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第二十八話 Cパート 「カイザーさん。」

2014年11月28日 16時18分02秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十八話 Cパート


   「カイザーさん。」



 もういくつ数えると、

 十二月ですね。


 急に暖かくなったり、寒くなったり、

 大変ですが、

 風邪を引かないように、気を付けて下さいね。


ファルさん「そう、もうすぐ十二月なのです。」


 ナレーション的な部分は、

 最近は、ファルさんこと、

 20才独身さん、西の大覇王 マベルランカスター領主、


 ファルベリアさんが、やってることも多いです。


 エリスねーさんの家に、お泊りして、

 ねーさんの事を、ちょっと気になってしまった、ファルさんです。


 ファルさんにパジャマを貸してあげた、エリスねーさんは、

 そのあまりの優しい香りにエボリューションした、パジャマに、


 柔軟剤の重要性を知りました。



 ファルさんは、お花屋さんで働いています。

 ジェネシスおじさんこと、

 ファルさんの四剣聖 筆頭の剣仙 アリストおじさんが経営する、

 チェーン店になります。


 ファルさんは、こちらの世界にやって来るにあたって、

 大胆にも、領地を守る四剣聖を、全員こっちに連れてきています。


 筆頭のおじさんと、

 軍師のグランザスさんと、

 猛将のゆきはなさんと、

 天使のラウエルさんになります。


 みなさんをお花屋に働かせて、

 バイトのためぞうを囲い込むという作戦だったのですが、


 好きとかいわれて、胸揉まれて、

 ファルさんの方がすっかり純情になってしまって、

 計画は、微妙に進んでいません。


ファルさん「・・・面目ない。


      もっと、ビシッと決めて、

      さっさと本国に帰る予定でしたが、


      進展しないまま、年末を迎えようとしています。


      商店街の福引券は、こつこつ溜めてますよ。

      夢があっていいですね。」


 時刻は、朝の10時くらいです。

 この時間、ファルさんは、

 ゆきはなさんと一緒に、商店街の方にあるお花屋さんにいます。


 社長のおじさんは、

 看板娘を探すとかいって、すぐにリアカーで営業に出かけてしまうので、

 基本、二人でいることが多いです。


 おじさんは、客寄せに男装の麗人であるグランザスさんを連れ回すので、

 ゆきはなさんが、お届けに出ると、

 ファルさんは、一人になってしまうことも多いです。


 ラウエルさんは、お手ごろ価格の中華まん(1個、80~120円)が好評で、

 なかなか、お店に来てくれません。


 でも、ファルさんは、一人の時こそチャンスだと思っています。


ファルさん「ええ・・・、ためぞうさんがいる時は、

      そういう事になりますね。


      初めは、レオクスさん狙いで来たのですが、

      何故か、心が揺れてしまっています。


      一生懸命な男性って、素敵ですよね。」


 店番をしているファルさんに、一枚のファックスが送られて来ました。

 ゆきはなさんは紅茶とクッキーを準備して、

 商店街の方たちと表のテラスでお話ししています。


 ファルさんは、注文の入力をする為に、ファックスを見ていますが、

 どうやら、お花の注文ではなさそうです。


 アリサ副会長さんから送られたもののようです。


 - 先日は、サードラルさんに代わって、

   ラスボスを引き受けて頂き、ありがとうございました。


   注文は、お花の香りの入浴剤になります。

   いろんなのを楽しめたら、嬉しいです。


   最近、姉のアリスがなかなか帰って来れない為、

   また、代役をお願いすることがあるかも知れませんが、


   その時は、またよろしくお願いします。


   セントクラウス学園 生徒会 アリサ=クラウス。 -



 ファルさんは、さっそく入浴剤の在庫を確認しに行きます。

 花農家さんが物産展用に作っている

 リラックス効果のある入浴剤で、

 在庫がない時は、発注するか、

 道の駅ドラゴンに買いに行く必要があります。


 どうやら、在庫はそこそこあるようです。


ファルさん「なるだけ、いろんな種類を混ぜておきましょう。

      試供品としてなら、お代もかかりませんし。


      メインは、ピュアローズでいいでしょうか。」


 ファルさんは、ファックスを持ったまま、

 お店の奥にある倉庫に来ています。


 よく確認すると、

 ファックスには、追記がありました。


 - PS、


   ためぞうさんの事で、お伝えしたいことがありますが、


   彼も一応、王子候補になっています。


   ためぞうさんが、LV99になって真の姿を取り戻すと、


   『カイザー=グランハルト2世』になるそうです。


   行方知れずのお父さんが、かなり立派なカイザーだったので、


   王位継承権が、あるみたいですね。


   では。-


ファルさん「えー!?」


 ファルさんは、慌ててセントクラウス学園に電話しました。


 生徒会専用ダイヤルに、アリサさんが出ます。


アリサさん「はい、アリサです!」


ファルさん「お、おはようございます!


      ファックス、確認させていただいたのですが・・・。」


アリサさん「これは、どうもご丁寧に。


      入浴剤の種類ですか? うーん・・・、」


ファルさん「あ、いえ、


      その後ろに書いてあった、メモにカイザーさんって。」


アリサさん「ああ、ためぞうさんですね。


      セーブデータ容量が二倍になったので、

      真の姿も、出てきましたね。


      一応、お伝えしておこうかと。


      (ジャスティスKさんに、

       ファルさんが食い付きましたね・・・、むふふ。)」


ファルさん「よかったら、そこら辺をちょっと詳しく、


      お伺いしたいのですが・・・。


      いっぱい、試供品付けます!」


アリサさん「(作戦成功・・・。

      しばらく、ファルさんがアリス姉さんの代打してくれそうですね。)


      はい、了解です~!」


 アリサさんは、やや脚色されたカイザーさんの話を、

 ファルさんに伝えました。


アリサさん「グランハルト=トレイメアス(ヤマモト)さんって、知ってますか?」


ファルさん「存じています。


      銀河最強の剣帝さんですよね。」


アリサさん「なら、早いです。」


 ためぞうは、そのグランハルトJr(ジュニア)で、

 本来の姿は、封印されている・・・かも知れないと、

 以前、ためぞうのキャラ、


 『ジャスティス=・・・カイザーなんとか。』との対戦時に、

 キャプチャーした、ためぞうのキャラのグラフィックを、

 ファックスで送りました。


 モノクロですが、レオクスさんや、ホーネルに似た、

 かなりのイケメンです。


 ネコのマスクさえ取れば、古蔵さんもイケメンなのは、

 ファルさんも知っています。


 ファルさんは、ゆきはなさんに気付かれないように、

 マッハで、ファックスを受け取ると、

 ダッシュで倉庫に戻ってきて、画像を確認しました。


ファルさん「まじかー!


      ・・・あ、いえ、失礼しました。」


アリサさん「いえいえ。」


 レオクスさんを凛とした表情にして、

 ホーネルのキラキラ成分を足して、

 ウィルハルト王子の包容力を加えたような、


 絵に描いたような王子になっています。


ファルさん「ぜぇぜぇ・・・、


      このドキドキは、これのせいだったのですね。」


 ファルさんは、勘違いをしています。


 アリサさんは、面白いことになればいいと思っています。


 ホーネルたち(セリカさんも含む)とよく遊ぶようになった、

 アリサさんは、

 変な成分が、混ざってきました。


 そのキャラは、ためぞう自身が設定したキャラに間違いはないので、

 そうなれないとは言いきれません。


 なれると、いいですね。 くらいのノリです。


アリサさん「ためぞうさんの事、これからもよろしくお願いします!」


ファルさん「ま、まかせて下さいっ!


      (・・・難易度がますます上がった気はします。)」


 ファルさんは、ご機嫌になりました。

 夢見る乙女さんはいいですね。



 お昼時になると、ファルさんは、一旦お店を閉めて、

 セントクラウス学園の商業エリアに移動します。


 軽トラで5分くらいの距離です。


 お花屋さんを新規出店しているので、

 そのお店で、働いています。


 社長のジェネシスおじさんが、

 新しい店員を雇用してくれるまでは、

 商店街と、こちらの商業エリアの二つのお店を、

 ファルさんは、管理しなければなりません。


ファルさん「いいこともあるのです・・・。」


 学園と商業棟は、普通に通路でつながれているので、

 校内に行かなくても、

 結構な、出会いがあったりします。


 レオクスさんも、こちらにケーキと紅茶のお店を出店しているのですが、

 現在は、ためぞうと二人で、

 定食や麺類など、いろいろ扱うようになりました。


 ファルさんの目的は、そこにいるレオクスさんです。


 レオクスさんは、

 お菓子作りと紅茶が好きな、王子様で、

 女性のように美しい男性です。


 いつも笑顔のレオクスさんのケーキコーナーには、

 女性客や、女生徒さんでいっぱいです。


 特にレオクスさんを独り占めしたいという、

 女子は少なく、(ファルさんのような。)


ファルさん「!? わ、私だけ?」


 レオクスさんを、共有することで、

 みんなで女子力を上げていこうよ的な、

 まったりとした感じの雰囲気に包まれています。


 (抜け駆けに対する、視線はあります。

  エンディングまで、焦るんじゃないと、

  落ち着けモードになっています。)


 レオクスさんは、ケーキや紅茶だけでなく、

 季節にあったものや、リクエストには、

 メニューに書いてなくても、応えてくれるので、

 お昼休みのオアシスのような存在です。


 とても、美しい男性です。


ファルさん「競争率は、高いですね。


      (とある、最大勢力の帝国の、

       帝位継承権が、第一位でありながら、


       あえてそれを望まず、

       ご自身で一から作り上げようという、

       見上げた姿勢の持ち主です。


       ・・・高嶺の花ですね。)」


 ラウエルさんがやってきました。


ラウエル「こんにちは、ボス。」


ファルさん「ラウさん、こんにちは。」


 ラウエルさんは、中華まんを商店街や、コンビニのケースで販売しているので、

 お昼時には、ちゃんとランチに来ます。


 お友達のリンカさんに、特製あんまんを頼まれた時などは、

 遅れて来ます。


 自然な感じで、バストアップが出来る上に、

 そのあと、おやつにもなる、優れものです。


 ファルさんの部下ですが、

 心の友なので、なんでも話せます。


ラウエルさん「定食コーナーに行くある。


       ボスは、どうするね?」


ファルさん「そ、そうですね、


      一緒に食べます。」


 お店の定食コーナーは、

 ためぞうの担当です。


 そば打ちタヌキとして、修行を重ねてきたためぞうは、

 なかなかの腕前です。


 うどんも修行中で、けっこう美味しいです。


 ためぞうは、冒険こそやっていませんが、

 料理の腕前は、磨いてきたので、

 定食コーナーを任されるくらいまで、成長しています。


 ためぞうは、自分を預かってくれている、

 エリスねーさんの為に、

 毎日、食事を作っています。


 元々、料理の出来るためぞうでしたが、

 レオクスさんと一緒に頑張って、

 そこに繊細さが加わっています。


 のどごし、なめらかな感じです。


ためぞう「こんにちは、ファルさん。


     ラウエルさん。」


ラウエルさん「ためぞうさん、


       天そば定食、お願いある。」


ためぞう「あいよッ!」


ファルさん「私は、何にしようかしら。」


 ファルさんと、ラウエルさんは、

 テーブルに着きました。


 仮設の定食コーナーなので、テーブルや椅子は簡素ですが、

 きちんとテーブルクロスがしてあって、

 椅子には、クッションが敷いてあります。


 手作り感は満載ですが、その雰囲気が、

 学生気分を味わえて、良かったりもします。


 ローゼさんが、やってきました。


ローゼさん「ためぞうさん、


      きつねうどんと、おいなりさんのセット、

      お願いします。」


ためぞう「はいっす!」


 ローゼさんは、

 ためぞうの元師匠のハインさんと、

 最近、ちょっぴり成長したリンカさんと、

 三人で暮らしています。


 ローゼさんは、二十六話くらいまで、

 ためぞうを、裏方として支えていました。


 サフィリアさんから貰った、

 学園の赤のジャージを着ています。


 プラチナの髪の麗人とウワサされるほどの、

 美人さんです。


ファルさん「私は、ごぼう天うどんのセットでお願いします。」


ためぞう「了解っす。」


 定食コーナーには、

 他に、教職員のみなさんや、

 事務員のセリスさん、


 ためぞうの担任の、エリナ先生(19)がいます。


エリナ先生「はい、エリナです。


      ティーンである事を、アピールしておきます。

      来年も、19才です。


      何年経っても、19才です。」


 ファルさん(20)が、大人にみえました。


ファルさん「・・・ええ、


      1つしか変わらない、この違いは何なのでしょう。


      私とたいして変わらない年に見える、

      ローゼさん(16)にお聞きしたいのですが。」


ローゼさん「はい、お答えします。


      学園生活において、一年というのは、

      とても重要な成分です。


      ここが、重要なのですが、

      来年も、年齢は全員変わらない

      2015年度版になると思いますので、


      この1才差が、どうにも埋まらない差なのです。


      一馬身くらいの差はありますので、

      初期設定は、大変、重要だと思います。」


ファルさん「・・・。


      (大人な感じがよい時もあるかもしれません、と、


       前向きにとらえましょう。


       ・・・恋の経験値が大きく不足していますが。

       そこは、みなさん、大して変わらないでしょう。


       そう、信じたいのです。)」


 ためぞうが、気を利かせて、

 三人分のランチを運んで来ました。


 サフィリアさんも

 レオクスさんの作った、かわいいエプロンドレスで、

 お手伝いしています。


ためぞう「ゆっくり、していってくださいね。」


 三人は、ためぞうをちょっといいなと思っています。


 ・ ローゼさんの場合  = 共に苦労を重ねた同志としても、

               美しい友情のような想いがあります。


               愛しているヒゲのお父さんには、

               遠慮なく、その愛情をぶつけられるのに、


               触れると、失ってしまうかも知れない、

               淡い想いのためぞうには、

               とても、ためらってしまいます。



 ・ ラウエルさんの場合 = お父さんのラウ会長は、

               ためぞうの将棋友達の亀吉さんと親友で、

               その亀吉さんからの、薦めもあります。


               お母さん(?)のエリーゼさんが、

               ためぞうを気に入ったようです。



 ・ ファルさんの場合  = これまで、一度も逆境に立った事のない、

               無敗の女帝でしたが、


               一度、その逆境を守ってもらうと、

               守られる優しさに触れた感じで、

               あたたかさを素敵に想いました。


               ためぞうが、もしかすると、

               本当は王子かも知れない、というへんな情報を、

               吹き込まれています。


ローゼさん「サフィリアさん、


      ジャージ、ありがとうございます。

      サイズが合って、いい着心地です。」


サフィリアさん「あ、いえいえ。


        私も、ローゼさんにはお洋服、

        縫っていただいていますので。」


ファルさん「サフィリアさんの、

      白のエプロンドレス、かわいいですね。」


サフィリアさん「ありがとうございます!


        はい、気に入っています。

        レオクスさん、裁縫もお上手ですね。」


ファルさん「さすがに、王子さまとしてすでに目覚めている

      レオクスさんは違いますね。


      すごく素敵だと思います。」


 三人は、一緒にいただきますをします。


 テーブルで、美味しそうにきつねうどんを食べる、

 ローゼさんは、言いました。


ローゼさん「えー、

      アリサ副会長さんから、


      ファックスを頂いたのですが。」


ファルさん「!?」


 どうやら、ローゼさんも情報を持っているようです。


 ローゼさんの場合、

 便利な本、『全知の書』を持っているので、

 情報が更新されれば、その本にも書いてあります。


 この本の欠点は、

 勝手に内容が更新されるので、

 ある程度、定期的に開かないと、気付けない事です。


 ファックスを受け取った後、

 ローゼさんは、詳しい更新内容を確認したようです。


ローゼさん「怪しいネタだったので、

      一応調べてみました。


      ファルさん、どうしますか?」



 ・ ローゼさんに、ネタを聞いてみる。


   → はい。


     いいえ。



ファルさん「(こっそり、教えてw)」


ローゼさん「(はい、了解です。)」


 ラウエルさんは、天そば定食を頂きながら、

 聞いています。


 ローゼさんが、ファルさんにひそひそと言いました。



   ◇ ためぞうさんの、『 II 』なところ。


     ・ 冒険のデータが約2倍になりましたが、


       元々、冒険していないので


       だいぶ、空き容量があります。


       そこに、2Pキャラのデータが収まるようです。



     ・ その2Pキャラのデータ。


       なまえ 『グランハルト=トレイメアス二世。』


       LV 99


       (1Pキャラは、タヌキさんでした。)



     ・ 「ここが、王子!」


       なんと、帝位継承権が、レオクスさんの次に高い。


       二位です。



       正統なるカイザー、『ヤマモト』さん(ためぞうさんのお父さん。)を、


       ワタクシが、倒してしまったことで、


       息子のためぞうさんに、権利が移っています。


       面目ない・・・。


     ・ 覚醒条件は、『LV99』になることです。


       ここの難度が、果てしなく高いですね。


       まあ、なかなか美男子でした。



ローゼさん「別に、変わらなくても、

      いいことってありますよね。


      私は、そのままでもいいんじゃないかと思います。

      きつねうどん、美味しいですね。


      心が、あったかい気がします。」


ファルさん「ええ・・・。


      限界など、自分が超えればいい事なので、

      今のままでもw


      夢がある分、+1な感じはします。」


ラウエルさん「いい事、聞いたある。」


 ためぞうは、こつこつと貯めるように、

 いい方向には、向かっています。


 今のためぞうでも、いい点もたくさんあります。



 ・ まず、LVが93もある。


 ・ エリスねーさんが付いてくる。


 ・ タヌキのままでも、王位はある。


 ・ フルーツ牛乳も届けてくれる。


 ・ すでに、魔王軍の四天王入りは、達成している。



   などなど。

第二十八話 Bパート 「友人の、友人さん。」

2014年11月24日 07時01分20秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 II 第二十八話 Bパート


   「友人の、友人さん。」



 セバリオスさんは、


 レオクスさんと一緒に、


 ためぞうからの


 『エリスねーさん家のお泊り会。』


    ・エリスねーさん、ファルベリアさん、


     ゆきはなさん、セリスさん、


     事務の鈴木さん、佐藤さんがいます。



 の実況を聞きながら、


 いろいろと、年末に向けた相談をしていました。



 二人は、レオクスさんが住んでる別荘にいます。


 時刻は、夜の9時半くらいです。



セバリオスさん「レオクス君、


        これからの私たちの今後の為に、

        まずは「友人設定」をしておきたいのだが。」


 レオクスさんは、ほろ酔いです。


レオクスさん「その設定は、非常に重要だと思います。


       もちろん、セバリオスさんは、

       最高の友人です!」


ためぞう <「こちら、キャンプ ドラゴンタウン。


       女子は、少しテンションが上がっています。

       暖かそうな窓辺にときどき映る、


       ファルさんのパジャマ姿は、いいと思います。


       エリスねーさんは、

       後でパジャマが、

       フレグランスな香りになっていることに、

       気が付くでしょう。


       柔軟剤に、気を使うようになると思います、


       以上。」



 セバリオスさんと、レオクスさんは、

 ワインで、乾杯しています。


 セバリオスさんは、

 いつものように紳士的で、

 気品に満ち溢れています。


 レオクスさんは、

 ちょっと、ポッとしています。



セバリオスさん「それで、話の続きなのだが、


        私も、当初、

        友人で思いついたのは、

        もちろんレオクス君なのだが、


        二人、同じ場所にいた場合、


       (ケース1 = ゆけむり どきどき、温泉旅行中など。)


        どうやってアドバイスをすればいいのか、

        そこで、行き詰った。


        スマホや、携帯などの端末で、

        やり取りを確認するらしいのだが、


        そこに一緒にいるのに、通話してたら、

        きっと、不自然だよね?


        声も、もれてるし。」


レオクスさん「そ、その通りだと思います!


       さすが、セバリオスさん。」


ためぞう <「今、「あっ!」


       って、甘い声が聞こえました。


       セリスさんが、どちらかと面白がっているようです。」


 セバリオスさんとレオクスさんは、

 瞳を閉じて想います。


 そこに出てくるエリスねーさんは、

 明らかに、ひいき目で見た、

 美しい感じで輝いています。


 乙女ゲージの成せる奇跡でしょう。


 きらめき成分、いっぱいです。



 セバリオスさんは、

 お酒に果てしなく強いので、

 すぐに、我に返ります。


 酔いたい時は、気分良くまろやかに飲める、

 便利な体質で、

 基本、二日酔いもしません。


セバリオスさん「さて、現実問題として、

        互いがトゥルーエンド、そして、


        甘い新婚生活に入るであろう、


        「きらめき エピソード II」 に向けて、


        事前に、

        周囲の女性をむやみに振り回さない為にも、

        好感度を管理してくれる、


        『友人』設定が必要なのだが、


        確かにこの目で見てきたが、

        わるいウワサというものの、破壊力は、

        銀河の覇権にも関わる

        一大事だということを、


        南西の大覇王、

        ネコのマスクの古蔵君の経験で、

        学んできた所なのだよ。」


レオクスさん「・・・酔いがさめちゃう、破壊力ですね。」



セバリオスさん「それで、わからないことは

        私はセリスに聞いているので、


        より適切な答えをくれる、

        アセリエス状態に戻ってもらって聞いた見た。」


レオクスさん「おおッ!


       知力 98(+10)の、

       あの方がいう事なら、


       ぜひにも、聞かせて欲しいものです・・・。」


 セバリオスさんは、

 同じセリフを忘れてしまってはいけないので、

 事前に録音した、

 セリスさんの声をラジカセで再生しました。



  女教皇 アセリエスは言う。


「結果を望むならば、


 それに見合う対価を支払うのが、

 よろしいでしょう。


 渇望して止まない、

 その願いにも似た想いを叶えたいのであるなら、


 まずは、自身が

 何かに満ちていることが大切です。


 天秤の反対側にある、穴の開いた器に、

 ひたすら注ぎ続ける作業が必要です。


 ですが、

 答えはきっと、

 永遠にわからないままでしょう。」



     テープは、こう続きます。




  - まず、

    信じる心を持つということです。


    その決して大きくはないでしょう、

    誰しもが持つ、

    杯の裏の台座ほどの恋の器に、


    何かを満たしておくのならば、

    根拠のない自信でも、注いでおくのです。


    愛する方へのやさしさと、いたわり、

    また、それを奪うだけの勇気が必要です。

    
    器からは、

    たくさんのあなた様の勇気と自信が、

    止め処なくこぼれていくことでしょう。


    ひたすらに、それを足し続けるのです。


    ただ、ほん少しだけ、

    注ぎ勝てばよいのです。


    それが対価となるでしょう。


    想いは、共に過ごした月日により、

    うっすらと、

    でも確実に降り積もるのです。


    そういう季節に、なりましたネ。-



 そして、テープの口調が、

 セリスさんへと変わります。



「ぜぇぜぇ・・・、

 ブランク長いですね、


 リハビリしときます。



 ・ 結論 セバリオス様 → ウィルハルト王子様(2世。)


      レオクスさん → 勇者 アレスティル君。(とりあえず、こちらに来れない方。)



 ・ 方法 セバリオス様の場合。


      『ガールズサイド』で、会って来て下さい。

       行けるはずなので。

       通話は、可能だそうです。


      レオクスさんの場合、


       面会の機会をすぐに設けますので、

       レーナさんの近況を

       彼に語るだけでいいと思いますー。


 こんな感じで、いかがでしょ?」


 テープの再生が終了しました。



セバリオスさん「いかがでしょう?」


レオクスさん「まず、そのテープを下さいw


       了解でありますッ!」


セバリオスさん「私は、セリスからまた聞けばいいので、


        よかったら、どうぞ。」



 レオクスさんは、勇気がでるテープを手に入れた!


セバリオスさん「では、ちょっとウィルハルト王子君に、

        会って来ます。


        10分くらいで、戻ります。」


レオクスさん「わ、私も、アレスティル君に会ってきます!


       同じく、10分程度で戻ります。」


> セバリオスさん+レオクスさん「10分ほど、離席します。」


ためぞう <「はいっす。


       コーンスープ作って飲んでますので、

       どうぞ、ごゆっくり。」



 セバリオスさんは、5分で戻って来ました。


セバリオスさん <「二世君、聞こえる?」


> ウィルハルト王子「はい!


           これから、よろしくおねがいします。」


セバリオスさん <「こっちのエストさんは、


          道の駅ドラゴンで、頑張っています。

          応援してます。」


> ウィルハルト王子「エスト姫は大切な方なので、

           よろしくおねがいしますー。」


セバリオスさん <「ローゼさんにも、ちゃんと言っておくよ。」


> ウィルハルト王子「ローザさん?」


セバリオスさん <「(・・・あ、知らないんだ。

           聞かれたら、答える事にしよう。)


          うん、気になったら聞いてみて。

          急に、遅くにおじゃまして、ごめんね。


          寝るとこだったの?」


> ウィルハルト王子「もうちょっと、

           テレビ見てるので、大丈夫です!」


セバリオスさん <「とにかく、これからよろしくお願いします。」


> ウィルハルト王子「はい!


           ありがとうございます。」


 ・ セバリオスさんは、好感度管理が、オンになりました!


 レオクスさんも、帰って来ました。


レオクスさん「おお、早いですね。」


 ・ レオクスさんも、好感度管理が、オンになりました!



> セバリオスさん「ためぞう君、戻ったよ。


          レオクス君も戻ってきたね。」


ためぞう <「ちょうど、スープ飲み終わったっす。


       では、湯たんぽ、準備したりします。」


> セバリオスさん「冷えないように、気を付けてね。」


 レオクスさんは、

 両方のグラスに、ワインを注ぎました。


セバリオスさん「ありがとう。


        おつまみ、いる?」


レオクスさん「チーズがあるので、持ってきますね。」


セバリオスさん「あ、

        これ、エリスの作ったワインです。


        渡すの忘れてました。」


レオクスさん「あ、ありがとうございます!


       ちょっと、ワインセラーに置いてきていいですか?

       さすがに、今日、これは飲めないです。」


セバリオスさん「うん。

        ちょっと、コンビニで、

        あんまんとか買って来るよ。


        ためぞう君にも、届けて来ます。」


レオクスさん「はいっ!


