母が逝って今日で2年。昨日、弟とふたりでいろいろ語り合った。
コロナ禍でもあり、三回忌法要は行わない。
代わりに寺社での護摩供養をお願いし、私たちは墓参りをした。
2年前はかなり精神的にきつかったが、もうふたりとも「今が一番幸せだね」といえるようになった。
不思議なもので「懐かしい」「逢いたい」「もう一度あの頃に戻りたい」という感覚が、
私にも弟にもない。というか私が「昔に戻って、また介護と看取りと葬式と相続を繰り返すのはヤダ。
両親の葬式なんて一度やれば十分」といったので、弟が影響を受けているのかもしれない。
この頃、自分の人生の畳み方もよく考える。もう一度、地球生活を送りたいとは思わないから
後悔のないように過ごそうと思っている。どうやら「あれもしたかった、これもしたかった」と
未練を残すと再び転生してしまうらしい。真偽はともかく、それだけは避けたい!
古代ギリシアでは「一番幸せなことはこの世に生まれないこと、二番目に幸せなことは
すぐにこの世を去ること」と言われていたらしい(岸見一郎さんの著書より)。
インドでは「ガンジス河に亡骸を流すと、二度とこの世に転生せずに済む」と信じられている。
こうした思想があるということは、やはりこの世を憂きもの、生きづらいものととらえる人が
世界各国に存在したということなのだろう。
生きることは素晴らしい!僥倖のきわみ!楽しくなきゃだめだ!感謝しろ感謝!という
お花畑はあまり好まない。別にネガティブなわけではない。ただ、金太郎飴のような
思想の統制を好まないだけだ。
今は2年前に比べ、とても楽に生きられるようになった。ストレスも少ない。
窮地において、どう発想を飛ばすかを訓練した結果、だいぶ気楽に生きられるようになった。
それでも、やっぱり、地球生活に向いているとは思えないのだ(そしてそういう人は
決して珍しくない)。
ただ最近、無理に「適応しよう」ともがかなくなった。
向いていないなりに、穏やかにこの世を過ごしていこうと思う。
それでいいのだ。