定期受診日。
いつものように病院を受診。
順番になって診察室に入る。
数値的には良いようだ。
主治医から、思いがけない発言。
「6月末で退職することになった」とのこと。
退職して新しいお仕事に就かれるそう。
いつかこの日が来ることを予測していたが、今日だったとは。。
20年以上、この先生に診てもらってきた。
そして20年以上、一度も予約の日を変更したことはなくきちんと受診してきた。
先生が右手を伸ばして握手してきてれくた。
「ありがとうございました。」
感謝しかない。
ほんと感謝しかない。
最近、感じる。
出会いよりも、別れのほうが増えてきたと。
いつも、旅立つ側だった俺が
いつのまにか、残される側になっている。
以前、先生が
「いい加減、私から自立してもらわなきゃ…」と言っていたことを思い出した。
だよね。
自立するときが来たんだ。
20年間、標準値以下にならないでいたコレステロール関係の値が
最後の受診日の今日、すべて、標準値以下になっていた。
医療費を支払い、病院を出る。
当たり前だが、今日は予約券が発行されない。
あ。
20年、予約を取り続け通い続けてきた、この病院に、もう来ることはないのか。
受診後、通った本屋に寄ることも
隣の王将に寄ることも、
繁華街のデパートに寄ることも…。
妙に寂しくなってきた。
病院を振り返る。
軽く、病院に向かって、ありがとうと言ってみた。