       ワイン、大事にしまわせてもらいます・・・。」



 ためぞうのテントは、

 エリスねーさんの家の庭、(縁側の方)に設置してあります。


 地方で暮らしているいいところが、

 お手ごろな感じで、庭付き一戸建てがあるということで、


 エリスねーさんは、そこそこ広い庭のある二階建ての家に住んでいます。


 ためぞうが使っている方の庭には、

 バーベキューが出来る程度のスペースと、

 家庭菜園があります。


 この家庭菜園と縁側の、

 丁度中間くらいに、

 ためぞうはキャンプを張っています。


 反対側にも庭があって、

 そこにはエリスねーさんのお気に入りのガレージがあります。


 バイクが一台と、

 簡単なメンテナンスが出来る工具がそろえてあり、


 クルーザータイプの車も入るスペースです。


 家の裏口と繋がっているので、

 そのまま、お出かけも出来ます。


 オートのシャッターが付いていて、

 エリスねーさんのお給料は、こういうこだわりに、

 費やされていることも多いです。


 エリスねーさんは、まだ達成していないラジオ体操のイベント、

 年間総合ランク第一位の豪華景品

 『ヴィンテージバイク』を飾るために、

 時々、ガレージを掃除しています。


 夢中になって、

 プラモデル作りをしている少年のように、

 瞳を輝かせて、

 いい汗流したりしてます。
 

 エリスねーさんの家の二階が、

 元々の、ためぞうの部屋です。


 女子のお泊り会は、お風呂イベントなどあるので、

 安易に、ためぞうが部屋に戻ると、

 女子のお風呂イベントが、進行しなくなります。


 高確率で、着替え中や、お風呂上りに遭遇して、

 ワナに落ちるでしょう。


 ためぞうは、訓練も兼ねていますが、

 そういう意味のリスクを回避する為にも、

 テント生活をやっています。


 トイレの問題も同じことなので、

 ためぞうは、公園のトイレを使ったりして、

 気を使っています。


 エリスねーさんは、昔から女子にはモテるので、

 ためぞうには、そういう配慮が身に付きました。


 ためぞうは、

 湯たんぽや、あったかグッズを準備していると、


 ポンと置かれている、説明書を目にします。

 見たことないものですが、妙にうすいです。


ためぞう「・・・オレの説明書がある。」


 ためぞうは、自分の説明書に目を通します。


   ◇ ためぞうさんの説明書 II 仕様。


     ・ Aボタン = アクション。 


       (連打で、弱。 普通に押すと中。 長押しで、強になります。)


     ・ Bボタン = ジャンプ。


       (気分で、飛んでみましょう。

        横スクロールのアクションなどでは、ないと困ります。)



ためぞう「・・・アリサ副会長さんの字だな。」


     ・ A+Bボタン = 乙女ゲージ(気合い)溜め。


       (6段階 オートマチックに設定してあります。)



     ・ 十字キー = ↑ ↓ は使いません。


       (選択肢を選ぶ時には、使いますね。)



     ・ 十字キー = → 右に移動。



     ・ 十字キー = ← 左に移動。



     ・ スタートボタン = 対戦時は、乙女を想うパワーを開放します。


                 強力ワザですが、使うとふにゃんとなります。


                 また、溜めてくださいね。



     ・ セレクトボタン = コンフィグ画面とか出せます。



     ・ コントローラーのマイク = カラオケなどにも、どうぞ。



ためぞう「・・・この操作は、身体で覚えとかないかんな。


     さっそく、ゲームでもやってみよう。」



 ためぞうに、無線が入ります。


> アリサさん「こんばんはー、


        ホーネルさんの友人のアリサです。」



ためぞう <「おお、こんばんはっす!」


> アリサさん「ためぞうさん、


        女子の好感度が、

        かなり100にちかい方が多いのですよ。


        ホーネルさんの代わりですが、

        へんなウワサ管理はまかせてくださいね。」


ためぞう <「頼りになるっす!」


> アリサさん「・・・お互い、シーズンなイベント回収したいですね。」


ためぞう <「そば打ちためぞうに、年越しそばはお任せください!」



> アリサさん「料理できる男性って、素敵ですよね。


        質問なのですが、」


ためぞう <「はいっす。」



> アリサさん「エリスさんについて、どう思われますか?


        個人的にはオススメなのですが。(古蔵さんを大出世させた実績あり。)」


ためぞう <「エリスねーさんは、一見、てきとーに見えますが、


       実は、わりと繊細で、細やかな気配りも出来て、

       料理も美味いっす。


       きっと、セバリオスさんや、レオクス師匠さんは、


       幸せになれるのではないかと思います。」



> アリサさん「・・・。(ためぞうさん、取りこぼしたら、大きいですよ。)


        エリスさん、一応、16才ヴァージョンとかなれますけど、

        けっこう、乙女さんでいいですよ。」


ためぞう <「おお、それはぜひ、


       セバリオスさんたちに、お知らせせねば!」


> アリサさん「い、言ってはダメです!


        夢のあるフラグにしておきましょうよ。(・・・言い訳が苦しいw)」


ためぞう <「了解であります!」


> アリサさん「で、では、また。」


ためぞう「はい、またですー。」



 近すぎると、

 わからなくなるものもあるのですねと、


 ちょっと、思ってしまったアリサ副会長さんでした。

第二十八話 「ためぞうの冒険 II リニューアル。」

2014年11月21日 20時12分12秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十八話。


  「ためぞうの冒険 II リニューアル。」



 むかしむかし、


 かなりむかし・・・。


 『ためぞう』という名の、

   タヌキがおりました。


ためぞう「タ、タヌキから再出発なの!?」



 ためぞうタヌキは、

 今年も、年末に向けて、

 そば打ちの練習をしておりました。



 タヌキは、緑のエプロンで、

 きちんと清潔にしています。



 タヌキは、そばの売り上げを元に、

 地道な努力を重ねまくり、


 いつしか、天下に最も近いタヌキと呼ばれるようになっておりました。



 後に、江戸幕府を開き、立派なタヌキとして・・・。



ためぞう「それ、違うよね。


     関ヶ原の戦いとか制した、

     すごく立派な方との話と、


     そば打ちためぞうの話が、

     何処かで一緒になって、


     ワケ分からない方向に、

     行こうとしてるよね。」


 夢のある話をして、

 少しでも、ためぞうさんに、


 強くなっていただこうと、

 バリバリ! タヌキ伝説を語り出そうとしていました。



 では、気を取り直してリニューアルです。


 ためぞうさん、


 寝たフリでいいんで、

 そこら辺に寝ててもらっては、

 いただけませんか?



ためぞう「ああ、はいっす。」


 ためぞうは、昨日のワインのビンを片付けながら、

 久しぶりに、押入れから自分の布団を取り出すと、


 なんとなく隙間に敷いてみた。



ためぞう「ボジョレ的なワインのビンは、


     エリスねーさんたちが、

     飲み明かしたものです。


     ためぞうは、

     友人のホーネルのとこから送ってきた

     グレープジュースを飲みました。」


 グレープジュースは、

 ホーネルの葡萄畑で、白鳥さんという、

 北欧風の金髪の美少女さんが、

 作ってくれたものです。


 ジュースのビンのラベルが、

 凝った作りになっていたので、

 ためぞうは、その可愛いラベルの付いたビンを、

 ちゃんと保管しました。


ためぞう「昨日は大変でした。


     学園の事務のセリスさんが、

     大量にワインを持ち込んで、


     エリスねーさんらと、酒盛りをしたのです。」


 ためぞうは、昨日はいつの間にか、

 エリスねーさんの家で倒されていました。


 ためぞうの記憶が確かなら、


 エリスねーさん、セリスさん、

 レーナさんの三人がいたような気がします。


ためぞう「エリスねーさんは、

     珍しく二日酔いで寝ています。

     朝のラジオ体操には、気合いで行ったみたいです。


     エリスねーさんは、

     たいしてお酒に強くありません。

     酔うとどんどん陽気になっていきますが、


     途中から、性格が変わります。」


 酔拳を、何処かで極めてきた、

 エリスねーさんに、

 ためぞうは、倒されたようです。


 HP6000が、一瞬で削られました。


 ためぞうに、その先の記憶はなく、


 緑のエプロンタヌキとして、

 こっそり、回復させ旅立たせようと企んでいたのですが、


 執念のようなものが、


 『乙女ゲージ』を突き動かし、


 ためぞうを回復魔法もなしに、復活させたようで、


 ためぞうは、昨日の宴会の片付けをやっています。


   (乙女ゲージ = 『乙女』を想う気合いそのもの。


            女子の場合は、その乙女力(女子力)として発揮される、

            きらきらと輝くエフェクト付きの、気合いです。


            メーター表示になります。


            1~6段階で溜めることが出来、


            オートマチック溜めか、

            マニュアル6速溜めを選択できます。


            そのMAXスピードが、

            想いの強さに換算され、


            昨日のためぞうは、

            MAX 152kmを出していました。)



ためぞう「A+Bボタン、長押しでも溜まるのか・・・。


     アクセルみたいなものと思っておこう。」



 具体的に、エリスねーさん さんは、

 どう変わるのですか?



ためぞう「・・・。


     性格が、すごく幼い感じになって、甘えてくる。

     何でもたいがい聞いてくれるようになるし、


     慕っているようにさえ感じる視線を送ってくる。


     とにかく、

     レオクスさん師匠や、セバリオスさんがそこにいたら、


     即、轟沈の破壊力だ・・・。


     だから、普段はまったく見せないハズなんだが。」


 そのエリスねーさんは、

 すー、ぴー、と寝息を立てながら、

 羽毛掛け布団で、気持ち良さそうに寝ています。


 今、ためぞうは、

 エリスねーさんの家に、ねーさんと二人っきりです。


ためぞう「大丈夫、


     相当、距離をとって布団は敷いたから、

     そう簡単には、

     ワナには落ちんよ。


     みんなでワイワイ飲んで、

     美味かったんだろうな。


     たまには、息抜きも必要だし、


     いつもお世話になっているエリスねーさんに、


     今日くらい、ゆっくりしててもらおう。」


 ためぞうは、いいヤツです。


 昔のためぞうに比べ、試練を与えにくくなりました。


 ためぞうは、がんばっているのです。



ためぞう「そー言われると、照れるな。」



 ためぞうに、隙が生まれた。



 ・・・ためぞうは、地道にがんばっています。

 試練など与えなくとも、

 大きく育つことでしょう。



ためぞう「うむ、


     今回、解説的なものが、

     ちょっとだけ、やさしい気がする。


     柔軟剤をふんだんに入れて、

     洗濯した、ジャージのように、

     ほのかで、いい香りさえする。」


 お花の香りの入浴剤が、ふわっと香ります。


 この香りのする緑のエプロンの方と、

 先ほどまで、

 ためぞうは一緒に、お仕事をしていました。


ためぞう「ああ、ファルさんなんだ・・・。


     ジャージでランニングしてる時でさえ、

     いい香りのする女性です。


     だから、今日はユッキーさんもいないのね。」


 エリスねーさんの家には、ためぞうと、

 お花屋さんで働く、ゆきはなさんが、

 お世話になっています。



 ためぞうは、お花屋さんでバイトをしている事も多いので、

 ファルさんと、ゆきはなさん(ユッキーさん)とは、

 とても仲良しさんです。



ためぞう「布団に、入ればいいんですか、ファルさん?」


 すでに、名前で呼ばれています。


 さすがに恥ずかしくなったファルさんは、

 エリスねーさんの家のピンポンを押しました。


   ピンポーン!



ためぞう「こんばんは、ファルさん。


     お仕事、お疲れ様です。」


ファルさん「こ、こんばんは。


      おじゃましてもよろしいですか?」


ためぞう「どぞどぞ。」



 仕事上がりのファルさんは、

 赤のジャージに、ふちなしメガネをかけています。

 髪は、三つ編みにしてあります。


 ほのかに香る、お花のアロマが、

 ためぞうをリラックスさせてくれる、そんな感じです。



 ためぞうとファルさんは、こたつに入りました。


 横のダンボールから、

 ためぞうは、みかんを取り出し、


 ポットのお湯でお茶を入れました。


ファルさん「あ、ありがとうございます。」


 ファルさんは、ちょっと緊張しているようです。

 湯飲みは、エリスねーさんのを使っています。


 そのエリスねーさんは、いい顔で夢の中です。


ためぞう「布団を敷くって、前置きは何だったんですか?」


ファルさん「あ! それで、来たのですよ。


      冒険の記録を新しいものに代える時は

      (バージョン II の冒険の記録。)、


      誰か身内の人あたりに起こしてもらって、


      100ゴールド程度の準備金を渡し、


      地方の王様とお食事などをして、

      クエストを受注可能状態にするという、


      よくある儀式ですね。」


ためぞう「冒険にすぐに出るわけじゃないんで、

     ゆっくりしていって下さいよ。


     いつも、お世話になってます。


     出会った時から思っていたんですが、

     ファルさんって、相当なレベルの美人さんですよね。


     スタイルいいし、優しいし、元気だし。」


ファルさん「!?」


     ・・・ファルベリアさんの冒険の記録の方を、

     リニューアルしましょうか?


     乙女なヤツで、レース編みとか付けますよ。


ファルさん「・・・。


      ワナでしょうか?

      ためぞうさん。」


ためぞう「ワナですな。


     ドッキリみたいになってるんじゃないですか?


     実は、自分の方が、バージョン II になった!

     みたいな感じで。」


 ワナは、ためぞうに看破された!


ファルさん(・・・何でしょう、この安心感。


      ためぞうさんは、私への試練を避けてくれています。

      守られるって、・・・いいですね。)


エリスねーさん「よう、ファルさん!


        こんばんは。」


 エリスねーさんが、起きました。

 ラジオ体操から、そのまま帰ってきて寝たので、

 エリスねーさんもジャージ姿です。


 こたつに入りました。


エリスねーさん「今日は、ユッキーさん、まだなの?」


ファルさん「おじゃましていますー。


      はい、今日は私一人でやって来ました。」


 エリスねーさんは、寝覚めがすごくいいので、

 起きて、すぐ動けます。


 エリスねーさんが、

 珍しく、ためぞうの布団が敷いてあることに気が付きました。


エリスねーさん「!?


        そーゆー事だったのか、


        ・・・あ、いや、ヘンなタイミングで、

        起きてごめんね。」


 エリスねーさんが、そわそわし始めます。

 何やら、誤解があるようです。


ためぞう「ワナは、やめれ!


     オレは、ファルさんと一緒に寝ちゃうなんて、

     素敵なイベントが達成できるほどの、実績など微塵もない。


     ファルさんとオレの間に、


     へんなウワサを流そうとしてるな。」


 またしても、

 ためぞうに看破された!


 エリスねーさんの誤解がとけた!


エリスねーさん「あ、冒険の記録でしたか・・・、


        ためぞうが、お世話になっております。」


ファルさん「あ、いえいえ!


      (・・・ためぞうさん無しでは、

       生きていけない気がします。)」


 ワナが解除されたので、ユッキーさんも帰ってきました。


ユッキーさん「こんばんはー!」


 セリスさんも入って来ました。


セリスさん「危険な気配が消えたので、戻ってきましたー!」


 セリスさんは、自分がエリスねーさんと、

 面白いことになるなら、残るつもりでした。


 きちんと学園の事務の仕事を、あんまん食べて帰ってきてます。

 二人をリムジンで送ってくれた、

 セバリオスさんは、

 紙袋の中から、ピザまんを取り出して食べています。


セバリオスさん「うむ、


        ためぞう君は同志だ。

        彼の危機は、私の危機でもある。


        近くにいる時は、彼を守るよ。」


 こたつが、にぎやかになりました。


ためぞう「オレ、セバリオスさんに挨拶してくる。

     ついでに、キャンプも設置してくる。


     今日は、適度に飲んで楽しんでね。


     ユッキーさんには、冷蔵庫に、

     グレープジュースがあります。」


ユッキーさん「ありがとう、ためぞうさん。」


エリスねーさん「(・・・飲み過ぎた。

         今回は、気を付けておこう。


         でも、にぎやかなのは好きなのだ。)」


ファルさん「あ、レーナさんという方から、

      スルメと、チーズたら、頂いていますよ。


      お渡しするの、忘れてました。」


エリスねーさん「ためぞうが、いつもお世話になっています。


        ファルさんも良かったら、飲んでいきませんか?

        ハタチですよね?


        実は、新しいパジャマで使ってないのがあるんですよ。


        サイズは、私と変わらないくらいだから、

        きっと似合って、可愛いと思いますよ。」


ファルさん「(・・・そう、

       ためぞうさんには、


       このおねーさんも、特典で付いてくる。


       ためぞうさん狙いで行きましょう。

       勇気が、持てればですが・・・。)


       あ、はい、おねがいします!


      (エリスさん、いいなぁ・・・。)」


 一方、庭に行ったためぞうは、

 運転手付きの白いリムジンに乗っている、

 セバリオスさんと話しています。


ためぞう「昨日は、倒されてしまって実況できなかったのですが、


     エリスねーさんたちは、盛り上がったそうです。

     ごにょごにょ・・・。」


セバリオスさん「おお! そーだったんだね。


        私には、16才のエリスが葡萄畑で裸足になって、

        ワイン作りの手伝いをしている記憶があるような気がする。


        可憐に舞う、エリスの乙女な姿は、

        実に、美しいメモリーだと言えよう。


        その年をワインを何故か、数本、持っている気がする。


        今度、実家に帰った時にでも、レオクス君宛てに送るとしよう。」


 ためぞうは、セバリオスさんたちが、

 エリスねーさんを好きなのを知っています。


 どちらに任せたとしても、きっとねーさんは幸せになれるでしょう。


 でも、サフィリアさんの事まで好きになってきているとは、

 ためぞうは知りません。


 ただ、ためぞうは、

 男同士の厚い友情を、信じているだけなのです。


 結束は、固いのです。


 車の横を、セリカさんが通りかかりました。

 ためぞうの、本来の上司さんになります。


セリカさん「(私は、知っています。


       ためさんの事も、応援しています。)


      こんばんはー!」


ためぞう「あ、こんばんは、セリカさん。」


セバリオスさん「やあ、月の女神 セリカさん。


        こんばんは。」



 ためぞうのリニューアル度。


 ・ ステータスボーナスが、91ポイントも余っている。


 ・ ためぞうに、よい効果+1は、継続中。


 ・ 天そばを、始めた。


 ・ ためぞうのメモリーが倍になったことで、


   『ジャスティス・・・カイザーハルト』として、登場出来るようにもなった。


    カイザーハルトのスペック

           LV 99

           武力 99

           知力  3


ためぞう「やめれーw」


 ・ 『乙女ゲージ』なる、気合いゲージが追加された。


    HPが 1 になっても、ゲージを使えば耐えられます!


ためぞう「何かを、失うだろっ!」


 ・ ためぞうは、マフラーを貰っている。


    商店街で、ローゼさんが買って来た。



ためぞう「がんばります!」


ローゼさん「はい。


      では、またー。 ^-^」

第二十七話 「ためぞうの冒険 II 」 

2014年11月15日 18時34分26秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十七話。


   「ためぞうの冒険 II 」



 ためぞうに、新しい季節がやって来ました。


 お話は、学校帰りのゲームセンター辺りからの、

 続きです。


ためぞう「・・・。


     このタイミングで、第二クールに行くのか。

     確かに、オレは貯めすぎてるのかも知れない。


     でも、前の話の途中だよね。」


 ためぞうの知らない間に、

 世間では、クリスマスという言葉が聞こえるようになりました。


 ためぞうのクリスマスは、半額セールのケーキで結わいます。


ためぞう「いつか、定価で買いてぇよ!


     シャンメリー的な飲み物で、

     シュワっと、誰かと、

     想い出作りたいんだよ。


     えー、その為の準備を怠っていたのは、

     不肖、ためぞうの、至らぬ所であります。」


 ためぞうは放課後は、

 だいたい、学園近くの公園にいます。


 よく、白いベンチでラムネを飲んでるためぞうですが、

 今日は、おしるこです。


 寒くなってきましたね。


 ためぞうは、冒険こそたいしてやってはいませんが、

 一年目にしては、そこそこの成果を上げています。


 サフィリアさんや、レミーアさんたちは、

 門限もあるので、先にゲームセンターに行って、

 友情を深め合っています。


 ためぞうは、小遣いが寂しいので、

 少し遅れて行くことが多いです。


 エリスねーさんに貰った、1万円は、

 羽毛掛け布団を買うのに使ってしまったので、

 現在の所持金は、1080円です。


ためぞう「羽毛掛け布団は、いいですね。


     自分で使えてはいませんが、

     エリスねーさんからは好評を得ています。


     女子のお泊り会の頻度もあがりました。


     今年は、テントで、

     クリスマスケーキを食べる予定です。」


 ベンチで、おしるこを飲んでいると、

 同じおしるこの缶を持った、ローゼさんがやって来ました。


 ためぞうとウワサになっている、

 プラチナの髪の麗人、ローゼさんは、

 ベンチに座ると、ちょっと冷たかったのを気合いで耐えて、

 ためぞうに、言いました。


 日差しが短くなったので、ちょっと夕焼け気分の公園です。

 ローゼさんの髪には、そのあめ色の光が流れて、

 とっても綺麗です。


ローゼさん「さっき、ファルさんと黒幕を交代して参りました。


      ですが、謎の閣下さんとして、

      お支えしていくつもりですので、


      これからも、よろしくお願いします。」


ためぞう「おお、それはありがたいっす。


     よかったら、これ使って下さい。」


 ためぞうは、バックから携帯座布団(来賓用)を取り出した。

 いろいろ持ち歩くようになったためぞうです。


ローゼさん「まぁ。」


 ベンチに小さめの座布団を敷くと、

 ほんのり温かいです。


 かつて天下を取った、わらじウォーマーの、

 トヨトミさんを見習って、

 ためぞうも、何かしら温めてたりします。


 ためぞうとローゼさんは、楽しそうにお話ししています。


 麗しい姫様とツーショットのためぞうは、

 端から見たら、勝ってるためぞうですが、

 想い出アルバムを増やすチャンスはよく取りこぼしています。


 緑のエプロン姿の、ファルさんがやって来ました。

 ためぞうは、また温か座布団を取り出します。

 ファルさんは、ローゼさんの反対側に座りました。


ファルさん「ざ、座布団とか持ち歩いてるんですね。

      ありがたく、使わせてもらいます。」


 それほど大きくないベンチに、三人で座っていると、

 ちょっと、温かくなってきました。


 おしくらまんじゅうをする勇気を持ち合わせている方は、

 この中にはいませんが、

 ミリ単位で、気付かれないようにちょっとずつ、

 寄って行ったりはしてます。


 ファルさんも、看板娘スタイルの時は、

 相当な美人さん(過去、渚の君イベントで、優勝経験あり。)

 なので、

 ためぞうの端から見た勝ち度は、軽くジェラシーを越えています。


 渚の君イベントは、ハワイや、南半球で、

 この季節でも回収は可能です。


 取りこぼしの救済措置として、

 年末の商店街のガラガラの特賞が、

 そういう旅行だったりもします。


 湯けむり どきどき温泉旅行と、

 行き先を迷ったりするかも知れません。


 何かを得る為には、対価がいるということは、

 ためぞうは、どちらかというとわかっている方だと思います。


  ためぞうの冒険は、特に何らステップもなく II になりました。


ためぞう「・・・どこら辺が、II なのか、


     さっぱりわからんが、

     ふっかつの呪文が、長くなったような気はする。」


 ローゼさんと、ファルさんは、

 実は、けっこう仲良しになってたりします。


 どちらも、よしいくぞ! と始めた黒幕が、

 なかなか役に徹しきれず、

 よく、助け舟を出す始末・・・。


 ためぞうが、強くなれない理由がそこにあるのは、

 わかっているので、

 お互いの気持ちが通じたりします。


 また似たような理由も抱えていて、


 ローゼさんの本命 → ヒゲパパへの行き過ぎたファザコン。


 ファルさんの本命 → レオクス皇子様だったハズなのですが。


 高難度ウルトラCの愛を求めるより、


 思ったよりも居心地の良い、

 気を使わない、ホッとするような感じもアリなんじゃないかと、

 二人の意見は、かなり丸くなったものになっています。


 ためぞうの寿命も

 ローゼさんのごんぶと寿命ローソクで、

 一万年ほど延長されているので、

 気長に待っても安心です。


 ファルさんもそういうのは簡単に足せるので、

 冒険が、だるーんとなっています。


 ためぞうが、ファルさんにおしるこ買ってきました。


ファルさん「あ、ありがとうございます。」


 手渡しされるその温度は、なんとも心温かなものです。

 今のファルさんは、星系一つ手に入れるのと、

 おしるこ1個が、等価になってる感じです。


 黒幕は、務まらないでしょう。


    次回 「ためぞうの冒険 III 」(バッテリーバックアップ付き)


ファルさん「ちょっと、


      まだ、何もしてないのにやめて下さいよッ!」



 ファルさんに、選択肢です!



  何をやりますか?


  →・ 告る。

   ・ 奪う。

   ・ 愛でる。

   ・ 逃げてみる。

   ・ ためぞうに、高難度の試練を与える。(もう、会えない・・・。)



ファルさん「うぉ!


      ・・・黒幕が、別にいるでしょ!

      選べないのばっかり出てるし。」


ローゼさん「そーなんです。


      ワタクシも、そういう試練に、

      幾度となくさらされまして、


      今は、変わらない日々に満足するようになっております。」


ためぞう「・・・。


     閣下も苦労なされていたんですね。」


ローゼさん「出来れば、名前で呼んでくださいw」


 ローゼさんは、相当、丸っこくなりました。

 どこ触っても、ほわほわです。


ファルさん「・・・ちょっと態勢を立て直したいと思いますので、


      お花と戯れて参ります。


      ローゼさん、

      あとで、黒幕の頃の苦労話とか、

      良かったら、聞かせてくださいね。」


ローゼさん「はーい。」


 ファルさんは、商店街の方のお花屋さんに戻って行きました。

 ためぞうの為に、

 たくさん、福引券を貯めようとか思いました。


 ためぞうが、当たりを引けない可能性は高いので、

 自分でも、引けるくらいは集めたいと思いました。


 実力は、ローゼさんより、ファルさんの方が今は上ですが、

 ローゼさんは、

 この世界で、誰も持っていない、

 スペシャルなテクを持っています。


ローゼさん「ああ、全知の書ですね。


      現在、私のレベルダウンの為、

      みかんな感じではありますが、


      ためぞうさん、


      商店街の福引の景品とか知りたいですか?

