よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

君の為にクリスマスソングを歌おう

2014年12月06日 | 読書
断捨離生活に入り、本も随分減らしたのだが、どうしても
捨てられなくて全ての執筆作品を保存している漫画家がいる。

遠藤淑子さん。

決して巧い絵柄ではないのだが、台詞が素晴らしくて
折に触れて読み返す、そんな作品を紡がれる人だ。

「君の為にクリスマスソングを歌おう」
これは、戦地を舞台にしたストーリーだ。



軍の神父さんのキャラがとても面白く魅力的。

自分だけが生き残って国に帰還することに罪悪感を覚える若者ジョセフに


 そんなこと考えたってしょうがねえんだよ
 せっかく神様から頂戴した命なんだから
 大事にありがたく使用する事を考えてりゃいいんだ


と蹴りを入れる(この黒髪・サングラスのスタイルも好き)。

ジョセフから
僕たちは人殺しだ
 許されないことをしているのに なぜ正義だと言うんでしょう
 神父さん
 神様は本当にいるんでしょうか


と聴かれ

企業秘密だ

と返答。
(これは遠藤さんファンなら誰でも知っている名セリフのひとつ)

しかし、間もなく国に帰れるはずのジョセフはヘリ墜落事故に
巻き込まれ、両足を失う悲劇に見舞われる―――。



ジョセフを見舞った後、ヘリの残骸から治療に使えそうなものを
探す軍医と神父。

正直わからないんだ 神さまが俺たちに何をさせたいのか

そうつぶやく神父に

でも生きなきゃ
私達の細胞は常に生きる努力をしているよ


と答える軍医。

ああ、生きていかなきゃな

と応じる神父。


必ず心に染み入る台詞がある遠藤作品、
コメディもあり、考えさせられる場面もあり…
ふと心が疲れた時に、読み返したくなるのだ。

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