意識したように聞こえた、その男の声。
それは不遜にさえ感じられる、彼のその表情が想像にたやすかった。

 僅かな間を置いて、陰の声に反応したように、
光の世界は変化を見せる。

 大きな泉が噴くかのように、光の柱が立ち上り、
それは七つの虹の光彩が音を奏でるように混ざり合い、
より白く強く煌めいた。

 まさに言葉では表現しようのない、そうとしか言い様がない、
心を奪うほどに強烈に惹き付けて美しい、
光輝の起こした奇跡と呼ぶべき、一人の清楚で可憐な乙女が姿を現わす……。

 ただ圧倒されていては、これはもう呑まれ消えるしかない、
というしかないほどに、あまりにも尊く輝ける光の乙女に、
声を失うどころか、存在まで消えてしまいそうな、
無力な自分がいるのにとっさに気付くと、何とかこの幻想の中に留まれはした。

 と刹那に私とはなんなのだろう?と、
その疑問を抱いた思考は瞬きの内に溶かされ、ただ傍観する事のみが許された気がした。

 この時、自由に意思を持つことを許されるのは、
もっと遠い未来の事だと、まだ地上に生を受けていない、
光の潮流のただ中にいる私は、後にそれを知る事なる。

光輝の乙女「ここにあなたと私以外にも、
もう一つの意思がある事を、すでにお気付きでしょうか?
 …イ…ス…卿。」

 その名こそハッキリと聞き取れなかったが、
卿と呼ばれた陰の主は、即座に光輝の乙女にこう答える。

謎の男「!? おっ! おおぅ!!
……気付きませんが、正直どうでもいいことでありますっ!!

 私などにとって、御身に触れ……もとい、
邂逅(出会い)のチャンスが与えられた事に、夜空に輝く星々の数ほどの感謝こそあれ、
他のことなど、ホントどうでもいいです。

 もしや、お茶の席にでも招いていただけるのですか……?
ならばジェット! いえワープで礼服にチェンジして参りますぞッ。」

光輝の乙女「うふふっ……、
ではいずれそのような席を設けさせていただきますね。
さて、では本題をよろしいですか?

 このゼリオスの空はあまりにも広大で、
その全体を把握する事は容易ではありません。
私はその無力を感じながらも、無限とも思える
この空の地図を埋めなければなりません。

 ……そのさらに先にある強大な脅威に対抗するには、
この世界の可能性を信じ、さらに無数の可能性を開花させる事は、
何よりこの私の願うことです。
卿も周知の事でありますが、あえて、もう一度言わなければなりません。」

謎の男「……なるほど、
つまりはその原石を見出されたという事でしょうか。」

光輝の乙女「である事を期待し、望みはしますが、
はたしてかの大覇王が、優美で強きかの姉上を持たずに、
その場に立てたでしょうか?

 導き手がいてこそ、範を示すものがあってこそ、
大きく咲く花のように思えてならないのは、単なる杞憂で済ませてよいのか、
それを見識に秀でる卿に問いたかったというのがお呼びした理由です。」

 そっと瞳を閉じる光輝の女神。
すると僅かな間を置いて、陰の主を包み混むように光の円柱が次々と沸き立ち、
その光景は、神の祝福と言うほか例えようもない無限の光彩で、
男のシルエットを露わに描き出す。

謎の男「おぉ!! これはミルザ殿の時に見たことのある、
奇跡の祝福ッ!!! ……ついに私も何かの域に達したという事ですか!?」

 鮮やかに描き出されるその男の姿は、神の遣わした英雄のような神々しさがあった。
鮮明に見えた彼のその素顔を、この時、何故か記憶に留められない。
それは、誰もが経験した事の無い、未知の感覚だろう。
鮮やかに魅せる英雄像を、目をそらしただけで失いそうな不思議な感覚……。
まるで、夢の一部のよう。

英雄っぽく見える男「ぜひ、鏡に我が身を映したいものですが、
この福音だけでも感謝感激なのです。

 これ以上の欲は申しませんが、何の奇跡がこの身に付与されたかだけ、
ちょっぴりヒントをいただければぁ!!!」

光輝の女神「はい、答えましょうっ。
それは、私と遙か遠くに位置する場所へと誘うテレポーター(転移装置)です~、
しばらく、うーんと数千万年? 逢えなくともきっと心で通じていると、
そう信じますっ!!」

謎の男「わ、ワナでしたかぁーーーーーーーッ!!!」

 その叫びが残響となるが、収束する光の柱に封じ込められる様に、
男ごと光の柱も何事もなかったかのように消える。

 刹那、光輝の乙女が笑みを浮かべながら、こちらの方を向く!!

光輝の乙女「そんなに怖がらなくても良いですよ、
私は特にあなたに何かが出来るというわけでもないのですから。」

 柔らかなソプラノの声を紡いだ彼女は、
微笑むように優しい表情で、こちらをただ怖がらせないように、
光の絨毯から浮き出てきた極彩色の椅子に腰をかける。

 すると光の世界は緩やかに消え行き、そして私自身の意識も消える……。

 最後に残った記憶も、この後消えてしまうだろうが、
なんとも慈愛に満ちた表情で、こちらを見つめた光輝の乙女は、
我が子を見送る母親のような、そんな安息感をこの心に届けてくれた。


   - 命の潮流の中、生まれ行く子らを見守り続ける
               永遠のアリスのシーンより抜粋 -

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