      たぶん、分かると思います。」


ためぞう「・・・凄すぎると当てられないので、

     自信が付いたときにでも。


     福引券、手編みのマフラー、クリスマスケーキ、

     年末近付いてくると、けっこう忙しいもんすね。」


ローゼさん「マフラー!?」


 ローゼさんなら、手編みのマフラー、30分もあれば作れます。

 最高品質で、30分です。

 とても手間をかけても、時間がかからないのが、

 なやみでもあります。


 時間をかけたい場合は、綿花などの栽培からのスタートです。

 糸を紡ぐ作業も高速なので、

 ローゼさんは、手間をかけたくて、野菜などは栽培しています。


 ローゼさんは、手編みのマフラー、手袋、帽子、

 セーター、いろいろ作って渡してあげたくなりましたが、


 その勇気が1グラムもありません。


 すごく照れちゃいます。


 愛するヒゲパパには、速攻送りつける事が出来るのに、

 この違いは、賢いハズのローゼさんにもわかりません。


 クリスマスケーキなら、デラックスサイズで作れるとは思いましたが、

 部屋に入りきれないので、

 買ったものを、さりげなく渡すのがいいかなとか、


 宛名は、エリスねーさんになります。


 ローゼさんは、内職の造花作りをがんばろうと思います。

 想いを込めて作ったお花で、

 頂いたお金で、ケーキを買いたいなと、

 そういう、乙女さんになっています。


ローゼさん「では、ためぞうさん。


      私、内職の造花作りの為に、

      色紙を買いに行こうかと思います。


      商店街の文房具屋さんですね。

      福引券を、頂けると良いのですが。」


ためぞう「はいっす。


     閣・・・いえ、ローゼさん。」


ローゼさん「ではー。」


 名前で呼ばれたせいか、

 ローゼさんは、とても優しい笑顔です。


 この世界で最も美しい薔薇姫の一人のローゼさんですが、

 ためぞうは、パパラブお姫さまだと、

 いまだに思っています。


 ためぞうは、平和なのです。


 ワナを警戒しすぎるあまりに、

 平和すぎる日常を送っています。


ためぞう「よし、オレもゲーセン行こう。


     最近、エリスねーさんも良く来るから、

     夕方の買い物も楽になった。」


 その頃、ゲームセンターには、

 ちょっとご機嫌のリンカさんと、

 サフィリアさんや、レミーアさんたちがいました。


 エストさんは、道の駅でがんばっています。


 バイトのリナさんからのメールを見たホーネルが、

 遊びに来ていました。

 白鳥さんは、ホーネルの別荘近くの葡萄畑で、

 グレープジュースを作っています。


 ホーネルは、バトルの予感を感じたので、

 白鳥さんを連れてきませんでした。


 古蔵さんの惚れ吹き矢(連射ワザを習得)や、

 ライっちさんがワナを張っている危険な場所に、

 連れて行くのはいかがなものか、というだけの理由です。


サフィリアさん「ためぞうさんのお友達さん、すごいですね。」


レミーアさん「ホーネルさん、凄ワザっす!」


 ホーネルは、四人同時プレイ出来る格闘ゲームで、

 山田さんと戦っています。


 二人とも、オンラインプレイで、それぞれ100人抜きを達成しての、

 店内でのバトルです。


 ホーネルは、マジカルプリンセス。

 山田さんは、赤のスコップという職人格闘家を使っています。


 
観客J氏「すげぇバトルだぜ!

     ほぼ全ての攻撃が予測で入力されてる。」


観客A氏「あのスコップに、赤色を表示させるなんて、

     なんて、マジックだ。」


観客B氏「あんなグラフィックのスコップだったんだな。

     いつもは、職人の竜巻しか見えないのに。」


リンカさん「よし、乱入だ!」


 挑戦者 現る!

  リンカさん 古武道。


マジカルプリンセス「マジカル!

          サンダーボルトー!」


 10億ボルトの電撃が、画面全体を覆います。


 リンカさんの古武道は、倒れた・・・。


リンカさん「はやっ!」


 赤のスコップは、高速穴掘りで、地中に回避です。


赤のスコップ「ライジング スコップ!」


 そのまま、画面を上に突き抜けるような勢いで、

 竜巻が巻き上がります。


 マジカルプリンセスは、体育座りで回避です。


観客B氏「マジ、かわいいっすね。」

観客J氏「ああ、ちっちゃくて可愛いな。


     リンカさんは、表面積がわずかに増えちまったから、

     ああいうワザが使えねぇんだ。」


リンカさん「えーーーっ!?」


 その二人の熱い戦いは、

 タイムアップしてもコイン投入で継続します。


 いろんな方が乱入してみましたが、

 赤の旋風と、マジカル旋風脚の前に散っていきました。


観客A氏「できれは、マジカルな方でやられてみたい。」


 プレイヤーとなったA氏は、

 マジカルかかと落しで、戦場に散りました。


観客に戻ったA氏「マジ、サイコー!」


 挑戦者が、増え始めました。

 ほとんど、マジカルにやられています。


 観客A氏 B氏 J氏は、

 コインを換えに行きました。


レミーアさん「わ、私も倒されちゃおうかなw」


 挑戦者が増え始めたので、

 バイトのリナさんが、整理券を配り始めました。

 ちゃんとみなさん、発売前のソフトを買うみたいに、

 並んでくれてます。


 対戦は、オンライン中継されていますが、

 待ち時間の関係で、(オンライン対戦待ち時間1時間以上で受付を一時キャンセル。)

 本店のみでの挑戦が可能です。


 忙しくなり始めたので、

 サフィリアさんも、レミーアさんも、

 リナさんを手伝っています。


 リンカさんは、並んでいます。


ためぞう「おー、この行列、何?」


 ためぞうがやってきました。


リンカさん「ほら、ちゃんと並べるんですよ。

      あ、ここにいたとか、言わせませんよ。


      えっとですね、

      赤のスコップの山田さんと、

      マジカルプリンセスのホーネルさんが、

      バトルしてます。」


ためぞう「マジカル?


     ああ、ネリアたんか。」


リンカさん「ネリアたん!?


      ランキング3位の!」


 行列が、ためぞうの方に振り返ります。


ためぞう「ホーネル、けっこう強いよな。


     あいつ、あのマジカルステッキ持ってるから。

     たまに、変身してる時もある。」


リンカさん「た、ためぞうさん、声大きい!!」


 ためぞうは、行列から注目されています。


観客J氏「なにー、


     あのネリアたんのフレンドだとぉ!?」


 ためぞうに、無線が入ります。


> ミスタージョンソン「サイン貰ってくれ!」


ためぞう <「あ、いいっすよ。」


 観客J氏が、ガッツポーズしています。

 前と後ろに並んでいた、A氏、B氏もおねだりです。


ためぞう <「あ、はい。


       全部で3枚でいいっすね。」


 観客三人が、円陣を組んで気合いを入れています。

 マジカルプリンセスに、また、やられたいみたいです。


リンカさん(わ、わたしもw)


ためぞう(あ、いいよ。


     ・・・そんな人気あるんだ。

     ネリアたん。)


 実はその次の、

 かつてのランク4位が(現在はランク外)、

 ためぞうだったりします。


 ホーネルと遊んでいる内に、

 とても強くなってしまったのですが、

 名前が変更出来ないのに後で気付いて、

 こっそりプレイしています。


 ためぞうの旧キャラ  「ジャスティス=グレイテスト=グランド=ライトニング=

             インペリアル=マジェスティック=カイザーハルト二世。」


 キャラ設定      「・・・オレは、

             異界に飛ばされた孤高の戦士。

             生き残る為には、強くなる必要があった。


             オレが拒んでも、世界がオレを求めて来る。

             果てる世界、

             その先に未来も、オレの居場所すらない。


             それが戦う理由。

             過去の記憶が確かなら、

             時は西暦 2014年、


             オレは、普通の高校生として、

             退屈な、変化のない、

             その素晴らしき日常に・・・」 けっこう長いです。


             入力文字を最大で使ってあります。


             金髪、高身長の、ありえない美青年です。



 ためぞうの今のキャラ 「たぬよし。」


 キャラ設定      「みんな、よろしくネ!」


             タヌキっぽい ゆるキャラ。


 ためぞうは、対戦はやらないので、

 するっと店内に入って行きました。


ためぞう「よう、ホーネル。」


ホーネル「やあ、ためさん。」


山田さん「こんにちは、ためぞう君。」


ためぞう「ども、山田さん。


     今度、田中さんも誘ってクレープ食べましょうよ。」


山田さん「そっすね!」


 にこやかに会話しながらも、

 赤のスコップと、マジカルプリンセスは、

 挑戦者をどんどん倒していきます。


 ほとんどの場合が、巻き添えで倒されています。

 ワザを連発するのが好きな、マジカルプリンセスこと、

 ホーネルは、もの凄いスコアを上げていますが、

 山田さんには、当たりません。


 山田さんとホーネルは、

 プロフィールを非公開で店内対戦しているので、

 ランキングにスコアが加算されることはないのですが、


 動きを見れば、分かる人には分かるので、


 大佐 VS ネリアたん になっています。


エリスねーさん「よう、ためぞう!


        なんか、めちゃくちゃ強いんだけど、

        ホーネル、プロなの?


        あ、田中さんとよくいる、

        山田さんも、強いのな。」


ためぞう「ねーさん、今日、メシどーするの?」


エリスねーさん「か、考えてなかったw


        ラーメンとか食べに行こうぜ。

        ローゼさんが、よく通ってる店、

        チャーハンと餃子もうまいんだよ。」


ためぞう「うん、たまに行くけど、

     美味いよね。


     よし、オレも900円分、ゲームしよう。」


 エリスねーさんが、ためぞうに、

 2000円くれました。


ためぞう「おお、助かるよ。」


エリスねーさん「メシ代、とっときたいんで、

        それだけですまんな。


        私もまだ、遊びたいのだ!」


 サフィリアさんと、ネコx2さんも、

 ラーメンを食べたくなりました。


 エリスねーさんと一緒の場合、門限は延長されます。


サフィリアさん「あ、あの一緒に行っていいですか?」


エリスねーさん「おう、一緒、行こうぜ!」


ネコx2さん「ネコ舌だけど、食べちゃうのニャー!」


 レミーアさんは、リナさんに、

 ホーネル呼んでもらっていたので、

 言い出せませんでした。


レミーアさん「次のチャンスに・・・。」


 真面目にお手伝いしています。


 ためぞうは、エリスねーさんの格ゲーに付き合っています。


エリスねーさん「レースゲームも好きだけど、


        早く、山田さんたちと戦えるようになりてえなぁ!」


 ためぞうは、バックからトランシーバーを取り出して、

 レオクスさんと、セバリオスさんを誘いました。


ためぞう <「格ゲー、一緒にやりませんか?」


> レオクスさん「すぐ、行きます!」


> セバリオスさん「おお、ちょうど近くにいたんだ。」


 すぐに四人対戦出来るようになりました。


 レオクスさんと、セバリオスさんは、

 エリスねーさんには、手加減です。


 ためぞうには、連続攻撃してきます。


ためぞう「ちょ、


     コインがもたねえ!」


エリスねーさん「遠慮せずに、かかって来てくださいよ。」


 レオクスさんは、ためぞうと遊ぶこともあったので、

 慣れています。


 セバリオスさんは、筐体に付いてる説明書を読みながら、

 プレイしてます。


セバリオス「うむ、またやられた!


      うーん、エリスにやられるのは、クセになりそうだ。」


 セバリオスさんは、とにかくポジティブです。

 ゲームを楽しんでいます。


 レオクスさんは、真面目にがんばっています。

 主に、ためぞう狙いでワザを出します。


レオクスさん(エリスさん、倒すの無理w

       でも、やられるとわざとって言われたら困るから。)


ためぞう(今後の予定は、ラーメンです。)


セバリオスさん(いい事聞いた!)


レオクスさん(ありがとう、ためぞう君!)


ためぞう(サフィリアさんも一緒です。)


セバリオスさん(さらにいい!)


レオクスさん(な、なるほど・・・。)


エリスねーさん「あー、みんな強えぜっ!」


 エリスねーさんは、ゲームが楽しいようです。


 一方、山田さんと、ホーネルは、

 まだ、バトルに決着がつきません。


山田さん(「ネリアたん」さん、っすよね?)


ホーネル(で、あります! 大佐殿。)


 リンカさんが、二回目やられました。


リンカさん「で、弟子になりたい!」


 みんなでワイワイ、やっています。


 今日の稼働率は、かなりいいので、

 リナさんは、ホーネルに時々、来て欲しくなりました。


ホーネル「うん、来る。」


リナさん「ありがとう!」


 ホーネルは、熱いバトルをしているのに、

 とても爽やかです。


 キラキラしています。


 その成分を分けて欲しいと、

 レミーアさんは思いました。


レミーアさん「背景に、

       お星様をキラキラさせるテクを学びたい。」


 その光景を、

 2Fのカラオケコーナーから覗いている、

 セリカさんの姿があります。


セリカさん「ホーネルへの好感度は、

      2000くらいまで上がるので、


      ためさん気を付けてね。」


 セリカさんは、

 アホにしか見えないキャップを、

 ホーネルに投げ輪の要領で、ひょいと投げます。


 うまく被りました。


 ホーネルへの好感度限界が、100になった!


セリカさん「今日も歌って、


      いい仕事・・・。」


 セリカさんは、満足そうにカラオケルームに戻って行きました。



 赤のスコップこと山田さんと、

 マジカルプリンセスこと、ホーネルの戦いも、

 そろそろ終盤です。


山田さん「お互いの手を内を知ってるんで、


     なかなか、決まらないっすね。」


ホーネル「うん。


     ちょっと2Pキャラに代えてみます。」


 ホーネルが、キャラを2Pカラーの

 マジカルプリンセスに代えました。


 フルアーマード マジカルプリンセス 対艦仕様

 限定 セーラーブルー カラー エディションになります。


山田さん「ちょ!?」


 マリンカラー仕様の、フルアーマードのマジカルプリンセスになります。

 鎧着てるだけなのですが、

 魔法の威力が上がりました。


 魔法ダメージを防御してくれる鎧なので、

 遠慮なく、マジカルできます。


観客J氏「あんな新式を隠し持っていたのか!?


     並んでればよかったぜ!」


 山田さんも、慌てて大会仕様のキャラに代えました。


 スコップを盾に持ち替え、

 インペリアルソードを構えた、真紅の騎士 「赤の幻影」です。


 格ゲーっぽさが微妙に薄くなってしまいましたが、

 大佐は負けるわけにはいけないのです。


リンカさん「山田さん、カッコいい!」


 マジカルプリンセスが、

 古代魔法の詠唱に入りました。


赤の幻影「させるかッ!」


 高速で飛来する赤の幻影の斬撃も、

 フルアーマードの装甲に阻まれます。


 高速に動けるだけ、装甲は軽く、

 武器の重量にも制限があります。


 乱入中の、プレイヤーA氏と、B氏は、

 これまでで最も長く、戦場に留まっています。


プレイヤーA氏「最後のコイン、ここでは終われないのだよ!」


 A氏も何故かキャラを変えています。

 重装甲の対竜カノンを装備して、

 マジカルプリンセスに猛攻しています。


プレイヤーB氏「大佐に続けェ!


        何としてもフルアーマードを落とすのだ!!」


 B氏もアタッカー仕様のキャラにチェンジしています。

 多連装のレールキャノンで、

 マジカルプリンセスの耐久力を削りまくっています。


ためぞう「みんな、好きだなぁ。」


 ゲーム画面はそのままなので、

 そこまで派手には見えませんが、

 対戦中のプレイヤーと、観客さんは、

 どっぷり世界にハマっています。


レミーアさん「さ、参加させてw」


 レミーアさんは、ゲーム大好き姫様なので、

 腕を試したいとコインを握っていますが、

 プレイヤーA氏とB氏は、席を譲る気はありません。


プレイヤーA氏「譲れない戦いがあるものなりィ!!」


プレイヤーB氏「限定エディションのグラフィックをゲットする、

        またとない機会なのですよォ!!」


 気合い、入りまくって攻撃しています。

 攻撃には気合いを消費するので、

 果てない限りは、延々と攻撃できます。


 格ゲーですが、限定キャラを倒すと、

 想い出アルバム 「セーラー服で、プリンセス。」

 がゲームカードのメモリーにゲットできます。


 フルアーマードが邪魔すぎて、

 マジカルプリンセスが表示されていません。


 シューティングゲームの弾幕のような攻撃が、

 マジカルプリンセスに浴びせられています。

 大きすぎて、的になっています。


 山田さんは、回避は余裕なので、

 コマンド入力が許す限りの攻撃を繰り返しています。


 ホーネルは、けっこう開発中のキャラとか使ってくるので、

 HPが桁違いに高かったりします。

 ホーネルは、テストプレイ感覚で遊んでいます。


ホーネル「うん。

     ちょっと強めのキャラを使っています。


     これ、倒されたら、採用な感じです。」


 ちょっとどころの強さではない、

 ボスキャラ風です。


 山田さんがずれたサングラスを、戻す仕草をしました。


赤の幻影「新式の装甲が、これほどのものとはッ!」


 フルアーマードの防御機構から、

 ホーミングミサイルが、無数に発射されます。


プレイヤーA氏「!?」

プレイヤーB氏「装甲ユニットじゃないのかッ!」


 当たれば、一発KOの威力です。


 ミサイル的な攻撃は2カートンほど発射されます。


赤の幻影「攻撃を続けろッ!


     全て、落とす。」


 まるで花火のように、ミサイルが画面を彩ります。

 スーパーハードモードの赤の幻影の速度は、

 レーザーより速いのです。


レミーアさん「あれは、

       自らのHPを 1 にする究極奥義!?」


観客J氏「例え、ランキングの影響されなくとも、

     それが、漢の意地ってヤツよォ!


     プライドだけが、己を駆り立てる戦場だ。


     オレも体感してみてぇぜ!」


 美味しいところは、A氏、B氏に持っていかれました。

 J氏も、温かな想い出はどちらかというと欲しい方です。


 火力は、赤の幻影より、

 対竜カノンや、レールキャノンの方が上です。


 マジカルプリンセスは、

 タイムアップ5秒前に、古代魔法の詠唱を終えます。


 フルアーマードの装甲耐久率は、70%


 第二の攻撃、レイン オブ ランス が、

 フルアーマードから、自動攻撃されます。


赤の幻影「槍の雨・・・、


     私ならかわせるが、


     この槍を弾くには、私のソードの威力では不足している。」


プレイヤーA氏「ここは、お任せくだされィ!!」


赤の幻影「や、やめろ、無謀だッ!」


 対竜カノンが、最終形態である、

 バスター砲モードに切り替わりました。


 射線は天井方向に向けられています。


 バスター砲の反動は、地面にアンカーを張らなければ、

 耐え切れません。


 高威力広範囲必殺攻撃です。


ためぞう「・・・格ゲーじゃねーよな。」


レミーアさん「やめてぇー!」


 観客席が、プレイヤーA氏の勇気に、

 震えています。


プレイヤーB氏「や、やめるんだッ!」


 レイン オブ ランス の雨雲が、

 構成されるエフェクトが流れています。


 バスターモードに移行した、

 対竜カノンから、

 高出力のエネルギーが、天井方向に向かって放たれます。


 暗雲を晴らす閃光が、

 地上に、光を降らせます。


赤の幻影「させるかッ!」


 その光を突き抜けてくる槍を、

 赤の幻影は、刹那の動きで払いのけます。


 一本の天空の槍が、対竜カノンを貫きました。


プレイヤーA氏「いい・・・晴れ空じゃないか。」


 残ったエネルギーを制御しきれず、

 プレイヤーA氏の対竜カノンは、爆散します。


赤の幻影「おのれッ!」


 乱入が、1名可能になりました。


ためぞう「・・・熱いな。」


 レミーアさんも、リンカさんも乱入したそうですが、

 かなり勇気がいりそうです。


観客に戻ったA氏「気にせず、やっちゃってくださいよ。


         プロトタイプと戦える機会なんて、

         滅多にあることじゃないですから。」


 観客A氏は、さわやかに言います。

 その笑顔には、みなさん好感がもてました。


レミーアさん「いいっすねー、友情っぽくて。」


リンカさん「ですよねー。」


リナさん「カッコ良かったです!」


サフィリアさん「いいもの、見せていただきました。」


ネコx2さん「乱入するニャー!」


 ネコさんたちが、ネコ用コントローラーを取り出すと、

 観客J氏が、言いました。


観客J氏「オレに、チャンスをくれ。」


ネコx2さん「応援するでありますニャ!


       特務軍曹殿。」


 ミスタージョンソンが、挑戦者として現れました。

 コマンドサンボと、

 エージェント スナイパーライフルが使えます。


ミスタージョンソン「邪魔させてもらうぜ。」


マジカルプリンセス「どぞ、どぞー。」


 魔法詠唱中でも、会話はできます。


赤の幻影「そ、そうなの!?」


プレイヤーB氏「おお、すまんA氏。」


観客A氏「何だってー!?」


 早速、マジカルプリンセスの攻撃は、再開されます。


 フルアーマードは、マジカルプリンセスから分離して、

 機動砲台化します。


 強力なフォトンビームを放つ主力級が2機と、

 ビームシャワーを撒き散らす、小型機が6機です。


ためぞう「・・・わからんゲームになっとる。」


 マジカルプリンセスは、攻撃の限界に挑戦しています。

 マジカルプリンセスには、

 まだ強化装甲が残っているので、セーラー服姿は見えません。


 顔は、キュートな感じで見えるようになりました。


ためぞう「脱衣格ゲーなの?」


ホーネル「その方が、夢はあるよね。


     でも、スク水までが限界です。」


ミスタージョンソン「スク水のCGまで、用意してやがったのか!?」


観客A氏「何だってー!?」


プレイヤーB氏「これはもう、


        奥義を使ってでも勝つしかあるまい。」


赤の幻影「・・・外野、撃破しようかな。


     目的、変わってますよ。」


 戦力的に、二人を外せないのがちょっと痛い、山田さんです。


 ミスタージョンソンと、プレイヤーB氏は、

 幻影となって、マジカル攻撃を回避します。


ミスタージョンソン「見える、今なら見えるぞ!」


赤の幻影「かわせるなら、最初からかわして!」


プレイヤーB氏「そのオートな攻撃では、


        かわせちゃいますぞ!」


マジカルプリンセス「あ、かわせるんだ。


          えいっ!」


 マジカルプリンセスは、

 直接、ビーム攻撃をしてきました。

 ぐーの先から、ビーム出てます。


ミスタージョンソン「うぉう!」


 当たりそうになります。


プレイヤーB氏「支援を要請する!


        こちら、機動レールキャノン、

        目標の攻撃で、沈黙しそうだッ!」


 結局、赤の幻影が、

 ビーム攻撃を防いでいます。

 威力は低めなので、ソードで受け流せます。


赤の幻影「火力を、機動アーマーに集中させるんだ!


     アーマード状態に戻られたら、

     カウントダウンで、削りきれない。」


 マジカルプリンセスのフルアーマーは、

 古代魔法詠唱時には、

 マジカルプリンセスを守る盾になります。


 全体魔法攻撃なので、

 マジカルプリンセスも、ダメージの対象です。


マジカルプリンセス「そーなのです!」


 サフィリアさんは、マジカルプリンセスのアーマーに、

 見覚えがありました。


サフィリアさん「あれって、まだ試験運用中の、

        フルアーマードパックですよね?


        ここで、データ取ってるんですね・・・。」


レミーアさん「あ!? 見たことある気がする。


       実戦配備されたら、

       私に先に装備させてください、サフィリアさん!」


 ホーネルは、

 アリサ副生徒会長さんと、

 とっても仲良しさんです。


 アリサさんの製作しているユニットのテストとか、

 ノリノリでやってくれます。


 でも、ホーネルの持っている、

 マジカルプリンセス ステッキは、

 自前です。


 マジカルステッキ系のアイテムは、レア度が高すぎて、

 作成は不可能ということになっています。


マジカルプリンセス「詠唱完了、5秒前!

          4.3.2・・・。」


赤の幻影「まだ、終われないのだよッ!」


 フルアーマードが、防御形態に移行するその一部位を、

 赤の幻影の、ライジング スラッシュが破壊します。


 赤の幻影は、フルアーマードの装甲の圧力に耐えながら、

 装甲の一角に穴を開けています。


赤の幻影「これでは、その高威力、


     行使出来まいッ!」


 マジカルプリンセスは、言葉を紡ぐのを止めません。

 詠唱が完了しました。


プレイヤーB氏「相打ち覚悟でござるかァ!」


赤の幻影「何だとッ!」


マジカルプリンセス「LV500~ フレア~!!」


 唱えました!


ミスタージョンソン「そんな事は、させねぇ!」


 ミスタージョンソンが放った、

 エージェント スナイパーライフルの一線が、

 マジカルプリンセスのちっちゃい冠を打ち落とします。


 (先端ソフト加工の衝撃吸収率100%の、

  エージェント コルク栓なので、

  威力はほとんどありません。)


マジカルプリンセス「う、やられた!」


 ミスタージョンソンが、勝利です!


山田さん「えー!?」


プレイヤーB氏「なぬーっ!?」


 勝ち抜きまで、

 あと1セットです。


 がんばりましょう!


ミスタージョンソン「何ーッ!?」


マジカルプリンセス「あ、ウソです。


          負けちゃったですね。」


 ミスタージョンソン、

 プレイヤーB氏、

 山田さんは、


 マジカルプリンセス ネリアさんの、

 『渚の君、セーラーでごー!』

 イベントを回収しました。


 イベント再生のおまけが追加されました。


観客に戻ったJ氏「・・・おお、


         えらくCGがリアルに描き込まれてるな。

         まるで、あの渚を思い出しそうだぜ。」


山田さん(もらえるものは、もらっておきます。)


観客に戻ったB氏「マジ、サイコー!


         ほんと、リアルっすね。」


観客A氏「よかったね! B氏。」


 ネリアさん、本人がやって着ました。

 ホーネルが、いません。


ネリアさん「あ、ほんとに撮影して来ました。


      2014年度版になりますが、

      今後とも、よろしくお願いします。」


 ペコっと頭を下げた、マジカルプリンセスのネリアさんです。


 となりでゲームをしていたレオクスさんが、

 やって来ました。


レオクスさん「あ、こんばんは、ネリアちゃん。」


ネリアさん「こんばんはー、レオクス兄さま!」


 従兄妹同士になります。


ミスタージョンソン「CGじゃなかったのかー!」


観客A氏「何だってー!?」


ためぞう「よう、ネリアたん。」


ネリアさん「こんばんは、ためぞう兄さま。」


 実は、ためぞうとも従兄妹だったりします。


 ネリアさんは、ホーネルとは別人で、

 彼の妹です。


 ローゼさんと同じような理由で、


 兄妹の力が強すぎて、

 どちらか一方しか、世界に出現出来ないという、

 マジカルな設定になっています。


 ステッキでチェンジできます。


ためぞう「マジなステッキは、


     マイオストしか持ってないのか・・・。

     リンカさんに、変な夢を与えて、

     申し訳ないな。」


 そのリンカさんは、あきらかに自分よりちっちゃい、

 ネリアさんに感動しています。


リンカさん「成長した気がします!」


サフィリアさん+レミーアさん(ホーネルさんには、

               こんな可愛い妹もいるんだ・・・。)


 ホーネルへの好感度が上がりそうですが、

 セリカさんの帽子の効果で、

 好感度上昇は抑えられています。


 ホーネルが、戻ってきました。

 プリクラの辺りから、出てきた感じです。


ホーネル「やあ、ためさん。」


ためぞう「おう!


