歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

後継者の件

2021-10-14 11:00:29 | 歴史に学ぶ人事経営論
江戸幕府を開いた初代将軍徳川家康。
その後を継いだ二代将軍秀忠と正室お江(おごう)との間に、待望の嫡男竹千代(後の家光)が生まれた。
更にその1年後、弟である国松が生まれる。

生まれつき体が弱く、おっとりし、吃音のため、会話が多少不自由な竹千代。
一方の国松は、活発でとても聡明だ。

当時、長男が家を継ぐ長子相続は確立されてなく、能力を見極める器量重視で、後継者が決められていた。
徳川家としては、大阪には、豊臣家という脅威がある。
弱肉強食だった戦国時代と同様、これから勝ち抜いて家を守っていくには、
おっとりした竹千代よりも、国松のほうがふさわしい。江戸城では、そんな空気が漂っていた。

そんな空気を敏感に察した大御所家康は、2人の孫を呼び寄せた。
並んで座る2人を見た家康は、「竹千代、これへ、これへ」
と自分の隣に座るよう命じる。
後に続こうとする国松を一喝。
「上座に上がれるのは次期将軍のみである。」
更には、菓子を勧める際、
「まずは竹千代につかわせよ、その次に国松にもつかわせよ。」
家臣たちの前で、扱いに差をつけた。
大御所である家康が、竹千代こそ、次期将軍であるという態度を明確にしたのだ。

その後、2人の母であるお江に「将軍教育の方針17カ条」という訓戒を送った。
注目すべきは、兄弟の序列だ。
「嫡男は、世継ぎとして別格。次の男子からは家来と同様である。兄よりも弟のほうが威勢がいいのは、家が乱れる原因である。」
つまり家康は、長子相続こそ、将軍家のためだと説いた。

「戦国乱世が去り、天下太平の世が訪れる。世の中を安定させるには、無用な争いを避ける必要がある。そのためには、能力よりも秩序が大切じゃ。」

かくして家康がこの世を去った4年後、17歳となった竹千代は、
名を家光と改めると、三代将軍となった。

皆さんの会社では、どのように後継者を指定しますか?


~中小企業の人事・法務担当~
関口総合法務事務所 社会保険労務士・行政書士
ALPHA FOLKS株式会社 代表取締役
関口 英樹

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