日本の土壌中からボツリヌス毒素の100倍の効果を持つ毒性タンパクを生成するバシラス属の細菌が発見される

　日本の土壌中からボツリヌス菌の100倍の毒性を持つ毒性タンパクを産生するバシラス属の新種の細菌が東京生命科学大学の教授である阿久津秀彦教授によって発見され、3月25日付けのJornal of epidemiologyにおいて発表された。
　今回発見された細菌は発見地である茨城県の日立港から、「Bacillus Hitachi」と命名された。
　この細菌はセレウス菌に近縁で、有しているプラスミド以外は同種といっても良いものだが、その毒性の強烈さから区別の必要があるとして新種として登録された。
　細菌から発見された毒素は「フォルティッシモトキシン」と命名され、マウスとラットを用いた動物実験でボツリヌストキシンと同様の作用と100倍の毒性が存在している事がわかっており、空気中で即座に劣化してボツリヌストキシンと同程度の毒性にまで活性が低下するため、ボツリヌス菌と比べて警戒する必要はないが、プラスミドが環境中で他の細菌に導入されて毒性を持つ細菌を発生させる恐れがあるという。