     あんまりネリアたん、うろうろさせるなよ。」


ホーネル「ためさんの、ハッピーエンドを見届けるまで、


     気を付けた方がいいかもね。」


 ためぞうとホーネルの友情は厚いです。


 そのためぞうと、ホーネルが面白いことになればいいんじゃないかと、

 2Fのカラオケコーナーの、

 セリカさんは、思いました。


セリカさん「自重しろ、わたし!


      ホーネルが領地守らなくなったら、

      遊べなくなるじゃん!」


 セリカさんは、優秀な人材を確保するまで、

 面白いことは、やめようと思いました。


 セリカさんのモットーは、

 優秀な部下に現場をまかせて、


 働いたら負けかなという、ダメなところです。


> セリカさん「もっしー、


        ローゼさん。」


ローゼさん <「はい、ローゼです。」


> セリカさん「ネリアたんの事、


        みんなの記憶から適当に消してw」


ローゼさん <「そ、それは、


       無理ですw


       せっかく手に入れた、よい想い出リスト、

       おまけ付きを、勝手にかいざんしては、

       いけないと思うのです。」


> セリカさん「そっかー。


        ありがとう、またね!」


 ローゼさんの苦労は、

 どうやら +1されたようです。


ローゼさん「その II ですか!?


      ・・・はい、避けようもないので、

      がんばりたいと思います。


      およよ・・・。」


 ためぞうの冒険、


 冒険出来ていませんが、続きます。


 ローゼさんから、

 ためぞうに、お届け物が届きます。


 湯たんぽです。


ローゼさん「これからの季節に、良かったら。」


ためぞう「たすかるッス!」 

第二十六話 VI Dパート 「ためぞうエヴォリューション マークII」

2014年11月11日 17時43分20秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十六話 VI Dパート。


   「ためぞうエヴォリューション マークII」



 お花屋さんのファルさん(西の大覇王 女帝ファルベリア)は、

 セントクラウス学園 商業棟のお花屋さんに来ています。


ファルさん「ためぞうさん、


      早く、第二十七話に行きましょう・・・。


      九月にはそうなる予定でしたが、

      ここは、じっくり待つべきなのでしょうね。」


 ファルさんに、向かって『好き』という言葉を言ったのは、

 ためぞうが初めてです。


 おおきな誤解も含まれていますが、

 そう言って貰えることは、嬉しいことのようです。


 お花のギフトカードに、色鉛筆でどうぶつさんを描きながら、

 あれこれ策を練ろうと思いました。



  これまでのあらすじ。


 ミスタージョンソンの活躍で、

 豊かな時代に建設されて、完成していない、

 バベルの塔V(ファイブ)の攻略も、

 もう、50Fまで来ました。


ミスタージョンソン「さて、ドリンクバーで、


          コーヒーでも飲むか。」


ためぞう「攻略しようぜ!」


 まだ、ミスタージョンソン以外、気付いてはいませんが、

 先の戦いで、リンカさんが、ちょっと成長しています。


リンカさん「まだ、上があるハズなのです!」


 気合いは、十分です。


 50Fには、隣の塔に移動する為の、連絡通路があります。

 露骨に、怪しいです。


ためぞう「ワナだな。」


ミスタージョンソン「この高さだ、


          ぶっ壊したら、シャレにならねえ、

          予算がかかる。


          ワナだとしても、CGの合成だろう。」


  ドォォォォオオンッ!!


 突然、連絡通路が大爆破します!


ミスタージョンソン「なにーっ!?」


ためぞう「お、おい、どうすんだよ!」


 スタッフが、タイミングを間違えたようです。


ミスタージョンソン「凡ミスかよ!?


          て言うか、マジでぶっ壊すつもりだったのか!!」


ためぞう「わ、渡れなくなってしまった・・・。


     どうしよう。」


 その時、エレベーターが壊されているのに、

 ネコx2さんが気付きます。


ネコx2さん「押しても、開かないのニャ。」


 49階へと繋がる階段も爆破されました。


 ドリンクバーのスタッフさんは、すでに脱出しています。


 32型のテレビに、カウントダウン『60』が表示されます。


ミスタージョンソン「ワナだ!


          やべーよ!!」


ためぞう「あんたが、慌てるなよッ!」


 皆、慌て始めました。


ネコx2さん「やばいニャー!」


リンカさん「あわわ、わたし今、HP 1 ですよ!」


 カウントダウン 50・・・。


エリクさん「あらまあ。」


クッキーさん「え、映画ですよね。


       ここで終わったら、ダメですよね?」


レミルさん「エストさん、強くなるわけですね。」


 カウントダウン 30・・・。


レミーアさん「起爆装置を解除するっす!


       ないと、カウントダウンあんま意味ないっす!」


サフィリアさん「そ、そうですよね。


        さ、探しましょう。」


 テレビのリモコンに、解除ボタンがあります。


ためぞう「あるじゃん!」


ミスタージョンソン「ふぅ・・・、


          まあ、こんなもんだろう。」


 青と赤と緑と黄色があります。


 ・選んでください。



ミスタージョンソン「4つもあるのか!!


          選べねえよ。」


 カウントダウン 10・9・・・。


ためぞう「奥義!


     ボタン同時押し!!


     ファタタタタタタタタタタタタッ!」


 ビデオ判定が、テレビに映し出されています。


 0,03秒差で、

 ためぞうは、赤のボタンを選択しています。


 起爆スイッチのようです。


ミスタージョンソン「うぉぉぉぉお!」


ためぞう「一度だけでいい、


     チャンスをくれぇぇぇぇえ!!!」


 ワンチャンス ゲットしました。


 カウントダウンが、1で停止しています。


ためぞう「すまないと思っている・・・、


     女子優先で、逃げて欲しい。


     その強化装甲って、飛行ユニット付いてるよね?


     早く行くんだッ!」


サフィリアさん+レミーアさん「はっ!?」


 飛べるの、忘れてました。


 壊れた連絡通路の先へも、ひとっ飛びです。


 サフィリアさんは、ネコx2さんと、

 リンカさんと、レミルさんを抱き抱えます。


 レミーアさんは、エリクさんとクッキーさんです。


ミスタージョンソン「助かったぜ、

          さて、どっちのハニーの翼に乗ろうか。」


 ためぞうは、ミスタージョンソンの腕を、

 掴んで離しません。


ためぞう「あんた、重いから残れ。」


ミスタージョンソン「何ィ!


          だが、オレがいないと、

          世界は救えねえんだ!!」



 ミスタージョンソンさん、必至です。


ためぞう「あ、女子は早く。


     また、迎えに来てね。」


サフィリアさん+レミーアさん「はい!」


 サフィリアさんたちが、飛び立つのを確認したためぞうは、

 連絡通路のシェルターを閉めてしまいます。


レミーアさん「えっ!?」


ためぞう「これで、吹っ飛ばされるのは、野郎だけになりましたね。」


ミスタージョンソン「・・・。


          見所あるじゃねーか、あんちゃん。」


サフィリアさん「開けてぇー!!」


 その声は、もうためぞうたちには届きません。



 ミスタージョンソンは、三分の1の奇跡を願いました。


 ためぞうは、ビデオ判定の映像を憶えています。


 その映像を撮影したカメラの位置をすぐに見つけました。


 ためぞうは、カンペにこう描きます。


 「どうせ、全部ハズレなんだろ?」


ミスタージョンソン「なにー!?」


 ためぞうは、おもむろに取り出したメモリーカードと付録を、

 カメラに見せます。


 まだ、開発中のシューティングゲーム

 『マジェスティーン II』と、


 なんどでも味わえる、甘酸っぱいあの日、

 『どきどき きらめき学園 I ガールズサイド 初回限定版です。』


 暫しの沈黙の後、

 テレビに映像が映し出されました。


 『我、どきどき きらめき学園 I

    ガールズサイド

  初回限定 メイちゃん、ライン君 カード同梱版

  スペシャルパックを所望せり。


  「よく、ゲットできましたね・・・。」』


 ホーネルの私物ですが、命には代えられません。


ためぞう「すまんな・・・ホーネル。」


 係員の人が、50Fの方が入ってきたので、

 ためぞうは、初回限定セットを渡しました。


 係員さんは、深く帽子をかぶっていますが、

 類ともなので、恍惚とした表情になっているのは、

 ためぞうにはわかります。


 たぶん、この係員さんが、黒幕なのでしょう。


係員さん「あ、では、失礼しますー。


     貴重なアイテムを失わずにすんで、

     ほんと、良かったです。


     ありがとー!!」


 係員さんは、嬉しそうに引っ込んで行きました。


 連絡通路のシェルターが、開くと、

 突貫作業で、ニューな連絡通路が設置されています。


 大型ヘリが、数機、ユニットの通路を取り付け、

 職人さんたちが、溶接や、内装を仕上げています。


 赤い絨毯の敷かれた、立派な通路に生まれ変わりました。

 チタンとアダマンタイトを贅沢に使い、

 耐久力も十分です。


ためぞう「・・・資産家のホーネルは言っていた。


     最後に行き着くのは、趣味だと。


     その人には、それだけの価値があるんだろうな・・・。」


ミスタージョンソン「行こうぜ、


          この先に美少女を待たせているんでなッ!」


 サフィリアさんや、レミーアさんたちは、

 意味が分からないまま、英雄の生還に感動しています。


ミスタージョンソン「泣くのはまだ先だぜ、お嬢ちゃんたち。」


 こうして、ためぞう達は、

 最上階(建設途中で51Fが、最上階になります。)

 に辿り着きました。


 51Fは、完成していないので、やや屋上のような場所です。

 結構な高さなので、この季節は、ちょっと肌寒いかも知れません。


 カーボンヒーターで、身体が冷えないように丸くなっていた、

 ボスが、ちょっと冷たい椅子に腰掛けます。


ボス「冷たッ!


   ・・・ボスです。


   勇者には、質問しなければいけないことがあります。


   勇者さん、います?」


 黒マントのボスは、ためぞうたちに、そう聞きます。


ためぞう「勇者は、レーナさんという方が、


     ピンチになった時くらいなら、来ると思います。


     鬼強いです。

     伝説のレア☆☆☆の剣、『エルザード』も持ってたような。


     レーナさん、呼んでピンチになりましょうか?」


ボス「あ、いや、聞いてみただけ。


   ・・・そんなに強いんだ。


   ミスタージョンソンさん一人倒せばいい事になってるんですが。」


ためぞう「勇者への質問は、塔の半分をやるから、なんとか、


     みたいなヤツですか?」


ボス「ですね。


   早く帰って、コレクション棚に保管したいと思っていますので、

   ミスタージョンソンさん、いいですか?」


ためぞう「がんばって、ミスターさん。」


女の子たち「がんばってくださいねっ!」


 ミスタージョンソンは、みんなの輪から、

 決戦場に押し出されます。


ミスタージョンソン「ガ、ガチでやるのか?


          ちょっと待ってくれ、

          今回は、いいメンバーが揃ってるんだ。


          見せ場を作らねぇとな!」


ためぞう「気にしなくっていいっすよ。


     むしろ、ランチの時間の方が気になります。」


ミスタージョンソン「オレが、気にするんだよ!!」


 ミスタージョンソンの、

 エージェント スナイパーライフルは、

 何故か、弾切れしています。


 予備弾倉も持ってきたハズなのですが、

 バックが軽いです。


 ポップコーンが、入れてありました。


レミーアさん「あ、それ気持ちです。」


ミスタージョンソン「手伝ってッ!」


 ためぞうたちは、

 端から見たら、仲間割れのようです。


 ボスさんは冷え症なので、またカーボンヒーターの近くに行っています。


ボス「さぶっ、


   ・・・決まりました?」


ためぞう「もめています・・・。」


ボス「みんな一斉にかかって来てもいいですよ。


   早く、帰りたいですし。」


 ボスさんは、強そうです。


 ためぞうは、ミスタージョンソンを、

 悪いとは思いましたが、

 ボスの前に突き出しました。


ミスタージョンソン「おおうっ!」


ボス「おお、素手ですか。


   気合い入ってますね。」


 ボスさんは、マントの中から、

 どうやって隠してたの? 的な、

 大きな剣を取り出します。


 クレイモアーVII(セブン)と刻印されています。


ためぞう「でか。」


サフィリアさん「あ、あれって、

        結構、新式の武器ですよ。


        フリゲート艦なら、一撃で落せる威力ですね。」


ミスタージョンソン「マジか!?」


レミーアさん「マジっす。


       私では、力不足で扱えません。

       強そうですね。


       めちゃ、強いでしょう。」


ボス「行きますねー。」


ミスタージョンソン「すまん、オレは逃げる!!」


 何処か遠くの山脈が、剣の勢いだけで吹っ飛びました。


 剣風を、クッキーさんがブロック!

 9000万ダメージを、受け流した!


ためぞう「これ、HP 1 設定とか、関係ないよね?」


サフィリアさん「私の防御力では、最大でも耐えられません・・・。

        アリス会長さんでしょうか?」


レミーアさん「他に、思い付かないっす。」


 会長さんの名前が出たことで、

 ボスさんは、ちょっと慌てているようです。


ボス「・・・あの人に、にらまれると、

   困っちゃうんですよね。


   ちょっと、チョイス間違えましたね。」


 ボスさんは、ためぞうのどうのつるぎを借りることにしました。


ためぞう「あ、10点でもらったものですが、よかったら。」


ボス「では、貴方にはこの剣をあげましょう。」


 ためぞうは、クレイモアーVIIを受け取った。


  ズシンッ、と床に亀裂が入ります。


サフィリアさん「そ、それ、もらっちゃダメです。


        星一つ分の重さがあるんで、

        ボスさん消えたら、

        制御不能になります。」


ためぞう「おお・・・。


     では、お気持ちだけ受け取っておきますね。」


ボスさん「あ、はい。^^」


 ボスさんは、剣をマントにしまいました。


 その時です!


 ためぞうは、ボスさんからほのかに香る、

 お花の入浴剤

 ピュアローズの入浴剤の香りがしたのに、

 気が付きました。


ためぞう(ファルさんだ・・・。)


 突然、監督から呼ばれたファルさんは、

 お花屋さんをユッキーさんに任せて、

 ボスをやっています。


 ためぞうは、勝てると思いました。


 ファルさんは、イラスト描いたり、お花の管理で、

 とてもこの時間は忙しいのです。


 ファルさんが、勝ってしまうと、

 めんどくさい事になるので、

 きっと、嫌がるとおもったのです。


 ボスを、気合いが入りまくって、

 エリナ先生にいいとこ見せたい、

 最強覇王のサードラルさんから、


 まったりお花屋さん覇王のファルさんに、

 キャスティングした、アリサさんの策です。


 エリナ先生は、本当に、ノリノリのサードラルさんを、

 叩きのめして欲しいと思っていました。


 助っ人美少女(?)戦士として、

 バトルに参加してもいいくらい、

 サードラルさんには、困っています。


 サードラルさんは、レオクスさん、

 エストさん、レミルさんのお父さんです。


 ホーネルの叔父さんでもあります。


ためぞう(ファルさんは、恋愛ゲームが好きなのか。


     ホーネルに、レアなの譲ってもらえないか頼んでおこう。)


ためぞう「ミスタージョンソン、


     今だッ!」


 ミスタージョンソンは、腰が抜けています。


ミスタージョンソン「何だよ、アレ!!


          惑星破壊砲でも撃ってるのかよッ!!!」


 ぶるぶる震えているので、もうダメっぽいです。


ためぞう(・・・ファルさん、ごめんネ。)


 ためぞうの、スーパー弱パンチ風 ネコじゃらし。


 → ボスさんにヒット!


 ちょっと滑って、ぷにっとやわらかくて、温かなものに、

 当たってしまいます。


 マントの下で、ファルさんが赤面しています。


ためぞう(あっ・・・すいません!)


ファルさん(・・・いえいえ。)


 初めて、男の方に触れられた感じです。


 ためぞうの想い出リストが追加されました!


ボス「う、やられた。」


 棒読みです。


 ファルさんは、あっという間に覇王にまで上り詰めた、

 大天使さんなので、

 仕事一筋で、出会いがあまりありませんでした。


 そこで、ちょっといいなと思い始めていたためぞうに、

 胸揉まれて、本気でやられた気分です。


 どきどきして、恥ずかしいので、

 けむり球を使って、ドロンと消えちゃいました。


 ミッションコンプリートです!


ミスタージョンソン「今回は、過酷なミッションだったが、


          みんなよくやり遂げた。


          体育の点数を+100点しておくから、

          何かあったら、これからもよろしく頼む!」


リンカさん「帰りに、ゲーセンでまた会いますよね。


      その時も、よろしくですー。」


 リンカさんに、ミッション

  新しいサイズの、服を買うが追加されました。


 リンカさんは、夢叶って、かなりご機嫌です。


サフィリアさん「放課後も、バトルですね!」


レミーアさん「エリクさん強いから、


       私と組んでくださいよ。」


エリクさん「はーい。」


 クッキーさんと、レミルさんは、

 ゆるキャラ キャッチャーに行くそうです。


ためぞう「んじゃ、オレ、

     ランチの仕込み行っていいっすか?」


エリナ先生「はい、行ってらっしゃい!」


 エリナ先生は、ざるそばを食べています。


 みんな、戻って来ました。


 やられたヒゲは、ローゼさんに蘇生されています。


ヒゲ「私も、ざるそばにしようかな。」


ライっちさん「ざるそば定食作ってもらいましょうよ。」


ヒゲ「うん、そだね。」


 こうして、午後のランチタイムを迎えるのでした。


 レオクスさんが、ちょっと先に帰ってきていたので、

 ランチタイムの営業は、間に合いました。


 今日は、栗ごはんや、モンブラン、

 サンマ、紅鮭、などが、

 メニューに追加されています。


 モンブランは、いつも置いてありますが、

 収穫したてを自家製でクリームにしていて、

 濃厚で、でも、後味はとても良く仕上げてあります。


 栗拾いは、ためぞうも手伝いました。


ためぞう「はいっす、ざるそば定食二つっすね。」


 ヒゲたちのオーダーをためぞうは、こなしています。

 室内は、暖かくしてあるので、

 ざるそばも美味しいです。

 温そばもありますが、

 人が食べていたのを見ると、


 同じものが食べたくなるようで、

 エリナ先生は、とても美味しそうに、

 綺麗に食べちゃいます。


ヒゲ「ためぞう君、そば打ち上手いよね。


   ネギもワサビもこだわってるし。」


ライっちさん「ざるそば、天そば、

       そばまんじゅう。


       うどんも大好きですが、

       あれだけ、美味そうに目の前で食べられると、

       やはり、同じものを食べちゃいます。」


 今日は、ウェイトレスさんが、エストさんから、

 レミルさんに代わっています。


 エストさんは、道の駅で、好調に販売実績を上げているので、

 ノルンさんが、手放したくなくなっています。


 エストさんは、おばちゃん相手がとても得意です。


ライっちさん「いやー、レ、・・・エストさんいいですね。


       お嫁さんに欲しいくらい、


       プリンセスでいいですね。」


ヒゲ「うん。


   でも、私は元気なエストちゃんも、

   健気なレミルちゃんも、どっちも好きかな。


   息子の嫁にするなら、だけどね。


   話が、横道だけど、

   マイオスト君って憶えてる?」


ライっちさん「ああ・・・いましたね。


       切実な問題として、

       私はあるお菓子のカードを熱望しておりまして、


       彼なら、そういう類のコレクションに精通しているので、

       頼りたいと、ホーネル君も言ってました。


       1度だけでも、奇跡を起こしてくれるのなら、

       あらゆる策を講じて、サルベージします。


       私に、リアルラックさえあれば!


       ワンチャンス、欲しいっす。


       おでん以外の温もりにも、触れてみたい年頃なんです。

       そばにいてくれるだけで、いいんです!」


 ウェイトレスのサフィリアさんが、

 おそばセットを運んできてくれました。


サフィリアさん「ごゆっくり。」


 ニコッと微笑んでくれる、それだけで、

 オッサンたちの渇きは満たされます。


ヒゲ「サフィリアさんも、素敵だね。


   エストちゃん、ごめんね。」


  へくしゅんッ!!


 エストさんが、道の駅でくしゃみをしました。

 全国制覇、唯我独尊への道は、まだまだ険しそうです。


  道の駅 ドラゴン。


ノルンさん「エストさん、


      全国制覇か、いいなぁ!」


エストさん「若干、にせものっぽくなりつつありますが、


      こつこつと営業実績を重ね、

      全国制覇の礎にしたいと思って、

      がんばってます、押忍!!」


 エストさんは、現在、

 猛将のクマゾーさんと、まりもんさんを、

 レミルさんサイドに引き抜かれていますが、

 軍師さんは、健在です。


 ノルンさんは、以前、

 全国制覇を達成しています。


 魚市場のあんちゃん達は、その時の仲間も多く、

 ノリがいいです。


 エストさんは、ノルンさんといて、

 すごく勉強しています。


 具体的に、天下統一まで果たした(銀河規模)

 ノルンさんですが、

 たいして、おいしい思いはしていなさそうです。


 25歳、そのままいない歴のノルンさんは、

 23歳、そのままいない歴のエリスねーさんに、


 じわじわと差を付けられているのを、

 ちょっと焦っています。


 今年はまだ大丈夫そうですが、(残り日数的に。)

 いつ、エリスねーさんから、

 写真入りのおめでたいハガキが届くのかを、

 びみょうに警戒しているようです。


 ノルンさんは、四捨五入という言葉が、

 気になる年頃のようで、

 とても真面目に仕事に取り組んでいる、

 素敵な方なのですが、

 一応、社長さんなので、

 職場での出会いが、少ないというか、


 いいなと思っている殿方は、

 わりといらっしゃるのですが、

 雰囲気的に、きっぱりさっぱり、


 「やだ。」


 って、言いそうなので、ちょっと遠慮されています。


ノルンさん「い、いわねーよ!


      ありがてえよッ!!」


 というのが、エストさんの軍師さんの分析です。


ノルンさん「エストさんといると、


      そういう効果が得られるの?


      どこ、注意しとけばいいとか。」


エストさん「ひゅるるるる~っ♪」


ノルンさん「・・・企業秘密なのか。


      そこは、わかる。


      それとなく、聞いていよう。」


 ノルンさんは、

 雑な感じを受けますが、実は、もの凄い美人さんで、

 女神さんでもあります。


 さらさらの金糸の髪は、プラチナのそれより気品があり、

 ちゃんと手入れさえすれば、

 光の輪を幾重にも流す、腰まで届くストレートヘア、


 ちょっとヘアアイロンを使えば、

 ゆるふわ、愛されカールなど、

 けっこう、自在です。


 繊維は細い髪ですが、ヘアダメージをまったく受けないので、

 それが逆に、ノルンさんの髪への関心を甘くしています。


ノルンさん「何だってーーっ!!」


エストさん「ノルンさん、


      かきいれ時は、働いてください。」


ノルンさん「そ、そだよね。


      軍師いいなあー、

      私の時は、ライエン(ライっちさん)だったからな・・・。


      セリカもあんな風に、あほになってるし、


      軍師は、ちゃんと選ばないとダメだな。」


 ライっちさんに、 1 ダメージ。


ライっちさん「・・・スーパーハードモード、


       解除されてますよね?


       まだ野望とかあるので、

       倒れたくないといいますか、

       頑張りたいです。」


 レオクスさんのお店には、定食コーナー(新設)と、

 ファーストフード&スウィーツコーナがあり、


 ライっちさんのとなりの席で、

 エリナ先生も、サンマと栗ご飯を頂いています。


エリナ先生「大丈夫ですよ。


      お食事くらいは、のんびり取りたいので。


      イージーモードにしてあります。」


ライっちさん「・・・イージーモード、


       一部、イベントが回収出来ないですよね?


       ノーマルくらいまで上げてください。」


  ノーマルモードになりました。


 エリナ先生は、栗ご飯をおかわりしています。


 相席しているのは、

 一旦、アパートにダッシュで帰って戻ってきた、

 ファルさんと、ラウエルさんです。


 お花屋さんは、この時間は交代制で、

 ランチを頂きます。


 いま、お店にはジェネシスおじさんが店番しています。

 また、可愛い看板娘さんを探しにいくつもりです。


ファルさん(触れられると、


      ドキッとしてしまうものですね。


      そういうわけで、

      ためぞうさんの定食コーナーにいるわけではありませんが、


      ゲーム楽しむ時の参考にはなりました。)


ラウエルさん(ボスは、メイン

       レオクスさん狙いあるよね?


       ためぞうさんは、面白いね。

       ポイントワザ、巧みに使うね。


       ママのエリーゼが来てるある、

       私、そっくりあるから、


       ためぞうさんに、ちょっかい出すある。


       私、コウノトリさんが運んできたって、

       ママから聞いたある。


       ホントに、母娘かどうかも疑わしいある。)


 ファルさんに、選択のパラドックスが発生しました。


ファルさん「!?


