待ちに待ってたライトノベルを買ってきたのだが
俺を、そして同じく待っていたファンを待っていたのは
想像を遥かに超えたカオスであった!
まず藤原京とスーパーファンタジー文庫について説明せねばなるまい。
集英社の女子向けライトノベルレーベル、コバルト文庫が先にあり、
そこからライトノベル文化の発展に際し男子向けとして発足したのが
目にも眩しい蛍光グリーンの背表紙のスーパーファンタジー文庫だ。
だが意外とブックオフなどでも見かけないように
メジャーには一歩には及ばず10年程でその歴史に幕を引く。
そして件の藤原京はこのレーベルで活躍した作家の一人だった。
ファンタジー風味な架空西部のガンマンの話「狼シリーズ」や
悪魔憑き同士の知性派ハードボイルドミステリ「悪魔シリーズ」など
シニカルな切り口と文章はアラを気にさせないほど魅力があり
コアなファンを魅了してきたのだが何の理由か
全てのシリーズを構想半ばに筆を置いてしまったのだった。
風の噂で大学の文章の講師をしてるとか、
歴史モノの時代解説などしてる話は聞いていたのだが、
05年末に来年の1月(つまり先月)に男子向け新レーベル、
スーパーダッシュ文庫で新作小説を書くと言う情報が!
10年来の新作にファンは歓喜した。
それが
陰陽師は式神を使わない~陰陽道馬神流初伝・入門編~である。
だがこの本は恐るべき本であった。
あらすじを紹介するとどうしてもネタバレに触れてしまい、
未見の諸君に紹介するには適切でないかもしれないがあえて断行したい。
主人公、馬神太一郎は陰陽師の末裔である。
しかしマンガなどのような魔法のように術を使うのではなく
本来の陰陽師とは易で未来を予測し、人の道を読む
哲学者であり識者の役割だったのだ。
ひょんな事でクラスで盛り上がった占い談義から
美女委員長が噛み付いてくるので
諭しながら本当の陰陽についてレクチャーする。
レクチャー終了。
終わり。
終わり。
そう!この本には物語はほぼ無い!
物語どころか小説ですら無い、
対話形式の新種陰陽道の実用解説書なのだ!
なんだそれ。
京極堂が関口に妖怪と歴史のウンチクだけを
懇々と語って終わる京極堂シリーズとか想像してもらえれば分かり易い。
実際の文章量もそんなモンだし。
人の受け売りだが「魔術談義で終わるFate」って意見もある。
作者が陰陽道と言う面白い題材を見つけたので
できるだけ素材を活かそうと生のまま持ってきたのか?
それともトリビアみたいに知識欲=娯楽となり得ると言う試みなのだろうか?
むしろ藤原流のシニカルの真髄にも思えるが
どう考えを巡らせても手元に残るは本があるのみ。
ヘルズ商事のネタにはなるとは言え
俺だってファンだって普通の小説が見たかったと言えば嘘になる。
だがこの本の恐ろしさはそれに留まらなかった。
絵やタイトルで買ってつまらない本を地雷というが
この本は壮絶な地雷でありながら
結構面白く読めてしまうのだ!!
議論は呼んでも苦情は出ず。
恐るべしは藤原京。
そしてこの奇妙な風評がラノベファンに広まり、
バカゲーや珍ドリンクのように怖い物見たさで買う人が続出。
スーパーダッシュの1月の看板作品を軽々打ち破るセールスで
早々に重版が掛かったそうな。
コアなファンの伝説から
禍々しく輝くラノベ界の死兆星と化した藤原京の伝説の軌跡。
もの好きな諸兄には是非読んで欲しい所だ。
俺を、そして同じく待っていたファンを待っていたのは
想像を遥かに超えたカオスであった!
まず藤原京とスーパーファンタジー文庫について説明せねばなるまい。
集英社の女子向けライトノベルレーベル、コバルト文庫が先にあり、
そこからライトノベル文化の発展に際し男子向けとして発足したのが
目にも眩しい蛍光グリーンの背表紙のスーパーファンタジー文庫だ。
だが意外とブックオフなどでも見かけないように
メジャーには一歩には及ばず10年程でその歴史に幕を引く。
そして件の藤原京はこのレーベルで活躍した作家の一人だった。
ファンタジー風味な架空西部のガンマンの話「狼シリーズ」や
悪魔憑き同士の知性派ハードボイルドミステリ「悪魔シリーズ」など
シニカルな切り口と文章はアラを気にさせないほど魅力があり
コアなファンを魅了してきたのだが何の理由か
全てのシリーズを構想半ばに筆を置いてしまったのだった。
風の噂で大学の文章の講師をしてるとか、
歴史モノの時代解説などしてる話は聞いていたのだが、
05年末に来年の1月(つまり先月)に男子向け新レーベル、
スーパーダッシュ文庫で新作小説を書くと言う情報が!
10年来の新作にファンは歓喜した。
それが
陰陽師は式神を使わない~陰陽道馬神流初伝・入門編~である。
だがこの本は恐るべき本であった。
あらすじを紹介するとどうしてもネタバレに触れてしまい、
未見の諸君に紹介するには適切でないかもしれないがあえて断行したい。
主人公、馬神太一郎は陰陽師の末裔である。
しかしマンガなどのような魔法のように術を使うのではなく
本来の陰陽師とは易で未来を予測し、人の道を読む
哲学者であり識者の役割だったのだ。
ひょんな事でクラスで盛り上がった占い談義から
美女委員長が噛み付いてくるので
諭しながら本当の陰陽についてレクチャーする。
レクチャー終了。
終わり。
終わり。
そう!この本には物語はほぼ無い!
物語どころか小説ですら無い、
対話形式の新種陰陽道の実用解説書なのだ!
なんだそれ。
京極堂が関口に妖怪と歴史のウンチクだけを
懇々と語って終わる京極堂シリーズとか想像してもらえれば分かり易い。
実際の文章量もそんなモンだし。
人の受け売りだが「魔術談義で終わるFate」って意見もある。
作者が陰陽道と言う面白い題材を見つけたので
できるだけ素材を活かそうと生のまま持ってきたのか?
それともトリビアみたいに知識欲=娯楽となり得ると言う試みなのだろうか?
むしろ藤原流のシニカルの真髄にも思えるが
どう考えを巡らせても手元に残るは本があるのみ。
ヘルズ商事のネタにはなるとは言え
俺だってファンだって普通の小説が見たかったと言えば嘘になる。
だがこの本の恐ろしさはそれに留まらなかった。
絵やタイトルで買ってつまらない本を地雷というが
この本は壮絶な地雷でありながら
結構面白く読めてしまうのだ!!
議論は呼んでも苦情は出ず。
恐るべしは藤原京。
そしてこの奇妙な風評がラノベファンに広まり、
バカゲーや珍ドリンクのように怖い物見たさで買う人が続出。
スーパーダッシュの1月の看板作品を軽々打ち破るセールスで
早々に重版が掛かったそうな。
コアなファンの伝説から
禍々しく輝くラノベ界の死兆星と化した藤原京の伝説の軌跡。
もの好きな諸兄には是非読んで欲しい所だ。
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