白黒一家

ネコ暮らし

吐いた唾は飲めぬ

2007-01-23 20:28:55 | 徒然てヒグラシ
先日、職場の同僚が突然辞めた。
まさに、突然の出来事で唖然と困惑で見つめる私達をよそに
淡々と笑顔で去っていった。

彼女が辞めることは、私にとっては大きな事件であった。
だけど、また違う人にとってみればそれは事件ではなく
ただの退職にすぎなかった。

私は彼女が好きだった。
強い者から弱い者までみんなに平等に厳しかった。
厳しすぎて誰も彼女についていけなかった。
気性が激しかった。
喜怒哀楽では怒が70%を占めていた。
でも、厳しい中に見える優しさはとても魅力的だった。
年が下とはいえど、私は彼女を認めていた。

彼女はとても不器用で、
それはもう観ていて辛くなるほどの不器用で
手先はとても早いのに
人間にだけ、本当に不器用だった。
私はそこがとても人間らしく好きだった。
行動力もあって、手先も器用だが
人間関係はいつも円滑には廻らなかった。
仕事が出来る条件の一つがとても欠けていた。
正直、悪いところばかり見える事もあった。
でも、とても優しい一面も知っている。
だから彼女が好きだった。

そんな彼女はあらゆる人から誤解されたまま去っていった。
気性が激しい故に吐いた唾は飲めなかった。

淋しかった
ただ 淋しかった
80パーセント彼女が悪くても
誰かが彼女を必要としてあげないと
残りの20%を見て、優しくしてあげて欲しかった。

私はその時何も出来なくて、
何も言ってあげれなくて、
後悔している。
後日メールで淋しいと伝えることが出来た。
それまで知らなかった彼女のアドレス。
はじめてのメールが淋しいよという言葉だった。
それでも伝えられて良かった。