      ええ・・・尽くすなら、一人の男性が良いと思います。


      お花屋さんやっていて、想いを届ける勉強の日々ですから、」


 ファルさんは、乙女さんになっています。

 頼りになるのは、

 わりと、土壇場に強いラウエルさんです。


 西方のピンチを、ほとんど救ってきたラウエルさんは、

 奇跡を現実に変えるような事を、何度も達成しています。


 なので、速攻、ファルさんから呼ばれました。


ラウエルさん「魔法少女になれるステッキ、欲しいある。


       守りはわりと地味あるから、

       ちょっと夢見たいあるよ。」


 そんな夢を抱く少女は、

 となりのスウィーツコーナーにもいます。


 生クリームたっぷりのケーキと、牛乳飲んでる少女、

 リンカさんです。


リンカさん「周りは気付いてくれませんが、


      手をのせられるくらいには、なってると思います。


      夢のある話です。」


 リンカさんは、中学1年生入学時くらいにまで、

 なぜか、成長しています。


 リンカさんの成長率は、最大100%のうちの、

 現在 5%です。


 いい方の5%だと、思えるようになりました。


 残り95%を達成する為には、

 ためぞうの友達で、


 セリカさんの魔王軍 四天王ランキングが、

 そろそろ、ためぞうの四位に抜かれそうな人の、

 強力が必要だったりします。


ためぞう「ああ、マイオストの持ってるカギね。


     マスターキーだから、あれは便利。

     そっか、封印されてるもんな。


     でも、いまのリンカちゃんじゃ、

     多分、ルフィアに吸われて終わるんで、


     いまは、知らないほうがいいよ。


     マジカルプリンセスのステッキとか、持ってたな。


     ああいうグッズで、気分味わってた方が、

     きっと楽しいよ。


     ホーネルが、一本、持ってるな。」


 ためぞうのつぶやきが、

 マジカルなんとかステッキ辺りから、

 リンカさんと、ラウエルさんには、聞こえたようです。


リンカさん「持ってるんだ・・・。


      本当に、あるんだ。」


ラウエルさん「プリンセスあるか・・・。


       夢みたいある。」


 最近、四天王トップになったホーネルは、

 魔王であるセリカさんを超える勢いで、

 株を上げています。


 ホーネルは、アリサ副会長さんと、

 ゲームセンターで働く、吉川 リナさんと仲良しなので、


 アリサさんと、リナさんのコスプレレベルは、相当高くなっています。


 そのリナさんは、レオクスさんのお店でウェイトレスもやっていますが、

 すでに、リアル王女である、

 レミーアさん並のエレガントさが身に付いています。


 もうすぐ抜かれるでしょう。


レミーアさん「何ィーーー!!」


 リンカさんと、ラウエルさんは、

 学ぶのでした。


 勝ち馬に乗れ! という事を・・・。


リンカさん「リナさん、ホーネルさん紹介してw」


ラウエルさん「右に同じある。」


リナさん「あ、はい。^^」


レミーアさん「わ、わたしもw」


リナさん「わかりましたー。


     今日も、一緒にオンラインゲームやるんで、

     その時、速攻で伝えときます!」



  ためぞうの エヴォリューション度。


  ・ 実質成長率 0.1%未満。


  ・ ホーネルが、きらめきライバルになる予感。


  ・ ためぞうの味方 ローゼさんをほったらかし過ぎ。


  ・ ファルさんから、きらめき視線。


    ファルさんは、早く第二十七話に行きたいと思っています。

    (二十六話までは、ローゼ閣下が黒幕です。

     二十七話から、ファルさんにチェンジです。)


  ・ 長崎ドラゴン港に、エクスカリバー エヴォリューションVIIIが寄港。


    エクスGT エヴォVIII(エイト)は、四人乗りの、

    赤いスポーツカーになります。

    MAX 270kmで、排気量は3000ccです。


  ・ リンカさんには、エヴォリューションでした。



     では、またー。^-^


     次回タイトル決めてなくてすいません。


           ためぞうの冒険  つづく。

第二十六話 Cパート 「ためぞう エヴォリューション!」

2014年11月05日 17時39分19秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十六話 VI Cパート。


   「ためぞう エヴォリューション!」


 あらすじ。


 エストさんと、レミルさんが入れ替わっています。

 みんな、温かな視線で見守っています。


エストさん「みんな、気付いてるだろぅ!」


 ためぞうたちは、

 3年J組の教室で、優雅に映画三昧です。

 ポップコーンも、持ち込み可です。


ためぞう「難易度高すぎて、食えねえよ!」


 スーパーハードモードで上演されています。

 まるで、その世界に入り込んだような臨場感、

 3Dと言うモノなのでしょうか。


 ダメージも本物です。


ためぞう「だから、やばいって!

     オレ、レオクスさんにランチの仕込み、

     頼まれてるから、

     三時間目までには、終わりたい。」


エリナ先生「そういう事でしたか。


      頑張ってくださいね、山本 貯蔵君。


      先生は、ランチを楽しみに通っています。」


 サフィリアさんが、一人でその猛攻撃を耐えています。


    サフィリアさんの防御力 残り 約5800万。


 いよいよ、クライマックス的なシーンです。

 とんでもなくデカい高層ビル 『バベルの塔 V』に、

 ためぞう達は、向かいます。


ためぞう「あれ、ここ教室じゃないよね。


     どっか違う世界だよね?」


 戦闘不能になっていないメンバーは、

 全員飛ばされています。


 エリナ先生が、武器商人のようになっています。

 この前の抜き打ちテストの点数で、

 いい装備が交換出来る仕組みです。


エリナ先生「ちゃんと準備して行ってくださいね。


      映画の主人公 『ミスタージョンソン』が倒されると、

      帰れなくなりますので、

      一緒に頑張ってあげてくださいね。」


 エリナ先生は、いつの間にか女神みたいな格好に着替えました。

 強さと気品を兼ね備えています。

 ですが、後方支援で、飲茶タイムです。


ラウエルさん「いつもありがとある。」


エリナ先生「出来たては、本当にいいですね。

      お茶をその場で入れてくれるサービスも、

      大満足です。


      遠足の経費でいただけるのが、何より一番ですね。」


 ラウエルさんは、出前のおかもちを持っています。

 チャイナ服で、可愛いです。

 敵の攻撃が、すべてラウエルさんの前では消滅しています。


エリナ先生「見えない速さで、防がれているんですね。」


リンカさん「私は、見えてますよ。


      あんまん2つ、ありますか?」


ラウエルさん「あるよ、リンカさん。」


 ラウエルさんは、リンカさんにあんまん2つ販売して、

 何事もなかったように、教室の扉っぽいとこから、

 帰って行きました。


 ためぞうは、前回の抜き打ちテストは、10点だったので、

 『どうのつるぎ』と交換してもらいました。


 サフィリアさんの付けているインカムに、

 通信が送られているようです。


オペレーター < 「こちら、

          エヴォリューションVIII。


          もうすぐ、次元が閉じられそうです。


          支援が出来ない可能性が高いので、

          転送可能な装備を、

          そちらへと転送・・・したく・・・。」


> サフィリアさん「よろしくお願いします。


          支援に、感謝です。」


 通信が切れたようです。


 コンテナが一基、転送されてきました。


 サフィリアさんは、強化装甲仕様になった。

         防御力が8000万に上昇した。


 レミーアさんも、強化装甲仕様になった。

         レミーアさんに、防御力 3000万の付与。


 レミーアさんは、対カオス用 チェインガンをバックパックに装備した。(残弾 500発。)

         バスターランチャーを肩に装備した。(装填数 2発。)


 コンテナには、まだ装備が入っていますが、

 使いこなせる方がいなさそうです。


 と、思ったら、リンカさんがサフィリアさんと同じ鎧を着ています。

 あんまん 2個の効果です。(後で、おいしくいただきます。)


 ヒーローが、現れました。


ミスタージョンソン「時間がない、

          早く、塔の最上階へと向かおう。」


レミーアさん「バスターランチャーで、吹っ飛ばしたら、

       どうっすかね?」


ミスタージョンソン「バカモーン!

          それでは、予算オーバーだ。


          セットにいくらかかると思っているんだね。


          破壊してもいいオブジェは、

          ちゃんとロックオン出来るようにするから、


          リード撃ちとかで、勘で当てないでネ。」


レミーアさん「サー イェッサ!」


 レミーアさんは、バスターランチャーをあきらめ、

 バトルライフルと、レイピアにしました。


 ミスタージョンソンは、正義のヒーローで、

 元 3年J組の担任さんです。


 強いんですが、HPが 1 なので、

 サフィリアさんと、レミーアさんが、

 守ることにしました。


ミスタージョンソン「両手に花だなッ!」


ためぞう「自分も行くっす。」


ミスタージョンソン「野郎はいらん!


          リンカさんに付いてきてもらおう。」


リンカさん「はい!」


 特攻部隊 アルファチームが結成されました。


 早速、突入していきます。


ためぞう「・・・。

     オレ、装備が初期だしなぁ。」


 その時です!


 まだ、天使っぽい方が残っていました。


 ヒゲと仲良しのエリク姫さんと、


 エリナ先生 16才ヴァージョンのクッキーさんです。


 レミルさん(エストさんの代打。)もいます。


エリナ先生「ブラボー特攻隊、行ってらっしゃい。」


 ためぞうは、ブラボーチームに入りました。


 エリク姫さんは、自前のファイアソードとアイスソードの二刀流で、

 防御力も、3000万くらいあります。


ためぞう「つよっ!」


 クッキーさんも、元はエリナ先生のあの日の君なので、

 防御力が1億近くあります。


ためぞう「ブラボー、ハンパねぇよ!」


 レミルさんも同様に強めな方で、

 防御こそありませんが、


 持ってる剣が『オメガ・レプリカ』という、伝説の剣です。

 レミーアさんのバスターランチャーより、高威力です。


ためぞう「オレ、いらねーじゃん!」


 ブラボー ためぞうチームも、塔に向かいました。


 先に、ビル(塔)に向かったミスタージョンソンたちは、

 序盤から、苦戦しています。


  2F オフィスエリア


 職員さんが午後のランチタイムまで、がんばっています。

 仕事の邪魔をしてはいけません。


 気合い入れた装備をしてきた、

 サフィリアさん、レミーアさん、リンカさんは、

 かなり浮いています。


レミーアさん「視線が痛いっすねw」


サフィリアさん「こんな展開なのでしょうか?」


  その時です!


 ミスタージョンソンに吹き矢が放たれます!


  シュピン!


 リンカさんが、居合いで吹き矢を落としました。


ミスタージョンソン「ワナだッ!

          HPは、 1 しかねぇ。

          この都会というジャングルでは、

          敵の位置が掴めん。


          素早く、抜けよう!」


 サフィリアさんと、レミーアさんは、

 リンカさんに感心しています。


 サイズの合ってない鎧で、よくもあんなに動けるものです。

 靴底も相当あげてあります。


 吹き矢は、

 ミスタージョンソン狙いで、

 アホほど飛んできます。


 リンカさんの落した吹き矢の数 12万本。


リンカさん「お金、かかってますね。」


ミスタージョンソン「そんな地味なとこに、予算使ってるんじゃねーよ!


          ・・・さっさと抜けよう。

          リンカさん、選んでて正解だった。」


 アルファチームは、苦戦しています。


 一方、ためぞうのブラボーチームには、


 なぜか、サフィリアさんとこの

 ネコx2さんがいます。


ためぞう「的(まと)ですか?」


ネコx2「イカした、ツイストで、

     見事に避けまくりニャ!


     コーク(コーラ)も決めて、

     駆け抜けるゼ!!」


 ギャル目当てで、付いてきたみたいです。


 ためぞうは、ワナに耐性を持っています。

 1F ロビーで、エレベーターを見つけました。

 基本、高確率で、敵が出てきそうです。


ためぞう「・・・50Fもあるのか。

     普通に、2F~50Fまで、

     攻略していくのと、


     エレベータ使うのは、

     どっちが、リスク高いんだろ?」


 ネコx2さんは、50Fも階段上る体力ありません。


  ・ ボタンを押しますか?


    → はい。


      いいえ。


      ホーネルに来てもらって、

      エレベーター内部を、非破壊検査で確かめる。(約 5分。)



ためぞう「ホーネル、呼べるんだ・・・。


     ラウエルさんも、来てたよね。」


ネコx2さん「押すニャーーーーー!!!」


ためぞう「お、おい!!」


 ポチッと、押してみました。

 ちゃんと開いて、綺麗に清掃されています。


 サラリーマンのおじさんや、

 OLのお姉さんは、乗りました。

 ネコさんたちは、すでに乗ってます。


レミルさん「乗りますね。」


エリクさん「あ、はい、私も。」


クッキーさん「また、ためぞうさんと、

       観覧車、乗りたいな。


       ・・・乗ります。」


 ためぞうを置いて、ドアが閉まりそうです。


ためぞう「おお、オレ、ここで一人はイヤだ!」


サラリーマンのおじさん「あんちゃん、早く乗りなよ。」


 おじさんは、開くのボタンを長押ししてくれています。

 けっこう、いいおじさんです。


 OLのお姉さんは、ネコさんにおやつのたい焼きあげています。


ネコx2さん「たい焼きもらったのニャーーー!」


 ためぞうも、エレベーターに乗りました。


 途中、会社の方達が乗り降りして行きましたが、

 安全そのものでした。


 ためぞうには、うかつ者に良い効果+1が付与してます。


 しっかり者になると、効果は消え失せます。


ためぞう「しっかり者になりてえよ!」


  チーン。


 ためぞうのブラボーチームは、50Fに到着しました。


 ミスタージョンソンが、まだ来ていません。


 ドリンクバーコーナーがあったので、

 ためぞうたちと+ネコx2さんで、

 お話しながら、待つことにしました。


 コーナーの方から、ポップコーンを貰ったので、

 美味しく頂いています。


 32型のテレビに、アルファチームの状況が映っています。


ためぞう「・・・まじか。」


エリクさん「あれは!?」



 荒れ果てた大地に、四人の姿が確認出来ます。


 どこか、まったく違う場所で戦っているようです。


 敵は、暗黒エネルギーの暴走が生み出した、

 『ギーガ』と呼ばれる存在で、

 数が、多すぎて把握できません。


 並みのドラゴンなど、衝撃波一発で消し去ってしまうほどの敵が、

 五万といます。


サフィリアさん「え、映画じゃないですよね?


        この気配を私は知っています。」


レミーアさん「久しぶりの、対ギーガ戦ですね。


       でもHPがーーっw」


リンカさん「私は、一度しか戦ったことはありませんが、


      全力を尽くします。


      応えよ、備前長船 大般若 長光!!」


ミスタージョンソン「撤退だ、勝ち目がねぇ!


          オレは、ヒーローである前に、

          お前達の教師だ!


          オレが食い止める間に、

          脱出するんだ。」


 緊急事態が起こりました。


 後方支援のエリナ先生の元に、

 アリサ副会長さんがやってきます。


アリサさん「転送先のエルザーディア 1725は、

      ギーガを鎮圧出来ていないエリアです。


      しかも、かの地は伝説の覇王を輩出した、

      激戦区です!


      ギーガとはいえ、

      その強さは上位のテーラ級も多く・・・。」


エリナ先生「ええ、私が最高神を勤めさせていただいている地ですね。


      まあ、見ていましょう。


      いざとなれば、私一人で消し去りますので。」


アリサさん「・・・そうですね、


      ここに、聖王 バルエリナスさんがいるわけですから、

      焦った自分が、お恥ずかしい。」


エリナ先生「こういう経験も、いずれは役に立つものです。」


 ためぞうと一緒になって、中継を見ているみなさんは、

 唖然としています。


ためぞう「これ、敵強すぎだよね。


     ホーネルの正規軍が戦ってるくらいの規模だし。」


レミルさん「失礼ながら、戦士の数が不足しています。


      戦闘は、回避されたほうが良いと思います。」


ネコx2さん「一大事だニャー!

       上杉軍を全軍ワープアウトさせて、姫さまを守るのニャ!!」


   ・・・電波が、届かない距離にあります。


ネコx2さん「何だってー!」



 ギーガ集団の先頭が、ソニックブラストを放ちました。


 サフィリアさんがガードしていない、山などは全て吹き飛びます。


レミーアさん「イーグルアイ発動・・・。


       敵、総数48000


       主力級 ギーガ 30


       多いなぁー。」


 レミーアさんは、結構余裕の表情です。


 ミスタージョンソンは、

 サフィリアさんの後方で、

 エージェント スナイパーライフルによる

 ロングレンジ攻撃をしています。


 徹甲炸裂弾で、主に足止めしていますが、数が多すぎます。

 残弾、20。


ミスタージョンソン「これじゃ、何もやってねえのと同じだ。


          今回のミッションは、失敗だ!」


 リンカさんは、清水のように太刀への錬気をしています。

 重たい鎧を破棄して、袴姿になっています。


レミーアさん「いけるっしょ!


       私も、攻撃始めまーす!」


 レミーアさんの強化装甲から、

 展開装甲板が、羽のように舞います。


 この装甲板は、物理防御が100%なので、

 破壊することは不可能です。


 面積の小ささが弱点ですが、

 そこは、レミーアさんの防御力で耐えるしかありません。


レミーアさん「ファイティング・ファルコン!」


 レミーアさんは、ファイティングモード状態で、

 全ての火器を制御できます。


 チェインガン、バトルライフル、

 レーザービームユニットx6(天使の翼。)

 の同時攻撃で、

 一気に、300ものギーガを殲滅します。


 サフィリアさんの持っている大盾が、

 ランス状態に移行していきます。


 先端の収束した発光部を合わせると、

 長さが100mほどになります。


 著しく防御力が低下するために、

 サフィリアさんも装甲板を展開させます。


 サフィリアさんの装甲板の数は、

 レミーアさんの数倍です。


サフィリアさん「パニッシャーーー!!」


 直線上の敵が、一気に消滅していきます。

 推定撃破数は、約2000。


 主力級の敵には、効いていないようです。


サフィリアさん「もっと、近付かなきゃ・・・。」


 敵は、直線には進んで来ず、

 円を描くように四人を取り囲もうとしています。


 そのまま押しつぶす算段でしょう。


 リンカさんが、敵陣に斬り込みます。

 もの凄い速さで、敵を仕留めていきます。


レミーアさん「はやっ!」


 リンカさんは、敵を秒単位で消していきますが、40000ともなると、

 それでは時間のかかりすぎです。

 リンカさんは、敵の攻撃には、一度も当たりません。


リンカさん「ちっこいからじゃ、ないですよ!


      たくさん、練習したんです。」


 テレビ中継に釘付けになっているためぞう達は、

 その強さに驚いています。


クッキーさん「わ、わたし無理ですー。」


エリクさん「場所さえわかれば・・・。」


レミルさん「主力が、魔神で構成されています。


      残念ですが、勝てないでしょう。」


 ためぞうのとんちが発動!


ためぞう「誰が、中継してるの?」


みなさん「はっ!?」


 多分、他に誰かいるのです。


 ためぞうの横に、セバリオスさんが座りました。


ためぞう「ど、どうもっす。」


セバリオスさん「さすが、ためぞう君。

        実は、私の機動要塞フォーリナが、

        中継している。


        正確には、探知したというべきだろう。」


 セバリオスさんは、ミルクコーヒーを飲んでいます。


ためぞう「おお、さすが、社長は違う。


     すごいですね、普通に。」


みなさん「すごいですね・・・、


     カッコイイですね。」


 セバリオスさんは、スーツ姿が多いですが、

 今日も、紳士的な装いです。


セバリオスさん「個人的に、11月号・・・こほん、


        サフィリアさんが困っているのは、

        私としても悲しい。


        ためぞう君もだよね?」


ためぞう「涙がでるっす。」


セバリオスさん「ということで、行ってみる。


        エリナ先生殿で、いいのかな?


        まあ、彼女もいることだし、

        余計なことかも知れないが、


        エリスもすごくいいが、

        困ったサフィリアさんは、


        私も困る。」


 ためぞうと、セバリオスさんの間に、

 熱い友情が芽生えました。


みなさん「いいですよね、男の友情って。」


 セバリオスさんが、ワープしました。


 サフィリアさんたちは、よく戦っていますが、

 劣勢です。


 30000を超える敵に完全包囲され、

 二人の防御力も、残り僅かです。


ミスタージョンソン「シュミレーションを中止してくれ!


          ここから先は、もう戻れねえぞ!」


サフィリアさん「・・・05艦の支援があれば、こんな数。


        弱音で、すいません。」


レミーアさん「力、及ばずです・・・。」


 リンカさんは、迷っていました。


 リンカさんは封じられた力を、開放していません。

 開放すると、『黒髪のルフィア』という、

 最強の戦士になりますが、


 制御不能になるのです。


 祖国を滅ぼしかけ、また守った奥義です。


 今度開放すると、もう元には戻れないでしょう。


リンカさん「失うものには、代えられないから。」


 リンカさんが、黒く鈍い光に包まれ、

 真の姿、ルフィアに戻ろうとしています。


サフィリアさん「なに・・・この力。」


レミーアさん「・・・知らない記憶が、言ってるの。


       NO,3 最強のルフィア・・・。」


 ギーガたちの動きが止まります。


 相手にしようとしているのは、王と言う名の化け物です。


 リンカさんの体形が、大人びていきます。

 黒髪は、漆黒に染まり、

 太刀は、混沌を宿しています。


 その瞳を開けば、

 瞬時に、敵は消え去ることでしょう。


 その時、


 天空から、一本の剣が大地に投げられます。


 大地を突く、その剣の名は、

       『神剣 ラグナロク』


 もう、誰も触れられないところまで行きかけた、

 リンカさんを優しく抱き止めたのは、セバリオスさんです。


 神の王、セバリオスさんは、

 神剣 ラグナロクをその手にします。


セバリオスさん「少女よ。

        その想いは、きっと彼らを強く導くだろう。


        今はまだ、眠っていていいのだ。」


 セバリオスさんは、そっとリンカさんの瞼を閉じて、

 封印しきれない暴走した力を、打ち消しました。


サフィリアさん「・・・すごい。」


レミーアさん「・・・言葉にならないっす。」


 ギーガの群れは、逃走し始めます。


 でも、もう遅いのです。


セバリオスさん「憐れな亡者達に、慈悲を与えよう。


        そなたたちは、無へと還るわけではない。

        新たに創生される世界では、

        光に包まれる事を約しよう。


        今はただ、その時を待つのだ。


        深き眠りからの目覚めは、

        一瞬に等しいのだから。」


 神剣 ラグナロクに稲妻が落ちる。


 キーン、と耳鳴りするほどに、辺りから音が消える。


 青白い光を放つ、神剣を、

 セバリオスさんは、リンカさんを抱えたまま、一振りします。


セバリオスさん「神剣、雷鳴。」


 10億ボルトの高電圧が、敵の大群を消し去ります。


 でも、音はしません。


 ダメージ範囲内の味方への完全遮蔽が行使されている為、


 あらゆる振動が届かないのです。


 元に戻ったリンカさんは、

 だっこしてくれているセバリオスさんを見て、

 赤面しています。


リンカさん「・・・あの、その、


      ありがとうございます。」


セバリオスさん「ん? ああ、


        無事なら、良かったね。


        立てるかな?」


リンカさん「は、はい!」


   リンカさんの、セバリオスさんの好感度が、100になった。


サフィリアさん「ああ・・・本当に、いい人なんですね。」


   サフィリアさんの、セバリオスさんへの好感度が、100になった。


レミーアさん「カッコいいっす、イケメンだし!」


   レミーアさんの、セバリオスさんへの好感度が、99になった。


ためぞう「何だってー!」


レミルさん「・・・あの、がんばって下さいね。


      応援してます、ためぞうさん。」


 セバリオスさんは、スマートフォンを取り出します。


> セバリオスさん「もしもし、


          バルマード王のご令嬢の、

          ローゼさんですか?」


ローゼさん <「!?

        あ、はい、ローゼです。」


> セバリオスさん「あのお願いがあるんですけど、


          『全知の書』を使って、

          このバトル見てた人の、記憶を、

          改ざんしてもらっていいでしょうか?


          世界は、平和が一番だと思っています。」


ローゼさん <「あ、はい。


        ですが、ワタクシの力を超えるエリナ先生は、無理です。

        申し訳ないです。」


> セバリオスさん「あー、いえいえ。


          それだけでも、とっても助かります。」


 セバリオスさんは、思いました。


 最近、いいと思い始めた サフィリアさんの好感度まで、

 リセットしてしまっていいのかと。


 バイク雑誌のセクシーショットのサフィリアさんが、

 目に浮かびます。


> セバリオスさん「あ・・・えっと、


          それでよろしく、お願いします。


          では、失礼します。」


ローゼさん <「はい、りょーかいです!」


 セバリオスさんは、

 同志であるレオクスさんに、気が引けてしまったのです。


 ためぞうにも、気を使っています。


ためぞう「ありがとう、セバリオスさん!


     いつか、兄貴って呼ばせてくださいっす!」


 ローゼさんは、内職の造花作りを休憩して、

 全知の書(モンブラン風味)で、


 記憶を改ざんしました。


ためぞう「はっ!?」


ミスタージョンソン「待たせたな、


          楽なミッションだったが、

          この先が、思いやられるぜ。


          ハッハッハッ。」


サフィリアさん「どもですー。


        あれ、防御力が、ほとんどなくなっていますね。」


レミーアさん「どもっす!


       いわれると、確かにないですな。」


リンカさん「私の鎧もありません。


      どうして、袴姿なんだろう・・・。

      あんまん、落しちゃった。」


レミルさん「・・・。


      ご無事でなによりです。」


ためぞう「・・・ヤバイな、


     ランチの時間過ぎそうだ。

     みんな、急ごうぜ!」


みなさん「ですね!」


 後方支援のエリナ先生は、

 保険の為に、

 ざるそばの出前を頼むことにしました。


エリナ先生「ランチが間に合ったら、


      どっちも頂きます。」


 セバリオスさんは、わりといい人なので、

 レオクスさんに、事情を説明しました。


レオクスさん「ためぞう君、そんなになってるんですか!?


       急いで、お店に帰ろうかな。」


セバリオスさん「ついでに、サフィリアさんも守ってきたよ。」


レオクスさん「さすが、セバリオスさん!


       やるなぁ・・・。」


セバリオスさん「レオクスくん、あんまん食べる?」


レオクスさん「おお、ありがとうございます!」


 セバリオスさんと、レオクスさんは、

 お互いを高め合っています。


 ためぞうも、それにのっかってます。



       とちゅうです。^^:


       たぶん、Dパートに行くと思います。


       ではー。^-^

第二十六話 VI Bパート 「キラメキ、届け、ためさん!」

2014年10月24日 18時56分22秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十六話 VI Bパート。


   「キラメキ、届け、ためさん!」



 朝の長崎ドラゴン魚市場は、

 今日も盛況です。


 事務の鈴木さん、佐藤さん、

 バイトのサフィリアさん、レミーアさん、リナさんなど、

 若い子揃っています。


 ためぞうは、魚市場でトロ箱を運んでいると、

 ネコの船長さんに呼び止められました。


ためぞう「ほい、なんでしょ?」


ネコ船長「ネコですニャ、

     困ったためぞうさんを、

     どこか違う星に送って行ってあげますニャ。


     エリスお姉さんに、ネコ船長をアピールして欲しいですニャ。」


ためぞう「いやいや、オレはここで頑張るよ!

     いきなり逃避はいかがなものかと、


     エリスねーさんには、ネコ船長いいねって、

     伝えとくよ。」


ネコ船長「感謝ですニャー!」


 ためぞうは、ネコ船長から、

 とっておきのサンマを貰いました。


 ためぞうは、荷物運びへと戻ります。


ノルンさん「よう、ためぞう!


