米中両政府は17日、ケリー米大統領特使（気候変動問題担当）の訪中を受けて気候変動を巡る共同声明を発表した。気候変動の危機に取り組むため、他国を交えて米中が協力する方針を打ち出した。「脱炭素」に向けた具体策に関する議論を続けることで一致した。米中両国は安全保障や人権などで「新冷戦」とも称されるほど対立を深めていたが、気候変動ではひとまず協力をめざすことで足並みをそろえた。今後は具体策が焦点となる。
ケリー氏は15、16両日に中国の解振華・気候変動担当特使と訪問先の上海で会談した。バイデン政権で閣僚級高官の訪中は初めて。共同声明によると、両政府は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の履行に向けた連携を申し合わせた。22、23両日に米国が主催する気候変動サミットへの期待を示し、11月の第26回気候変動枠組み条約締約国会議（COP26）への支持をうたった。途上国での化石燃料から再生可能エネルギーなどへの移行を促す投資など国際支援を最大限にするために適切な行動をとる方針を明記した。
ケリー氏の訪中は気候変動サミット前に世界最大の温暖化ガス排出国である中国の協力を得る狙いがあった。共同声明はバイデン氏が呼びかけている習近平（シー・ジンピン）国家主席の気候変動サミットの参加には触れていない。ケリー氏は訪中にあたって中国共産党最高指導部である政治局常務委員で党序列7位の韓正副首相ともオンライン形式で会談した
（＊日経記事より）写真：ケリー米大統領特使はバイデン政権の高官として初めて訪中した=ロイター . . . 本文を読む