      お前、あれだな。モテてるのか?

      プラチナの髪の麗人さんとやらと、

      ウワサになってんぞ。」


ためぞう「・・・そんな勢いで広まってるのか。」


ノルンさん「違うよな? 違うという一言が欲しいんだよ。


      えー、私、今年で25歳ですが、

      そのままいない歴であります。


      仲間だよな?


      エリスが最近、遊びに来なくなった気がするんだよ。

      モテてるのか?


      優しい返しで頼むぞ。

      打たれ弱いんだよ。」


 ノルンさん 25歳 独身さんは、

 サーモン販売をメインに活動している、北欧の美人さんです。

 容姿でいうと、遥かに他の方を圧倒して美形なのですが、

 なかなか縁がありません。


 年を取らない不思議な体質の方で、

 ためぞうが、40、50歳になっても、25歳のままです。


 長い目で見たら、若奥さんになります。


 ・ 告白しますか?

   → はい。

     いいえ。


ためぞう「おうぅ・・・、


 いきなり、試練だ。


 年、取らないんだ・・・。

 あ、女神だからか。(シャケ的な?)


 確かに、すっぴんでもかなりの美人というか、

 アリス会長さんに相当近いレベルだ。(会長さん、25歳のイメージ?)


 (ちちがでかい・・・100cm超えてるぞ。)」


 ためぞうは、迷っています。


 貯めるということと=長い目で見るということは、

 似ていなくもない、感じだと思ったのです。


  その時です!


 ためぞうの持っていた、こたつで拾った100円が、

 キラキラと光を放ったのです。


エリスねーさん「お、それ、見つけたのか?」


 エリスねーさんがやって来ました。


エリスねーさん「ピカピカに磨き上げたからな、


        バイクの整備中で気合い入ってたんだよ。」


ためぞう「王様に100G貰えず、冒険失敗かと思っていた、

     オレのソウルに気合いがチャージされた瞬間だったよ!」


エリスねーさん「そかそか、

        普通に使っていいからな。


        小遣い足りてんのか?

        足りてない顔だな。


        あって困るものじゃないだろ、

        小遣いやるよ。」


 ためぞうは、エリスねーさんから、

 10000円貰いました。


 所持金が、11600円になった!


ためぞう「多いよ!

     古蔵さんに渡す感覚じゃ、ダメだって。」


エリスねーさん「あたしには、どっちだって変わらないよ。

        使わないんなら、貯めてりゃいいじゃん。


        なあ、姐さん、サーモン握ってくれよ。」

ノルンさん「おう、任せとけ!」


 二人は、事務所の台所の方に行ってしまいました。


ためぞう「・・・。

     助かったよ、ねーさん。」


 潮風に吹かれ、爽やかっぽい朝のためぞうです。

 いい事ありました。


 サフィリアさんとレミーアさんも、

 お仕事、楽しいみたいです。

 二人で、ためぞうの所にやって来ました。


サフィリアさん「風が心地いいですね、

        おはようございます、ためぞうさん。」


レミーアさん「せんぱい、おはようっす!」


 波打ち際で反射される朝陽が、

 二人の美少女を、キラキラさせます。


 おっとりお姉さん的な、長い銀髪のサフィリアさんと、

 元気いっぱい、レミーアさんです。

 レミーアさんは、いつも帽子を深くかぶっているのでわかりにくいのですが、

 白雪のように美しい髪のお姫様です。


 二人とも、アリス会長さんの側近中の側近なので、

 いま、二択を出されると、

 ためぞうは、ピンチに陥るでしょう。


ためぞう「陥るよ、

     エリスねーさんのフォロー、

     意味なくなるからね!


     出さないでね!!」


 エリスねーさんの加護により、

 二択は回避されました。


 100円玉のありがたい効果が、消えました。


ためぞう「おぅ!


     ・・・そうだ、

     もっと強くなるんだ、ためぞう。」


 天を仰ぐためぞうを心配する、美少女たち。


サフィリアさん「あ、えっと、


        今のままでも十分、素敵だと思うので、

        無理をしないで、

        そのままのためぞうさんでいて下さいね。」


 サフィリアさんが、レミーアさんをリード!


レミーアさん「おぅ!


       そっすね、変わらなければも大事ですが、

       いい所は、そのままでいいと思うんで、


       安心できる感じが、せんぱいのいいとこっすよ。」


 ためぞうは、倒れた・・・。


サフィリアさん+レミーアさん「えーーー!?」


 柱の影から、セリカさんの回復魔法 →


 ためぞうは、元気になった。


 ためぞうは、ピンチになった。


セリカさん(がんばれ、ためさん・・・。)


ためぞう(・・・考えろ、

     どうすれば、二人が幸せになれるか。

     円満に解決するのか。


     ためぞうの限界を超えた出会いに、

     経験値不足で、倒れてしまったが、

     ここで、終わるわけにはいかないのだよ!)


 ためぞうのヘルプ → 生徒会室の、アリサ副会長さん。


ためぞう < 「いきなり、ヘルプですいません。」


> アリサさん「ほいほい、

        何でしょう?」


ためぞう < 「二択を回避する方法とか、

        お願いします。」


> アリサさん「二択、回避したくらいじゃ、

        三択きますよ。」


ためぞう < 「なんだってー!」


> アリサさん「えー、今、現在、

        ためぞうさんのきらめき度は、

        スーパーハード モードに設定されています。」


ためぞう < 「スーパーハードなんだ・・・。」


> アリサさん「こちらで、きらめき度をイージーあたりに変更しましょうか?

        これまでの好感度が、リセットされる可能性があります。


        されるでしょう。」


ためぞう < 「ダメー!

        それはいかん!


        とにかく、助けてください。」


> アリサさん「了解っす。

        そっち、行きますね。」


ためぞう < 「感謝!」


 長崎ドラゴン魚市場に、

 アリサさんがやって来ました。


 今日は、ビン底メガネをコンタクトに変えて、

 ちょっと、おしゃれな感じです。


 そのままためぞうに急接近して、

 サフィリアさんと、レミーアさんの前に立ちました。


サフィリアさん「えっ!?

        あ、アリサさんですか。」


レミーアさん「えー、いつもと違うー。」


アリサさん「今日は、サンマだと思って、

      出張です。


      ためぞうさん、サンマありますか?」


 ためぞうは、運よくサンマを箱で持っていた!


ためぞう「頂いたものですが、ウチの分は足りてますので、

     よかったら、おすそ分けで。」


アリサさん「おお・・・ありがたいことです。」


 ためぞうは、三人に分けてあげました。


サフィリアさん「いいんですか!?

        ネコx2さんが食べちゃいますよ。」


ネコx2「食べちゃうYO!」


レミーアさん「おお、せんぱいからサンマもらっちゃった。


       チョコレート的に思っていいのかな?」


サフィリアさん「いいんです!」


アリサさん「いいんです!」


 こうして、ためぞうは、

 平和な朝のひと時を過ごすのでした。


 アリサさんは、ゲーム仲間のリナさんに、サンマを持って行って、

 対戦の話で盛り上がっています。


 ためぞうは、ネコ船長のオペレータの鈴木さん(17)に、

 後で、ちゃんとお礼を言いに行きました。


事務の鈴木さん「え、私でいいんですか?


        あー、でも偉いですね、

        そういう挨拶、ちゃんと出来る方って、

        私、いいと思います。」


ためぞう「どもです、ほんと助かりました。」


事務の鈴木さん「あ、いえいえ、

        船長の方にも、ちゃんと伝えておきますネ。」



 鈴木さんの好感度が上がって、 50 → 80 になりました。


ためぞう「いい朝・・・ためぞう。」


 ためぞうの試練は、続きます。


 魚市場の朝市が盛況に終わると、

 ためぞうは、学校に登校しました。

 今日の朝市には、パンプキン的なお菓子もそろえてありました。

 そういうケーキや、プリンを作っているのは、

 ためぞうの第二の師匠ともいえる、レオクスさんです。


 レオクスさんは、本来なら持ち前の『英雄力 100』で、

 ためぞうに成り代わって、天下の覇権を争える方なのですが、

 どちらかというと、

 とある、ためぞうのお姉さんに恋心を抱いているので、

 お菓子作りや、料理などを頑張っています。


 今日のレオクスさんは、おばちゃんたちに捕まって、

 パンプキンケーキの作り方を、講演しています。

 頼まれたら断れない、いい人です。


レオクスさん「いい男と、想われたいと願っています。


       エリスさんは、今日はすぐに営業には、いかないんだ。」


 そのエリスねーさんは、

 魚市場の事務所内にある畳の部屋で、

 事務員の佐藤さん、鈴木さん、

 そろそろ道の駅ドラゴンの営業にも行かなきゃいけない、ノルンさんと、

 甘いスウィーツで、お茶しています。


 レオクスさんが、今も魚市場で作っているパンプキンなお菓子です。


エリスねーさん「レオクスさんは、いいな。


        イケメンだし、王子だし、料理上手いぞ。」


ノルンさん「いいと思います。」


鈴木さん「いいですよね。」


佐藤さん「素敵な方だと思います。」


 ためぞうが、プラチナの髪の麗人とウワサになってるとか、

 なってないとか話してるうちに、

 恋話になっていきました。


エリスねーさん「ずすーっ。

        お茶も、いいヤツ使ってるな。


        私は、営業でよく社長さんのとこで茶飲むから、

        少しはわかると、思うよ。


        美味しいね。」


鈴木さん「私が入れました・・・よかったら、

     おかわりどうぞ。」


 鈴木さんは、新しくお茶を入れて、

 エリスねーさんの湯飲みに注ぎました。


エリスねーさん「んー、いい香りだね。」


 鈴木さんは、褒められて嬉しそうです。


 エリスねーさんは、鈴木さんが、

 なんとなく気になっている、古蔵さんに詳しい人です。


 古蔵さんが、マスクマンから素顔に戻ると、

 見たことも無いようなイケメンになります。


 ネコラヴ専属船 エクスカリバーVIIの、

 主任オペレーターである、鈴木さんにとって、

 『ネコ好き』というステータスは、

 とても重要だったりします。


 鈴木さんは、ためぞうの事もいいと思っています。

 堅実で、素直なのは、印象がいいですね。


 ためぞうも、エリスねーさんの教育によって、

 少しは成長したようですネ。


  ・ ここで、鈴木さん(鈴木 ハルカさん)に、

    選択肢です。



鈴木さん「え!?

     私にも来るんですか!」


  ・ 来るんです。

    いいーんです。




  → ためぞうに接近。(押しに弱いですョ。)


    古蔵さんに接近。(浮気者に見えますが、

             いい事なかったんで、

             一途だと思いますよ。)



佐藤さん「私には、ないんですか?」



  ・ 即答されると、困るんです。

    選べる方には、簡単には出せないのが、申し訳ない。



佐藤さん「事情は理解しました。

     鈴木さん、がんばって!」


鈴木さん「えーーーっ!!」


 ノルンさんと、エリスねーさんは、

 見ていて見えないフリをしています。


 次に振られたら、困るからでしょう。


ノルンさん「た、ためぞうの気持ちが、

      ちょっとわかったw」


エリスねーさん「そろそろ、営業に行ってみようかな。

        弱いんだよー、そういうの。


        自分の番、来たら困るw」


 鈴木さんは、お茶を飲んでいます。

 新しく入れたほうのお茶です。


 ・ 20秒・・・。


鈴木さん「カウントダウンやめて下さい。

     余計、焦っちゃいますよ!」


  『ジェネシスおじさん、チャーンス!』


 花屋のおじさんが、通りかかりました。


おじさん「お花、持って来ましたー。


     エリスさんが、ここにいるって、

     ユッキーから聞いたので、

     ここで、いいよね?


     7色のお花セットです。

     入浴剤も7種あります。


     今回は、平原のくまさんのイラストです。


     いつもの、あのリッチな貴公子さんからですよ。」


ノルンさん「エリス・・・、

      だいぶ、先にいっちゃってるのな。


      乗り遅れてすまん!


      私にも、選択肢をくれぃ!!」


エリスねーさん「ち、違うって!

        (後で、デパート行って、

         田中さんに相談しよう。)」


おじさん「恥じらいも、笑顔の一つだよ!


     おじさんは、たいしていい想い出は語れないが、

     お花屋さんの、看板娘候補の一人である、

     鈴木さんを援護しようじゃないか!


     では、また!

     エリスさん、ユッキーがお世話になっています。」


 おじさんは、配達忙しそうです。

 お花屋のファルさんと、ユッキーさんの為に、

 レオクスさんから、お菓子を作ってもらっていたみたいです。

 受け取るとすぐ、仕事に戻りました。


 贈り物のお花で、畳の部屋が、あざやかになっています。

 いい香りがして、

 ちゃんと長持ちするような工夫が、

 フィルムの包装紙の中にしてあります。


 あとで、古蔵さんにでも運ばせようと思います。


 エリスねーさんは、気になって仕方ないようで、

 デパートの田中さんに、写メ送りました。


エリスねーさん < 「これ、すごくないっすか?」


> 田中さん「わぁ、いいですねー。

       それ、たぶん、最高級ギフトですよ。」


エリスねーさん < 「けっこーするの!?」


> 田中さん「うんと、かなり・・・。」


エリスねーさん < 「ありがとー!」


 エリスねーさんが、幸せになりました。

 ご機嫌です。


エリスねーさん「お花っていいですね、


        渡す勇気はありませんが、貰うっていいですね・・・。


        二択でも、三択でも、かかって来いや!!」


ノルンさん「エリス、つえー。」


 ・ エリスねーさん さんには、

   また、次のピンチで。


   鈴木さん、タイムオーバーですが、

   ジェネシスおじさんの運気で、

   選びやすくなりました。


   選んでくださいネ。


鈴木さん「えー、うやむやになってないんだ。」


   鈴木さんは、逃げられない!


佐藤さん「ハルカさん(鈴木さん)、早く。」


鈴木さん「・・・。


     よく見たら、接近って書いてありますよね。

     ちょっと近付いて、ひょっと離れちゃえば、

     いいだけですよね?


     想い出なしに選ぶのもどうかと思いまして、

     選ばれる方にも、それでは失礼ですし・・・。


     お願い、ネコの神様、私に力を!」


  ・ では、お願いします。(ジェネシスチャンス発動中!)


  → フレッシュためぞう。

    ニュー 古蔵。

    レオクスさん。


鈴木さん「レオクスさんで、お願いします。」


 迷いの無い、鈴木さんでした。


佐藤さん「却下で。」


ノルンさん「・・・ごめん、却下でw」


エリスねーさん「花貰っといて、認めちゃだめだろ!


        もちろん、却下。」


 1対3で、

 本案は、否決されました。


鈴木さん「えーーーーー!」


 ・ 鈴木さんが一人の時に、

   また出しますので。(チャンス継続中。)


鈴木さん「あ、それなら。」


 鈴木さんに、笑顔の花が咲きました。


佐藤さん「私たちは、ずっと一緒よね。」


ノルンさん「私も、一緒にいようかな。」


エリスねーさん「それがいいよ。

        みんなで、楽しくやろうよ。」


 とりあえず、みなさんで、

 7色のお花を眺めました。


ノルンさん「マジ、レオクスさんからなの?」


エリスねーさん「乙女の希望だよ、


        夢の無いこと、言うなよ。」


佐藤さん「一本・・・ください。」


鈴木さん「わ、私にも・・・。」


ノルンさん「すまん、エリス、

      欲しい。」


エリスねーさん「こういうのって、分けていいのかな、

        でも、そこにいるからって、

        聞く勇気、ないぞ。


        みんなで、大事にしよう。

        そうすれば、きっとお花も幸せだよ。」


 みなさんで、お持ち帰ることになりました。

 結構いっぱいあります。


 ちゃんと、入浴剤も分けました。

 7種類x5個で入っていて、気が利いていました。


 送った記憶も無いレオクスさんは、

 おばちゃんたちに、笑顔を振りまきながら、

 お店のランチの仕込みをしてきた事に、

 ホッとしていました。


レオクスさん < 「あ、ためぞう君。


          こっち、ちょっと遅れそうなんで、

          準備だけいいかな?


          時間には戻れると思うから。」


> ためぞう「あ、了解っす。


       電話越しに聞こえてくる、おばちゃんたちの声で、

       なんとなく試練なのはわかります。


       任せて下さい!」


レオクスさん < 「ありがとう、いつも感謝です。」


 レオクスさんが、ケーキの次に、

 パンプキンパイを作っていると、

 セバリオスさんが、魚市場の朝市会場にやって来ました。


セバリオスさん「レオクス君、おはよう。」


レオクスさん「あ、おはようございます。」


 運転手付きのリムジンでやって来た、

 白のスーツのセバリオスさんは、

 これまた、かなりの男前です。


 レオクスさんといい勝負が出来るイケメンは、

 なかなかいないので、

 セバリオスさんもおばちゃん達に包囲されますが、

 上手いこと、かわします。


 セバリオスさんは、相当、回避力高いので、

 まず当たりませんが、立ち振る舞いがエレガントで、

 見ていて、惚れ惚れするようです。


 セバリオスさんの横に乗っていた、

 秘書的なイメージのセリスさんは、


 ラウエルさんの出店で買った、

 肉まん、あんまん、カレーまんを、

 美味しそうに食べています。


 学園の事務員さんなのですが、

 出勤時間、お構いなしに食べています。


 ちゃんと、アリス会長さんと、

 エリナ先生へのお土産も買ってあるので、

 平気です。


 パンプキンのシュークリームも買おうと、

 立ち寄りました。


セリスさん「お土産は頂くのも、あげるのも

      いいものですね。


      もぐもぐ・・・、

      カレーまん、作った人、

      天才だと思います。


      カレーパンもですね。」


 セバリオスさんは、正直者なので、

 レオクスさんに、

 エリスねーさんへ、お花のギフトを送ったと伝えました。


セバリオスさん「ああ、アリスト君(花屋のおじさん)に会ってね。

        早朝のジョギング中になんだが。


        エリスにお花送ってみたよ。」


レオクスさん「おおーー、勇気ありますね!


       いいなぁ。」


セバリオスさん「それで、レオクス君も送ってみてはどうだ?


        カタログ貰って来たよ。

        ほら、こんな感じの、

        かわいい、くまさんのイラストカード付きで届けてくれる、

        お花になるね。


        イラストはファルさんという女性が描いてたね。


        あひるさん、ねこさん、ぞうさん、きりんさん。


        いろいろ選べるらしい。


        便利だね。」


レオクスさん「おぉ・・・、これならいつの日か送れそうです。


       いつもありがとうございます!」


セバリオスさん「あと、セリスが書いた、

        『選択肢 回避マニュアル』も渡しておきたくてね。


        突然の、出来事に対する、

        対処法が、記してあるらしい。


        持っているだけで効果があるそうなので、

        名刺サイズまで小さくして、

        ポケットに入れられるようにしたらしい。


        選択のパラドックスのさらされる危険は、

        ためぞう君一人では、

        かわいそうだと、


        セリスが設定を、

        まれにランダム選択にしたらしい。


        セリスは、エリスの家に寝泊りしているが、

        どうやら、ためぞう君のおかげらしくてな。」


 セリスさんが、ジェスチャーで、

 乾杯の仕草をやっています。


セリスさん(ボンジョールノー!)


レオクスさん「ああ、ワインですね!


       実家の方になら、ワイン結構あるんで、

       空輸させときます。」


セバリオスさん「セリスが、羨ましいよ。


        エリスとの添い寝が、楽しくて仕方ないらしい。」


レオクスさん「そ、率直ですね。


       ・・・いずれ、そうなれればとは、思います。」


セバリオスさん「共に、ためぞう君を支える友として、

        今を楽しもうじゃないか。


        ハッハッハッ・・・。」


 レオクスさんと、セバリオスさんの友情の絆は、

 また一つ、高まりました。


 ためぞうのターンが回ってくるまで、

 鈴木さんの試練は、続きます。


鈴木さん「えーーーっ!」


 ためぞうの、ターンになった!


鈴木さん「ためぞうさん、いいですね・・・。」


 鈴木さんの、

 ためぞうへの好感度が、80 → 90 になった。


ノルンさん「そんなにいいのか・・・、

      ためぞう。」


エストさん「ためさんは、いいと思います。

      (具体的にまだ、ワナにかかった率 0%。)


      安心です。」


佐藤さん「学園の方はいいんですか?

     エストさん。」


エストさん「・・・。」


 エストさんは、困った!


 エストさんに、軍師の効果が発動した。


 エストさんの軍師で、

 学園に通っている後輩の一年生。

 ロングの黒髪に、清楚な感じの美少女さん。(16)


    諸葛 涼子(しょかつ りょうこ)さん曰く。


> 涼子さん「代わりに、レミルさんという、


       気品があって、エストさんにそっくりな方に、

       授業を受けていただいています。」


エストさん < 「それは、ダメー!


         そのままその人が本物になって、

         私が、ニセモノっぽくなるー!」


> 涼子さん「エストさんが、そう言われるなら、

       社会科見学ということでは、いかがでしょうか?


       エリナ先生には、すでに一番の紅鮭を送らせて頂いています。」


エストさん「それ、採用!」


 エストさんは、助かった。


ノルンさん「なんだ、そういうことかよ。


      どこら辺、見学したい?

      そうだな、一緒に道の駅ドラゴン行こうぜ。」


 ノルンさんは、エリナ先生にそういうになったと、

 連絡します。


 3年J組の教室、二時間目。


エリナ先生「そういうことです。」 


レミルさん「はい、エストさんです!」


エリナ先生「エストさん さんは、


      そういうことになっていますので、

      みなさんも、気にせず、

      授業に専念してください。


      二時間目も引き続き、

      映画の授業です。


      山本 貯蔵くん。


      先生がレンタルDVDで借りておいた、

      映画を再生してください。」


 ためぞうは、

 『スーパー ハードモード V』を再生した。


 HPが 1 になった主人公が、

 世界を救うという作品の、第五作目になります。


 映画の主人公になった気持ちで、見れます。


ためぞう「HP 1 か・・・。」


レミーアさん「当たらなければ・・・なんとか。」


サフィリアさん「(ネコさん達に、通達、

         エクサー第05号艦の防御をこちらへ、

         1億ほどまわして下さい。


         2時間、守ってみせます。)」


> ネコジャラクシー「姫さま! 了解でありますッ!!


           こちら、軌道ネコジャラクシーより、

           緊急通達。


           これより、シールドラインを連結。

           防御可能な艦艇を、

           即時、座標 テラ01に、ワープアウトさせる!」


 ヒゲが当たった。


バルマード先生「うあぁ・・・。」


 バルマード王は、倒された。


レミーアさん「ひぃ!」


ためぞう「おおぅ、ヒゲが一撃の威力なのか!?」


>> オペレーター「信号受信、

          こちら、エクスカリバー エヴォリーション VIII


          ただちに、機動防御を開始する。」


 サフィリアさんの見えない翼に、

 防御力 1億がチャージされた。


 ためぞうが、当たった!


ためぞう「うおぉ!!」


 ためぞうへの、580万ダメージを、

 サフィリアさんが、ブロック!


ためぞう「すげー!」


レミーアさん「おぉ!」


 なんとなく、エリナ先生以外が、

 サフィリアさんに寄って来ました。


 見えない翼なのですが、

 映画の雰囲気を出すのに、教室を暗くしてあるので、

 翼は、スクリーンを反射して、キラキラしてます。


 ホログラムみたいになってます。


 エリナ先生は、名簿で攻撃を叩き落しながら、

 アイスモナカ 食べています。


レミルさん「こんな攻撃を、エストさん さんは、

      絶えていたんだ・・・。


      すごいです!」


 たまたま、授業がハードモードでした。


 エストさんは、道の駅ドラゴンで、

 販売員をしています。


 教室全体が、エリナ先生のシールドで守られているので、

 外は、平穏そのものです。


 エリナ先生は、糖分をアイスモナカで補給しながら、

 映画を見ています。


 倒れたヒゲは、仕方が無いので、

 造花の内職をしている、プラチナの髪の麗人さんが守っています。

 ラジコンカーのバリアで、守っています。


 強烈な攻撃を、その大いなる翼で守り続ける、

 サフィリアさん。


 そのキラメキで、ためぞうもキラキラしています。


 ためぞうは、倒されると星になるような気がしました。


 ホーネルは、言うのです。


ホーネル「ほら、ためさん、

     マイオストの星が、今日は綺麗に見えるね。」


 映画館仕様になった教室の天井は、

 言われてみれば、あの時の星空のように、

 見えなくもありません。


 ホーネルは、ためぞうのいい友達です。


 広大な領地を、たった一人で守っています。


 (魔王のせりかさんや、他の四天王が、

  ちょっとだらしない為、

  ホーネル王子の軍が、

 『ミストレウス帝国軍所属 フォーネリア=レインハルト XXIII世 正規軍。』

  単独で、ためぞうの世界の半分を守っています。)


 そんな、ホーネルも最近、いい事がありました。


 美しく澄んだ 湖に一羽だけ舞い降りた、白鳥。


 その白鳥のように、美しい女性 スワンさん(仮)に、

 出会えたことです。


   (ゲットしたわけではありません。


    ホーネルが自領にいる間は、

    だれもその『白鳥さん(スワンさん)』に出会えない為、


    結果、最も好感度の高い(現在 好感度 51)

    『ホーネル』が選択される仕組みです。)


ためぞう「そういう事だったのか!?」


 ホーネルの恋愛ゲーム経験値は、ためぞうの100倍はあります。

 なんとなく、そうなるんじゃないかと、

 ホーネルも思っているだけです。


ホーネル「てへっ。」


 なると思います。


ためぞう「・・・なるんだ。」


 勉強になるなぁ、と、

 ためぞうの心の声を聞いた、クラスの人たちは思いました。


ためぞう「聞くなって!」


 ・サフィリアさんは、

  ホーネルさん頑張って! と思いました。


 ・レミーアさんは、その手があったか!

  と、うっかり帰国したことが悔やまれました。


   レミーアさん「その手は、憶えとこう・・・。」


 ・ローゼさんは、内職の手が一瞬止まりました。


   ローゼさん「し、しませんよ。・・・たぶん。」


 ・リンカさんは、

  それより、牛乳の奇跡を信じていました。


   リンカさん「育つハズなのです!」


 ・エストさんと入れ替わった、レミルさんは、

  しばらく入れ替わっていてもいいような気がしました。


   クマゾー「今日のエストさんは、

        プリンセスみたいじゃのう。」


   まりもん「ふんわり、ふかふか、いい香り、

        今日は、違うぜ、エストさん!」


  気付かないフリをしているだけかもしれませんが、

  周りは、結構、やさしさに溢れています。


   エストさん「気付けよッ!!」




 ためぞうの冒険、続いています。


 Cパートに行きます。


 次回、ためぞうの冒険 第二十六話 VI Cパート。


   「ためぞう、エヴォリューション!」

第二十六話 VI 「その想い、届け、タメゾー!」

2014年10月21日 12時50分54秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十六話 VI


   「その想い、届け、タメゾー!」


 あらすじ。


 ためぞうは、

 エリスねーさんの家のこたつで、

 100円を拾いました。


 ためぞうに、+100円の効果。

 ためぞうの、うかつものに+1 効果は継続中。


 冒険の準備は出来たようです。


 早いもので、10月ですね。

 朝と夜の寒暖差は、

 けっこうありますね。


ためぞう「吐く息が、白くなると、

     手のひらを温めたくなるっす。」


 ためぞうの朝は早いです。

 家で寝ている、エリスねーさんや、

 ユッキーさん、事務のセリスさんの、

 ずれた布団をきちんとして、

 三人分の朝食を準備した後、

 牛乳配達におでかけです。


ためぞう「いつの間にか、シーズンイベントを取りこぼしていますが、

     こつこつ回収して、

     いい想い出をゲットしたいと、

     浮つく心を自制しています。」


 取りこぼしたっぽいイベント例。

 ・ 渚の君 2014。

 ・ 夏の縁日、花火大会イベント。

 ・ ビーチ系のイベント。

   などなど多数。


 ためぞうは、まじめに牛乳配達をしています。

 ママチャリで、坂道も頑張っています。


 最近は、バイトに目覚めた古蔵さん(主に配達業。)に、

 時々、牛乳を配られてしまって、

 ぽかんとなることもある、ためぞうです。


 まだ、辺りは夜明け前で、人通りもまばらです。

 この時間に会う人は、

 ジョギングやってる、ファルさんや、

 おじさんくらいです。

 魚市場のノルン姐さんは、三時から働いているので、

 よく軽トラですれ違います。


 今日は、珍しくローゼさんと会いました。

 赤いジャージで、ジョギング中のようで、

 収まりきれない胸が、目の保養になるくらい揺れてます。


ローゼさん「おはようございます、ためぞうさん。

      貴方の見るべき先は、

      そんな所ではありません。


      個人的には、嬉しく思いますが、

      もっとアドベンチャー的な物に、

      興味を持ってもらいたいのです。」


ためぞう「あ、どうも・・・バレバレですね。

     いつも、お世話になっております。


     ただのためぞうです。」


 ローゼさんは、逆光になるような位置に立っています。

 朝日の照らし出すその姿は、

 きっと、神々しいまでに美しいと思います。


 プラチナの髪の美少女さんです。

 ちょっと大人びて見えますが、16才さんです。


 まだ、日が昇るには、もうすこしかかりそうです。


ローゼさん「えー、率直にいいますね。

      この想い、届け、タメゾーさん!

      的なタイトルから、

      逃げてはいけませんよ。


      とにかく、牛乳は私がきちんと配っておきますので、

      そちらの方を頑張ってみてはいかがですか?」

ためぞう「・・・。

     すまない、と思っています。


     せっかくのチャンスなのですが、

     経験値不足で、イベントが実行出来ていません。」


 ローゼさんは、

 自分に配達される用のフルーツ牛乳を飲んでいます。

 とても、美味しそうに飲みます。


 脇を、ジョギングで抜けていくジェネシスおじさんは、

 ためぞう君、青春してるな! と思いました。

 一緒に走ってるファルさん(おさげで、ローゼさんくらい美人さんです。)は、

 なんとなく、ためぞうを気に入っているので、

 ちょっぴり、ジェラシーです。


 誤解はしっかりされてる、ためぞうです。


 これも、ローゼさんの策です。


 ローゼさんは、

 ヒゲのお父さん、激ラブなファザコン娘さんですが、

 ためぞうの成長を見守っていくうちに、

 ちょっと、いいなとか思っちゃってます。


 アリス会長さんほどではないのですが、

 ローゼさんは、かなりの強敵(ライバル)です。


 何でも見通す便利な本を持っているので、

 かゆいところや、痛いところもわりと知ることが出来ます。


  全知の書(マツタケ風味。) メモ。


  ・ 一緒に住んでる、リンカさん 15才は、

    ヘンな通販にハマっています。

    変わらなければの意欲が高すぎて、

    ニセチチ疑惑の渦中です。


  ・ 一緒に住んでる、ハインさん 20うにゃうにゃ歳は、

    元弟子のためぞうを気にしています。

    エリスさんに任せてあるので、

    何も言いませんが、

    年下に手を出すのはどうかと、葛藤しています。

    スタイル抜群で、家事全般なんでも出来ます。


  ・ エストさん 16才が、

    軍師 諸葛 涼子さん(16才)を獲得しました。 知力97+3。

    ためぞうの最大のライバルになる可能性がとても高いです。

    『逆境を越える力。』に目覚めはじめた、エストさん。


  ・ 銀髪の副会長、サフィリアさん 18才は、

    競争率高めな方なので、

    ためぞうのキープ力次第で、

    ルートが消えます。

    最高のワルキューレ ヒルダさんもいます。

    お得です。


  ・ 白の王女 レミーアさん 16才は、

    隠れキャラの

    蒼のサファイア姫さん、

    紅のルビー姫さん、

    無垢のダイア姫さん達と、

    とっても仲良しさんになれる、ハーレムエンドなヒロインさんです。

    お得です。


ためぞう「・・・。

     便利ですね。


     余計、難易度が上がった気がします。」


ローゼさん「チラ見は、特別ですから。

      この本は便利なのですが、

      読むと、内容が勝手に書き換わったりする、

      扱いにくさ満載の日記帳なのです。」


ためぞう「日記なんだ・・・。」


ローゼさん「私がレベルダウンしていなければ、

      もっと賢い本なのですが・・・。


      あ、いえ、とにかく、

      心に冒険とか、抱いちゃってくださいね。


      あと、シーズンイベントは、

      タイムシフトさせれば回収可能ですので、

      良かったら、夏のビーチにでも、

      今度行きましょうネ。」


ためぞう「・・・。

     タイムスリップも出来るんだ。

     すげー。」


ローゼさん「では、また。」


 ローゼさんは、そのプラチナの髪に、

 金色の光を流しながら、

 リンカさんのパットでは表現出来ない、

 揺れをキツキツのジャージで魅せて、

 ジョギングしていきます。


 牛乳配達代行を言っておきながら、

 ど忘れする、うっかりな人でもあります。


 隙のある、可愛さと良い方向で、

 ためぞうはとらえようと思いました。


ためぞう「まずは、配達、配達。」


 ママチャリで、気合いで坂道を上がっていくためぞうの勇姿を、

 煌く朝陽が、照らしています。

 ちょっとダッシュで、配りたいところです。


 ためぞうは、

 冒険自体は、ほとんどやっていませんが、

 こっそり強くなっています。


 牛乳配達は、だいたい亀吉さん家で終わりです。

 ためぞうは、ラジオ体操の時間くらいまで、

 亀吉さんと将棋を指しています。


亀吉さん「久しぶりやけど、

     元気やったと?」


ためぞう「そうですねー、

     牛乳を毎日飲んで、配っていますので、

     わりと元気です。」


 二人は、縁側の方で庭を見ながら、

 将棋をやっています。

 朝方は、わりと冷えたりするので、

 もこもこな座布団使っています。


 ためぞうが、寒くなりましたねと言うと、

 ローゼさんは、手縫いの座布団も三つも作ってくれました。

 起毛が、綿毛のように心地よい肌触りで、

 ほかほか、ふわふわのクッションのような感じです。


 ためぞうに強くなって欲しいと願うわりには、

 過保護なところもあったりします。

 ためぞうのピンチも、結構救ってくれるので、

 かなり頼りになる、裏方さんです。


 ためぞうは、亀吉さんに角を取られました。


亀吉さん「ためぞう君、

     君が、さる高貴な家の、

     プラチナの髪の麗人とウワサになってるよ。


     女子の好感度が、下がり始める前に、

     ちゃんと会ってた方がいいよ。」


ためぞう「・・・。


     ホーネルが言わなきゃいけないセリフを、

     わざわざすいません。」


 ためぞうの親友、ホーネルは、

 すでにいくつかのハッピーモードのルートを確定させて、

 実りの秋を満喫しています。


 ためぞうは、親友のラッキーを素直に喜べる性格なので、

 アドバイザーという重役を半ば放棄したホーネルにも、

 わりと、良かったねとか思っちゃってます。


 この野心の無さが、

 ためぞうの好感度を支えています。


 エリスねーさんの影響でしょう。


亀吉さん「なるほど、

     ためぞう君は、徳で天下に、

     挑むつもりなんじゃ、ネ。」


 ためぞうは、飛車も取られました。


ためぞう「得は大切だと思って、

     ポイント貯めるようにしています。」


 ためぞうは、

 おつかいイベントを達成する度に、

 一定のポイントを獲得しています。


 イベントは、主にエリスねーさんが受注させてくれます。

 ポイント5倍、10倍デーは、

 一気にポイント獲得のチャンスです。


 最近、ノルンさん、セリスさん、エリナ先生も、

 おつかいを頼んでくるので、

 結構なポイントを獲得しています。


  ためぞうの現在のデータ。


  所持金  1600円

  ポイント 30000ポイント

  LV   93+ (LV94のクエストを達成していません。

            LV95で、マスタークラス クエストを受注できるので、


            LV94の突破クエストは、

            『決戦 四天王!』程度の達成が必要です。)


ためぞう「・・・。

     マベルや、ホーネル(魔王 四天王)は、

     進んで、勝ちを譲ってくれるだろう。


     倒してもいいマイオストは、今、いないし・・・。


     そんな勝利で、LVあがっても、

     LV95クエで、逆境だよね。」


 ためぞうは、亀吉さんに王手されて、詰みました。


亀吉さん「えらいなー、ためぞう君は。


     結束が固いなー。

     これなら、安心してラウ会長さんの娘さんを、

     託せると思うんじゃが、


     どうですかな? エリーゼさん。」


 亀吉さんが振り返ると、

 そこに、清楚な美しい金髪の女性が立っていました。


 見た目が、ラウエルさんと変わりません。

 双子のようです。

 今日のコーデで、白のワンピに、水色のリボンのようです。


ためぞう「おおぅ!」


 エリーゼさんが、もこもこ座布団に座ります。


エリーゼさん「娘が、お世話になっております。


       エルの母の、エリーゼと申します。」


 とてもご丁寧な挨拶です。

 朝の日差しが、とても美しく、

 エリーゼさんを照らします。

 見た目、17才くらいです。


ためぞう「若けーぇ・・・、

     とか、驚くまえに、ごあいさつを。


     初めまして、

     山本 貯蔵です。


     亀吉さんに師事しております。


     とても、お世話になっております。」


 エリーゼさんは、

 どうやら、ためぞうの事を気に入ったみたいです。


エリーゼさん「母娘共々、

       よろしくお願いいたします。」


 ためぞうは、混乱しています。


 うかつにも、綺麗な人だと思ってしまい、

 緊張しています。


 髪を、ふんわり愛されソバージュにしている方が、

 エリーゼさんで、

 おさげにして、活発な方を

 ラウエルさんと思うしかなさそうです。


 双子のように、似ています。


 時々、入れ替わられてたら、的なワナも、

 十分ありえると、今ならわかる、ためぞうです。


 その時です!


  ひゅっ!


 っと、吹けばわりと当たる、

 古蔵さんの惚れ吹き矢が、

 エリーゼさんに飛んでいきました。


  ピシッ!


 亀吉さんの指弾に叩き落されます。


 古蔵さんは、逃げ出した!


ためぞう「考えて、吹けよっ!!


     当たったら、どーするんだよ。」


エリーゼさん「当たった時は、仕方ありませんよ。


       それも運命だと受け入れようと思います。」


ためぞう「いいんだ・・・。


     大人だ・・・。」


 このあと三人で、

 フルーツ牛乳 秋味を仲良く飲みました。



   試練の時!


 ためぞうに、試練が発生しました。

 ラジオ体操をしている最中の出来事です。


 ラジオ体操会場は、

 早朝の寒さにも負けず、

 エリスねーさんが元気です。

 時刻は、朝の6時半くらいです。


エリスねーさん「特賞のバイク貰うまで、

        わたしの戦いは終わらないから。


        ゲットした後は、

        たぶん続けると思います。


        生活に、リズムが出来ていいですね。

        ラジオ体操。」


横のセバリオスさん「うむ、

          日頃の鍛錬は、いいものだ。

          清々しいよ。」


 清々しいエリスねーさんの方を見ています。


そのとなりのレオクスさん「いいと思います。

             輝く汗が、魅力的です。


             草原の吹き抜ける優しい風のように、

             癒されちゃいますね。」


エリスねーさん「ねえ、ためぞー。

        試練なの?」


ためぞう「・・・ぽいな。


     でも、まだ何処にも飛ばされてないのは、

     みんながいるからかな。」


 ためぞうを、デンジャイな試練へと導くワナは、

 セバリオスさんと、レオクスさんによって、

 軽くブロックされています。


セバリオスさん「この朝のひと時は、

        夜明けのコーヒーくらい、

        貴重な時間なのだよ。


        このルールに私が在るには、

        エリスがご機嫌でなければならんのだ。」


レオクスさん「ためぞう君がいないと、

       まだ私たちは、ダメなんだよ。


       エリスさんとの会話に詰まった時の、

       あの間の長さは・・・。」


セバリオスさん「同意だ。

        想いの強さが、余計に自分を無口にさせる。


        フッ・・・青春、最高!」


 セバリオスさんとレオクスさんは、

 心の中で、はしゃいでいます。


 ラジオ体操会場には、

 古蔵さんもいます。

 ネコマスクです。


 ネコのマスクの古蔵さんは、

 少し真面目に働くようになってから、

 女子に囲まれるようにもなりました。


 マスコット的な感覚で、潜り込んでいるという方が、

 正しいような感じです。


 サフィリアさん、レミーアさん、

 佐藤さん、鈴木さん、田中さん、

 マネージャーさん(サファイア姫)たちのグループで、

 ネコの配達術の話で盛り上がっています。


 魚市場の事務の鈴木さんは、

 ネコマスクの下の素顔を知っているので、

 ちょっと照れた表情です。


 古蔵さんは、素顔は相当イケメンなので、

 ただ、安易に素顔で動き回ると、

 本国に強制送還されてしまうそうです。


マスクド古蔵さん「ためぞー君、試練なの?


         行ったほうがいいよ。

         留守はまかせてね!


ためぞう「ネコの人にそう言われると、

     不思議と行ってはいけない気になります。


     ちょっと、お待ちを。」


 ためぞうは、無線を取り出して、

 アリサ副会長さんに、助言を求めます。


ためぞう < 「ためぞうです。

        試練が何なのか、見当も付かないのですが、


        なんとなく策を下さい。」


> アリサさん「あー、アレですよ。

        その想いを誰に届けるか的な、試練ですね。


        ポイントしっかり貯めてないと、

        相当な試練になると思いますよ。」


ためぞう < 「やばいっすか?」


> アリサさん「んー、こればかりは、

        恋愛経験の無い私の助言が、

        いくら600点満点の答えでも、

        不正解になる可能性があります。


        策の成功率は99%ですが、

        ためぞうさんは、その1%を引けますよね。」


ためぞう < 「・・・。

        引いちゃうんじゃないかと思います。」


> アリサさん「戦略的撤退を進言します。


        ようは、逃げちゃってください。

        『逃走者 ためさん』になるのです。


        予測される試練を、一応報告しておきますね。」


    ◇ 結果予測 99%の今後の展開。


        誰かを選んで、ルートを確定させて下さい。


      ・ ローゼさん。   = ヒゲと共に、繁栄できるでしょう。 特典 付けヒゲ。

                   きっと、天下も獲れるでしょう。

                   ふわふわの、もこもこにされます。



      ・ サフィリアさん。 = ルート1は確定ですが、

                   NEXT好感度が、1900不足しています。

                   達成すれば、新ルート発生で、

                   トゥルーエンドが待っています。


                   頑張って、シオン君に勝ってね!


      ・ レミーアさん。  = ハッピーエンドまで行けます。

                   ただ、他の姫様(ルビー姫様、サファイア姫様、ダイア姫様)たちの、

                   好感度が、上がっていない(二人、出会ってもいない。)ので、

                   CG(想い出)回収率が、最大25%で終わります。

                   ハーレムエンドを目指すなら、期が実っていません。


                   とても一途ですよ。

                   いいと思います。


      ・ リンカさん。   = 夢を叶えてあげてください。

                   かなりの奇跡とポイントが必要です。


                   本田家と同盟関係になれます。


      ・ バイトのリナさん。= ホーネルさんを倒してください。

                   ゲームで、倒す必要があります。

                   趣味が合うので、幸せでしょう。


                   毛利家と同盟関係になれます。


      ・ ユッキーさん。  = 現時点では、攻略不可です。

                   おやつは、有効です。


      ・ ラウエルさん。  = 好感度が、なんと100です。

                   ファルベリアさんのいいように、

                   遊ばれますが、

                   きっと、素敵な毎日を、

                   お花に囲まれて過ごせるでしょう。


                   ラッキーアイテム サツマイモ。

                            マツタケ。

                            サンマ。

                            じゃがいも。


                   ラウ会長率いる エレクトロニクス部門に、

                   入社出来ると思います。

                   最強の虎と呼ばれたワザも、

                   習得できそうですネ。


       ・ ファルさん。  = ためぞうさんが、

                   攻略されています。


       ・ アリス会長(姉)= ためぞうさんに、

                   いいね! が 1 付いています。


       ・ ノルンさん。  = ためぞーさん、でもいっか!

                   と思われたら、エンディングです。


       ・ エリスさん。  = ためぞうさんの、押し次第でしょう。

                   押しに弱いです。


                   セバリオスさん、レオクスさんは、

                   あんなに強いのに、

                   押し、弱いっすネ。


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> アリサさん「こんな試練だと思います。 99%ですが。」


ためぞう < 「無理w

        準備も、ポイントも足らねぇ・・・。


        おつかい、がんばろう。」


> アリサさん「そろそろ、隠れキャラな私も、

        じゃがバターとか、食べておきたいので、

        おじゃまするかもです。


        細かな話は、ゲーム中にでも話しましょう。」


ためぞう < 「ありがとう!」


 古蔵さんは、言います。


古蔵さん「試練、行かないの?」


ためぞう「いつか行きたいと思いますが、

     古蔵さんを行かせるわけには、

     いかないようです・・・。」


古蔵さん「そんなに、あぶねーの?」


ためぞう「・・・、

     もう、古蔵さんとは、会えない気がします。」


古蔵さん「配達、行ってこようかな?

     集配センターが、オレを待ってる気がした。


     さらば!」


 古蔵さんは、ラジオ体操のハンコの列に並んで、

 仕事に行くようです。


エリスねーさん「古蔵、ちょっと変わったよな。


        働き者になった? 気がするぽい。」


ためぞう「わりと、ちゃんとしてるみたい。


     ねーさん、抜かれるなよ。」


エリスねーさん「スピード勝負は、負けたくねえな・・・。


        おう、がんばるよ!」


 平和な朝の、1シーンでした。



 次回、ためぞうの冒険 II


ためぞう「お、もう、次回予告なの?」


アリサさん「尺が足らないみたいですね。

      『逃走者編』とかで、再開でどうでしょう。


      試練はなるだけ、逃げまくってくださいね。

      適当に試練とか、ぶっこまれてるだけなので、

      運が悪いと、


      ん、その先はその時にでも話しましょう。」


ためぞう「ピンチをチャンスに変える、


     そんなためぞうを目指していましたが、

     あぶないっすか?」


アリサさん「あぶないっす。


      仮とはいえ、軍師やらせていただいていますので、

      適当な助言は、いけないことだと思います。


      具体的にですが、

      ためぞうさんの特殊技能的? なワザは、

      ポイントなどなど、

      貯め系のワザが、有効なので、


      格闘ゲームも溜めキャラ使ってますよね?

      スティック 長押しで溜めて、ソニック、サマソー! とか。」


ためぞう「・・・溜めてますね。


     連打もいけるためぞうですが、

     煩雑なスティック入力は、よく間違うので、

     溜め系、好きっす。」


アリサさん「冒険のシュミレーションは、

      オンラインで、みなさんでワイワイやりましょう。


      ためぞうさんは、『ためぞうの冒険』ということになっていますが、


      私的には、『きらめき ためぞう メモリアル』で、

      いいんじゃないかと思うんですけど。」


ためぞう「ぜひ、それでw」


アリサさん「とりあえず、微妙な助言ですいませんが、

      試練は避けて下さいね。


      そのうち、攻略法の新しいのを作成して、

      メールしますので、

      安全運転で、行きましょう。


      焼きいも。

      パンプキンなスウィーツ。

      旬の美味しいものを是非、ごちそうして下さい。


      私、地味キャラですが、

      好感度上げてくれたら、愛されキャラに出世できるよう、

      女子力も上げますので、


      今後ともよろしく、お願いします。」



次回 ためぞうの冒険 第二十六話 パートII


   「愛の逃避行。 届け、ためさん!」



アリサさん「ソロでの、微妙な逃避行ですが、

      応援しています。


      おでんとかも、いいですよね。」


ためぞう「おお、

     おでん、作ってみるか。」


アリサさん「ナイス、ためぞうさん。


      では、またー。^-^」



 パートIIに続きます。

日記 9・10

2014年09月10日 23時23分49秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
こんばんは、井上です。

最近、更新が遅れがちですが、

もうちょっと遅れると思います。


体調管理がなってなくて、

夏バテしてしまいまして、

現在は、トレーニング中です。


きちんと回復してから、

ちゃんと書きたいと思っています。


設定の作業は順調に進んでいます。


CGによる画像(マップ)にしたいので、

公開は遅れますが、

最終話がだいたい決まったので、

そこに向けてストーリーを書く予定です。


DF 10 (X)

DF 11 (Y)

DF 12 (Z)


の三部作で完結します。


DF 11で、ラスボス(ファースト)と接します。

DF 12で、戦います。



DF 11のマップに配置される戦力。


ハイデス I (ワン)

ハイデス II (ツー)

ハイデス III (スリー)

ハイデス IV (フォー)

ハイデス V (ファイブ)

ハイデス VI (シックス)


ハイデスは、全て敵対していますが、

共通の敵を封印しています。


ファースト = 最も最初に限界に達した人類。

        全てが最高水準に達しています。

        このファーストを封印しているのが、

        ハイデスによる防御機構です。


        ファーストは、テラによる世界(ゼリオス)が、

        誕生する、160億年前以上前に、

        すでに、現在の段階に達している状態です。


        ファーストの人口は、六人で、

        LVは、測定不可 = ∞

        ハイデスは、LV ~999を予定です。


        彼らの作った船が、

        F(ファースト)級として存在しており、

        F XV(15)級の船 (二人乗り 全長 15m。)

        の小型艦(戦闘能力はありません。)

        を、一隻だけ、

        ダークフォースの世界は所有しています。


        ファーストが最後にロールアウトした船が、

        F Z(ゼット)級で、

        DF 12で登場します。


雑ですいません。


では、また。 ^^


 ◇ 追記

ハイデスの魔王は六人です。

彼らは、『魔王級』として扱われていますが、

それぞれの拠点の王です。


例)

ハイデスI

悠久のメイ (女性 少女(16才前後)

       戦士LV750

       ハイデス I の支配者。

       容姿は、とても美しい少女です。

       ハイデスの戦力は、

       王以外は、たいして強くありません。

       他に五人の王がいます。

       II~VIの王。)


ファースト  普通の人間ですが、

       数がとても少なく、

       男性がいないので、

       女性のみ、6人です。


       元の人口は、100億。

       現在は、わずか6人まで衰退しています。


       無敵の防御(侵略)システム F-Z機構により、

       脅威のLVを誇っています。


       中立というより、絶えない為に、

       眠りについています。


       ハイデスの王には、

       かつてファーストだった者も含まれます。


       最期の敵になる予定です。


       容姿は、この世で最も美しい、

       ということになっています。

       見るものが望む、理想の女性像に映る感じです。


では、。 ^^

第二十六話 V 「その想い、届きますように。 『代打、タメロー。』」

2014年09月02日 16時57分29秒 | ためぞうの冒険(ダークフォース セカンド?仮+未定)
ためぞうの冒険 第二十六話 V


   「その想い、届きますように。 『代打、タメロー。』」


 ためぞうには、

 ちょうどいい具合に、試練があります。

 そういう壁を、一つ一つ越えていくのもまた、

 青春だと思いませんか。


ためぞう「甘いワナの方も希望。」


 ためぞうは、亀吉さんのバッティングセンターで、

 亀吉さんと、ジェネシスおじさんの指導を受けています。

 ためぞうに、守備など教えても間に合いません、

 欲しいのは、

 ここぞと言う時の、一発です。


亀吉さん「ほんなこつは(本当は)、守備から入るとよ。

     ためぞう君はセンスはあるけど、大器晩成じゃけ、

     卒業してしまうバイ。」

ジェネシスおじさん「おじさんも、ヒットを重ねて、

    点を獲るのがセオリーと思うんだけど、あと二日だよね?

    長所を磨くしかないのかなあ・・・。」


 いいコーチに恵まれています。


 ためぞうの冒険、スタート!

ためぞう「お、おい!」


 ためぞうに宿題はありませんが、

 課題はいっぱい山積みです。


 全て解決は出来ないので、

 優先度の高い項目から解決を目指しましょう。


 風のウワサ。


・レミーアさんが、転校してしまうそうです。

 みなさんに、菓子折りを届けています。

 ためぞうの想いも届かなくなること請け合いです。


ためぞう「!?

    マジなのか・・・。

    いつ、決まったの?」

 レミーアさんは、こうなる事が、

 あらかじめわかっていた感じがあります。

 レミーアさん、積極的でしたよね?


 同じことが、ためぞうさんに出来ますか?


ためぞう「・・・。

     勇気あることだと思います。

     ためぞうは、バカ野郎です。


     チャンスをください、

     言いたいことも、

     聞きたいことも、


     たくさんあるんです。」

 バッティングセンターに、

 セリカさんがやってきました。

 カタチから入る人なので、

 出来る感じですが、素人です。


 セリカさんは、亀吉さんやおじさんにハイタッチすると、

 ためぞうに、言いました。

セリカさん「覚悟は出来てますか?」

 いつになく、真面目に言うセリカさんです。

ためぞう「お、おう!」

セリカさん「理由は、自分で確かめなさいな。

      仕方ありませんよね、

      仲間の為なら、躊躇う理由はないもの。」

 亀吉さんのバッティングセンターが、

 眩い光輝に満たされていきます。

亀吉さん「ほおお・・・。」

おじさん「素晴らしい・・・なんと美しい。」

 セリカさんから、左右に六枚の翼が見えます。

 この光輝を魅せることの出来るものは、ごく限られた存在です。


 つまり、今日は始めから『スーパーセリカさん』です。

ためぞう「おお、こんなんなってたのか・・・。」

セリカさん「時間がないので、手短に。


      急がば回れで、先回りです。

      バターピーナツ持った?

      あと携帯浄水器。」

ためぞう「おう、あるぜ!」

セリカさん「健闘とか、祈ってるよ。」


  ためぞうは、ワープしました。


 実を言うと、レミーアさんは、まだ空港でお土産買ってます。

 母国エメラルド王国の危機に、ファルさんが気を使って、

 グランザスさんを派遣してくれています。

 あっという間に、鎮圧してくれるでしょう。


 ためぞうは、二人がそんな感じで福岡の空港にいる時、

 すでに、エメラルド王国に到着していました。


 見た感じ、普通の中世の町並みです。

 立派な城や、教会、広場、まるで何事もないように平穏な感じです。

 勢いで来たためぞうですが、何をすればいいのか、

 ちんぷんかんぷんです。

 何と言っても、レミーアさんが帰ってきていません。

 グランザスさんくらいは来そうですが、

 ためぞうは、何を伝えに来たのか、ホワイになってしまいそうです。


 とても立派な町並みですが、誰もいません。

 あ、いました。

 軍隊です。 たくさんいます。

ためぞう「おおう! 来たな、レミーアさんを困らせてるヤツらめ。」

 広場を兵隊が埋め尽くすと、一人の将軍が、

 ためぞうの前に来て言います。

将軍「お味方であられるぞ!

   レミーア様の遣われし、英雄がここに!!」

兵士たち「おおおぉぉぉぉ!!」

 勝手に、盛り上がり始めました。

 どうやら、味方陣地に飛んできたようです。


 ためぞうは、状況がまったくわかりません。

 兜を脱いだ、美人のお姉さん将軍さんが、

 手取り足取り、丁寧に教えてくれます。

 兵たちの視線が痛い、ためぞうです。


 こんなん、なってます。


 ・エメラルド王国(共和国)は、

  ダイアモンドの国、ルビーの国、サファイアの国が、

  一生懸命守っていますが、

  侵攻を止められません。


 ・未知の競技、

  ベースボールで、ことごとく完敗し、

  スポーツでの平和的解決をと、

  受け入れたはいいものの、

  0勝11敗、後がありません。


 美人将軍さん(サファイアの髪の女性)いいます。

将軍「ベースボールを敗退していくうちに、

   我らも手をこまねいていたわけでありません。

   サムライの国には、野球があるそうです。


   我らは、姫様に縋るしかない身を恥ずかしく思い、

   同盟国で選りすぐりのアスリートを揃え、

   敗北を重ねながら、

   何とか、九回まで凌いだのです。」

ためぞう「もう、九回なの!?」


 兵士たちは、天を仰ぎます。

 レミーア王女の選球眼を以ってすれば、

 どんな球でも、はじき返すことは可能なはずです。


 試合は、タイムが取られており、

 闘技場をグラウンドに改築した場所で、最後の一戦に挑んでいます。


 耳を澄ますと、歓声が聞こえます。

 近いようです。


将軍さん「あ、この裏でやっていますので、

     よかったらユニホームに着替えて、

     ベンチの方へよろしいでしょうか?」

兵士たち「お願いします、大将軍!!!」

ためぞう「だ、大将軍じゃないから・・・。

     いくのは、行きます。」


 特設球場 セントラル 福岡ドーム


ためぞう「ふ、福岡ドームなの?

     そっくりだよね。

     外壁高いなーー。」


 ためぞうが、ベンチ入りしました。

 そのまま、代打兼監督に就任します。

ためぞう「ぬおー、

     いきなり重責きたー。」

 ベンチには、控えの選手がいません。

将軍さん「今の、全力なのです。」

 美人の将軍さんも、

 ベンチに入りました。

 マネージャーっぽい服装に着替えています。


 ためぞうは、スコアボードを見ます。


 現在、九回表で、味方が押さえています。

 点は、5-1

 勝負を挑んできた、全米選抜に、

 共和国チームが押されているという感じです。


ためぞう「ちょ、向こう、

     オールスターじゃん!


     てか、今までよく5点で押さえてるな。」

マネージャーさん(将軍)「はい、そうなんです。

             守備は、なんとか間に合ったのですが、

             相手ピッチャー打ち崩せません。」

ためぞう「160km投げてきとるな、

     そんなの打ったことねーよ。

     考えろ、オレ。

     ためぞう+1のオレは、

     何か出来るハズだ。」

 九回表で、4点差。

 ここを押さえても、

 次の攻撃で4点以上取らなければなりません。


 ベンチは、ためぞうだけです。


 マネージャーさんが、とても美人です。

 サファイア王国の姫将軍さんなので、

 ためぞうも、見惚れそうですが、


 まずは勝負です。


 ためぞうは、打撃力は高いのですが、

 守備はザルです。


 九回裏にならなければ、登場できません。

 ノーアウト、ランナーなし。

 全米選抜は、1番からの打順です。


ためぞう「多分、今のオレの力では、

     敗色濃厚だろう。

     しかし、

     スポーツは公正でなければならん!

     ルールを守って、

     どうやって、逆転するかだ・・・。」


 相手チームに1,2番は、スイング練習しています。

 ヘッドスピード、ものすごく速いです。

 1,2番から、長打の危険です。


 ためぞうは、ピッチャーを呼びます。

ピッチャーさん「何とか、押さえて見せます。

        王国の威信の為に。」

ためぞう「素人のオレが、監督ですまん。

     打たれてもいい、

     外野を信じるんだ。

     一人では勝てない。」

 ためぞうは、なんとなく、

 いい事言ってる感じがします。

 マネージャーのサファイアさん(仮)は、

 その言葉に震えています。

マネージャーさん「ああ・・・、

         私に、彼ほどの指揮力があれば。」

 窮地に陥っているせいもあるでしょうが、

 サファイアさんは、ためぞうを、すごくいいと思ってしまいます。

 サファイア王国に、連れ帰り、

 ためぞうを王として、その后になりたいと思わせる、

 素敵なシーンでした。


 ためぞうは、いま、『ためぞう+1』です。


 微妙に、輝いています。


 早く、レミーアさんが帰ってきて(+グランザスさん。)

 この逆境を打破しないと、

 ためぞうの方が、帰れなくなりそうです。


 サファイアさん、素敵なお姫様ですよ。


セリカさんの天の声II「がんばれ、ためさん。」


 共和国チームは、全米選抜の攻撃を、

 3失点で凌ぎます。

 ピッチャーさんは、頑張りました。

 外野も全力守備で、エラーもありません。

ピッチャーさん「すみません、監督。

        押さえきれませんでした。」

ためぞう「いや、最高だったよ。

     控え投手がいないのに、よく九回投げきったと、

     すごい感心してます。

     ちょっとほろっとなりました。」

ピッチャーさん「監督!」

 いい話です。

 マネージャーさんも、ほろっとなってます。

 ためぞうは、みんなで円陣を組みます。

ためぞう「みんなすごいよ、

     相手、プロだよ。


     胸を借りるつもりで行こうよ。」

選手さんたち「はい!」

 ためぞうは、選手さんたちをリラックスさせます。

 全米選抜は、抑えの投手が投球練習中です。

 球速は150km後半で、

 ストレート、フォーク、カーブ、スライダー、チェンジアップと、

 多彩です。


 共和国チームも、打順は1番からの好打順です。

 試合は9回でゲームセットで、延長はありません。

 最後のイニングです。


ためぞう「頼む、当ててくれ・・・。」

 ベンチのためぞうと、

 マネージャーさんは、一生懸命祈っています。

 観客席も、共和国コールです。


 そして、その観客席には、

 白いドレスを着た、レミーアさんが座っていました。

 グランさんも一緒です。

 レミーアさんは、普段の格好と違いすぎて、

 すぐにはわからない感じです。

 白の王女 に相応しい美しさと気品です。


 レミーアさんの応援 → 命中力100% の付与。


  カキーン!


 一番バッターが、ファウルです。

 ものすごい球にも当てていますが、

 前には、飛びません。


ためぞう「いいですよ!

     そう、当てる感じで。」


 10連続ファウルです。

 どんな球も、確実に当てています。

クローザー「ワオッ・・・、

      こいつあ、楽しくなってきたな。」


  カキーン!


 さらにファウルを重ね、30連続ファウルボールです。

 球威に押されて、ヒット性の当たりにはなりません。


 次の瞬間!

 ヒット性のライナーが飛びます。

 ですが、野手の正面です。

主審「アウト!」

 続いて、二番バッターが、ファウルを量産します。

 相手ピッチャーの投球数が、70を超えています。

 ですが、投手交代はなさそうです。

クローザー「マウンドは譲らねえ、

      オレが出てきたのはそういう意味だ。」

 投球数に関係なく、

 相手ピッチャーは、全力で投げ込んできます。

 勢い余って、その球が、バッターのユニフォームをかすります。

 主審は、バッターに一塁に行くよう指示しました。

 デットボールです。


ためぞう「塁さえ、埋まれば・・・。」

マネージャーさん「がんばって!」


 続く三番バッターも、ファウルの連続です。

 とにかく、当て続けます。


  カキーン!


 ピッチャーゴロです。

 三番は、全速力で一塁に気迫のヘッドスライディングです。

主審「セーフ!」

クローザー「オゥ・・・。」

 ベースランニングが迅速です。

 1アウト、一、三塁になりました。

 点差は7点です。


 全米選抜の監督が動きます。

 控えの中継ぎ投手二人が、投球練習に入りました。

 マウンドに、タイムで上がってきた相手監督は、

 クローザーに言います。

ビックボス「塁を埋めろ、

      歩かせて、前進守備で、

      ダブルプレーで終わらせる。

      凄まじいミート力だが、

      前には飛ばん。


      キャッチャーフライでもアウトは取れる。」

 クローザーは、首を横に振ります。

 いつもなら、監督の指示を拒否した時点で降板です。

 ですが、監督は、クローザーの意見を聞くことにしました。

クローザー「あいつら、一生懸命です。

      オレが手を抜くわけにはいきません。

      オレは、元、先発です。

      まだ、全然肩は平気です!」

相手監督「・・・。

     やれるとこまで、やってみろ。」

 クローザーは、首を縦に振ります。

 正直、肩を上げるのもキツイほど、全力で投げ込んでいます。

 それを顔には出しません。

 相手監督は、投球練習をやめさせます。


 試合が再開されました。


 共和国チームの4番がバッターボックスに入ります。

 選手は、試合が楽しそうな顔をしています。

 相手チームも、味方も。


 観客席のグランさんが、レミーアさんの応援を止めました。

 命中力100%の効果が消えます。

レミーアさん「・・・そうですよね、

       真剣勝負ですものね。」

グランさん「勝った負けたより、

      きっと大切なものがあると思います。

      私たちも、続きを楽しみましょうね。」

 グランさんの笑顔に、

 レミーアさんから笑みがこぼれました。


主審「ストライク!」


 全力投球してくる、クローザーの球に、

 バットを当てるのは、至難の業です。

 手元で、微妙に変化します。


 そのあと、とんでもないストレートが来ます。


主審「ストライクツー!」


 四番の選手は一度もバットを振っていません。

 二球で追い込まれました。


ためぞう「・・・信じるしかない。

     これは、勝負だ。」

マネージャーさん「はい・・・。」


  カキーーーン!!


 ホームランです。

 158kmのストレートを芯で捉えて、

 センターにはじき返しました。

 観客席は、騒然としています。

 スコアボードに3点追加されて、

 4-8になりました。


 観客席は、点が入ったことがわかると大歓声です。

 マネージャーさんもベンチで興奮しています。

ためぞう「一発が出た・・・、

     あと四点。


     だが、ランナーがない。

     アウトカウントはあと2。


     やるしかない。」

 ベンチの選手は、盛り上がっています。

 野球が楽しくて、仕方ないようです。

マネージャーさん「感激です、監督。

         十分、意地を見せられたと思います。」

ためぞう「勝ちにいこう。」

 ためぞうの一言で、ベンチは変わりました。

 その空気は、五番バッターにも伝わっています。


クローザー「完璧に弾き返しやがった、

      もう、セーブなんかどうでもいい。


      全力で行くだけだ。」

 相手チームのキャプテンが、

 マウンドに駆け寄ります。

キャプテン「お前は、最高のピッチングをしている。

      あとは、俺達を信じろ。


      楽しくなってきたな。」

クローザー「はい!」


 五番バッターが、バッターボックスに入ります。

 初球は、ストレートが来ました。


  バンッ!


 160kmの球に、バットが出ません。

 受けるキャッチャーも手が痺れています。

 さらに、上回る球威で、ストレートが来ます。


  バンッ!!


 見えません。

 クローザーの手を離れたボールは、

 次の瞬間にはキャッチャーミットにおさまっています。

 160kmを超えるスピードで、投げてきています。


ためぞう「はええな、

     ・・・相手も本気だ、

     こっちも味方を信じよう。」

ベンチの選手「はい!」

マネージャーさん「お願い・・・。」


 クローザーが、キャッチャーの指示を受けます。

 首を縦に振りました。

 フォークボールです。


 縦に落ちる球ですが、それでも145kmを出しています。

 五番はバッターは、かろうじて、

 それをファウルにします。


 観客も試合がわかり始めたようで、

 固唾をのんで見守っています。

 グランさんは、言いました。

グランさん「ベースボールは、面白いですね。」

レミーアさん「スポーツは素敵なことだと思います。

       民が興味を持ってくれたのであれば、

       相手の方々に、感謝しなくてはなりません。」


 エメラルド王国のレミーアさんは、

 学園のレミーアさんとは別人です。


 目立たないようにしていますが、

 大同盟の盟主 『白の王女』です。


 対戦は続いています。

 その後、三球のストライクが、

 ボール判定となり、

 カウントは、2ストライク、3ボールです。

 五番バッターは、

 ボールになる球は、見逃しています。

 それは、ピッチャーが一番よくわかるのです。

クローザー「いいバッターだ。

      オレの決め球は、フォーク。

      それで、空振りを取る。」

 その言葉通り、

 フォークが来ます。

 バッターは、手が出ます。

 手元で、極端に落ちる球に、

 バッターはついていけません。

 空振りです。


 ですが、キャッチャーがそのボールを取れません。

 パスボールです。

 ボールは、背後へと抜けていきます。


 共和国の選手は、この対応がわかりません。

 キャッチャーは急いで捕球に行きます。


ためぞう「一塁に駆け抜けろーー!!!」


 その言葉を合図に、バッターが走り出します。

 キャッチャーは、素早く捕球して、

 座ったまま、一塁に送球します。


 ボールと、バッターランナーが一塁を交錯します。

一塁 塁審「・・・アウト!」

 ランナーは、地面を叩いて悔しがります。

 観客席は、そんな彼を称えています。

 ためぞうも駆け寄って、よくやりましたよと言っています。


 相手チームのバッテリーは、譲られたアウトを悔やんでいます。

 クローザーは、捕球しやすい球を投げれなかった事。

 キャッチャーは、手が痺れているなどいい訳にならない事です。

 相手チームは、キャプテンを中心にバッテリーに駆け寄り、

 彼らを励ましています。


 両チーム、健闘しています。


 九回裏、2アウト。

 打順は、6番です。

 塁に出なければ、ゲームセットの状況ですが、

 6番バッターに気負った感じはありません。

 ただ、あの球を前に飛ばしたいのです。


 相手チームのクローザーは、

 球威がほとんど落ちていません。

 相手チームのバッテリーは、

 サインを再確認しています。

 先ほどの、パスボールが気になっているのは間違いありません。


 6番バッターがバッターボックスに立ちます。

 初球は、いきなりフォークでした。

主審「ストライク!」

 一度のミスを、完全に修正している感じです。

 さらに、もう一球、フォークが来ます。

主審「ストライクツー!」

 二球で、追い込まれました。

 バッターは、振りに行っています。


 相手ピッチャーの疲労は高く、

 あと30球くらいが限界でしょう。

 ファウルで粘られると、崩れるがわかっています。


 キャッチャーは、捕球時に足を閉じてまで、

 球を止めています。


 次が、ストレートなのか、スライダーなのか、

 またフォークなのか。


 読み合いが続いています。


ためぞう「バッターを信じるしかない。

     ここでの指示は、バッターを迷わせる。」

 ベンチの仲間も、意見は同じようです。


 相手監督も、バッテリーを信じています。

 落ち着いた様子です。


   カキン!


 サードゴロです。

 バッターは全速力で一塁に向かいます。

 ファーストの守備は、捕球体勢です。

 サードが、ボールを弾きます。

 地面の叩きつけられた球は、高速にバウンドします。

 外野がすぐさまカバーして、

 一塁に送球します。

 このタイミングなら、アウトです。

 外野は、かなり前進守備をしていました。


 一塁でのクロスプレーです。


 ボールは、ファーストのミットの遥か上を通過して行きます。

 送球エラーです。


 ためぞうは、回れと指示しています。

 ランナーは、二塁に進みました。


 記録はエラーですが、6番バッターは塁に出れたことを、

 とても喜んでいます。


 歓声も大きくなってきます。


 相手チームのキャプテンは、素早くフォローします。

 すぐに落ち着きを取り戻しました。


クローザー「次で決めるぞ。」

キャッチャー「全力で来いよ。」


 エストさんが、ベンチにいます。

 いつの間にかいました。


エストさん「代打、タメゾー。」


 主審は頷きます。


ためぞう「えっ!!?」


 エストさんは、野球はわかりません。

 ときどき、野球中継は見ています。

 ためぞうは、もう出るしかありません。


マネージャーさん「がんばってください!」

エストさん「ほほう、やるな ためさん。」

 エストさんは、サファイヤさんが気になっているようです。


 ためぞうは、ベンチを出てスイングの練習を少しやります。

 そのスピードが異常に速いです。

 相手選手も、そのスピードに驚いています。


 ためぞうは、スラッガーです。

 基本、ホームランしか狙いません。

 ためぞうは、本気になっています。


 ためぞうが、亀吉さんのバッティングセンターで打っていた球は、

 250kmです。

 打率は低いですが、160kmのボールを、

 今のためぞうなら見れます。


 集中力を研ぎ澄ました状態なので、

 もう、バッターボックスと、相手ピッチャーくらいしか見えていません。

 ためぞうは、ただ、

 あの高いフェンスを越える球を放つことだけを考えています。


マネージャーさん「すごい・・・。」

エストさん「応援してるよ、ためさん。」


 バッターボックスに立ったためぞうへの初球は、

 158kmのストレートです。

 ためぞうは、フルスイングします。


主審「ストライク!」


 空を切る音が聞こえるようなスイングです。

 スイングが速すぎて、その後をボールが通過しました。


クローザー「・・・。

      こんなスラッガーがいたのか。」

キャッチャー「タイミングは合っていない、

       当ててもキャッチャーフライだ。

       全力で来い。」


 二球目も、ストレートです。

 球速が160kmに上がっています。

 ためぞうには、ボールの軌道が見えています。

 ですが、身体が反応できません。


球審「ストライクツー。」


 ここで、キャッチャーが指示を出します。

キャッチャー「フォークだ。

       必ず獲る。」

クローザー「・・・チームの為、

      オレは投げる。」


 フォークです、

 ストレートとたいして変わらないスピードのボールが、

 ホームベースを通過していきます。


球審「ボール!」


 ためぞうは、球が見えています。

 打てない球には反応もしません。

キャッチャー「同じ球を続けても、意味が無いな。

       勝負するしかないだろう。

       点差がある、

       そういう事だ。」

クローザー「オレも投げてみたい。」


 渾身のストレートは、今日のMAX162kmです。

 ためぞうは、フルスイングします。


 バットが折れました。

 ボールは、バックネットに飛んでいます。


主審「ファウル!」


 観客は、何が凄いのかまでは理解出来ていませんでしたが、

 その迫力に呑まれていました。


 ルールがわからなくても、

 勝負はわかるのです。


 いい勝負をしています。


 観客席に座っている、グランさんは、

 レミーアさんに言います。

グランさん「見ていて、楽しいですね。」

レミーアさん「はい、そう思います。」

 レミーアさんは、この国では万人に公平でなければならない立場ですが、

 それが出来ないことは、わかっています。

 ためぞうの活躍を願っているのです。


 味方のベンチは、静かに勝負を見守っています。

 もう、点差の事は忘れています。

 ピッチャーと、バッターの勝負だけを、

 見つめているのです。


エストさん「たまには、いいよね。

      こういうの。」

マネージャーさん「素敵だと思います。」


   カキーーン!!!


 ためぞうは、160kmのストレートを芯で捉えました。

 弾丸ライナーがセンター方向に飛んで行きます。


 ためぞうが、全速力で一塁ベースに向かいます。

 高さが足りていません、フェンスに当たります。


 二塁のランナーはその間に、ホームインです。

 ためぞうは、素早く一塁を蹴って、

 二塁に向かいます。

 タイムリーツーベース ヒットです。


 5-8になりました。


 相手監督が、タイムを取ります。

 監督は、クローザーが肘を痛めているのを見抜いていました。

 チームの為には、

 彼に試合を託すより、

 堅実に、中継ぎ投手で勝負です。


 控え投手が、投球練習を再開しました。


クローザー「すいません、監督。」

ビックボス「いい試合だが、

      ここでお前の将来を潰すわけにはいかん。

      もう、限界だろう。


      チャンスはまた来る、

      戦いたいなら、再戦を願いばいい。


      まずは肩を休めろ。


      私は、お前を誇りに思う。

      味方を信じろ。」


 マウンドには、クローザーとキャッチャーと、

 相手監督がいます。


 投手交代を相手監督が告げると、

 場内から、クローザーの健闘を称える歓声が起こります。


 ルールがわからなくても、彼のピッチングは見事だったと、

 わかるのです。


クローザー「・・・。」


 彼は観客席に、一礼してベンチに下がりました。

 相手監督が、守備の交代を主審に告げながら、

 中継ぎ投手の肩が出来る時間を稼いでいます。


 向こうに行った流れを呼び戻す為に、

 長い間を取っているのです。


 中継ぎピッチャーが、マウンドで投球練習を始めます。


 球威はクローザーほどではありませんが、

 コントロールのいいピッチャーのようです。

 145km前後のストレートを投げています。


 試合が再開されました。

 9回裏 2アウト 二塁、

 8番バッターの打順です。


 点差は3点、

 二塁ランナーのためぞうが帰還しても、

 まだ追いつくことも出来ません。


 マウンドのピッチャーは、

 試合の流れを見ていました。

 素早く、ここで終わらせるというのが、

 相手監督の狙いです。


ためぞう「信じるしかない。」


 初球は、142kmのストレートです。

 当てさせる為に、ど真ん中に来ます。


   カキン!


主審「ファウル!」

 バッターは当てる気満々です、

 次は、125kmのカーブが来ます。


主審「ストライク!」


 空振りです。


 大きく曲がる球に、対応できません。

 素晴らしいコントロールで、ストライクゾーンを通過させています。

 振らなくても、

 追い込まれています。


ためぞう「いま、ど真ん中に同じストレートを投げられたら・・・。」


 そう思った ためぞうに、

 牽制球が飛んできます。

 セーフですが、きわどいタイミングでした。

 リードは大きくはないのですが、

 送球が正確です。

 ピッチャーは、試合が見えています。


 8番バッターは、追い込まれて気負っています。

 彼への声援が大きくなります。

 力みなぎる応援ですが、プレッシャーも増しています。


マネージャーさん「お願い、・・・当たって。」


 ベンチのエストさんは、

 8番バッターに聞こえるに、こう言います。


エストさん「きっと、当たるよ。」


   カキーーン!


 声は届きました。

 8番バッターは、147kmのストレートを、

 ピッチャーに方向に弾き返します。


 センター前ヒットです。


 8番バッターは、一塁ベースで大喜びです。


 2アウト 一、三塁、

 9番バッターの打席です。


 ベンチにいるエストさんが、

 主審を呼びます。

 監督代行です。


エストさん「代打、レミーアさん。」


 エストさんは、観客席にいる、

 白のドレスの王女様を指差します。


 主審は、彼女はベンチ入りの選手じゃないと、

 エストさんに説明しますが、

 エストさんも、説明します。


エストさん「秘密兵器です。」

主審「!?」

ビックボス「ナイスジョーク!

      選手の交代を認めよう。」


 観客席のグランさんが、

 レミーアさんの背中を軽く押します。

グランさん「貴女様は、

      この為に帰国なされたのでしょう?」

レミーアさん「・・・はい、

       そうですね。」


 ユニフォームに着替えたレミーアさんが、

 バッターボックスに立ちます。


 白の王女の登場に、

 共和国の民は沸いています。

 すごい、歓声です。


マネージャーさん「レミーア様・・・。」

ためぞう「・・・。

     すごいな、レミーアさん。」


 相手監督は、ピッチャーに全力で行けと告げます。

 ピッチャーもそれに応えます。


レミーアさん「イーグルアイ発動・・・、

       命中力補正、120%、


       当てるッ!!」


  カキーーーン!!


 白球が、センター バックスクリーンに吸い込まれます。

 目の覚めるような、強烈な一打です。


 145kmのストレートを芯で捉えた打球は、

 ライナーで、観客席に飛び込む大飛球です。


 スリーランホームランです。

 8-8の同点に追いつきます。


 先にホームインした、ためぞうが、

 レミーアさんを出迎えます。


ためぞう「すごいよ、レミーアさん!」

エストさん「やるね。」

マネージャーさん「王女様ッ!!」


 他の選手も駆け寄ってきます、

 その笑顔の中心に、レミーアさんがいます。


 レミーアさんは、不思議な気持ちになりました。

 かつては、争って合っていた人たちの笑顔の先に、

 自分がいるのです。


 この素敵な気持ちは、

 きっと、他の何物からも得られない、

 得難い物だと、感じたのです。


 この大切な人たちの笑顔を守る為に、

 自分が故郷を旅立った、

 そういう想いを、

 レミーアさんは、感じるだけで嬉しくなりました。


 エストさんは、言います。


エストさん「逆転だー!」

ためぞう「おう!」

レミーアさん「・・・そうですね!」



 次回 ためぞうの冒険 第二十六話 VI


    「その想い、届け、タメゾー!」