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7m延長したカーボンアンテナの実験結果

2022-05-05 17:41:54 | アマチュア無線

自宅に帰って早速実験に取り掛かった。10m(実際には9mほど)のカーボン竿の下に、7mの銅線をつないでRBNの数値を比較した。カウンターポイズは2mほど。前の解析ではこのくらいの線をつなげると14MHzにおける性能の改善が期待できるはずだった。

14MHzは予想通り大きく性能が改善

結果はグラフに示す通り、ここまで理論通りにいくかというくらい想定通りの結果となった。グラフの縦軸はカーボンアンテナのSNRからEFHWのSNRを引いた値なので、0より上になればEFHWよりも性能が上ということになる。C10が10mカーボンポールに直接給電、C10+7はそれに7mの銅線をつなげたアンテナの特性である。顕著な改善が見られたのはやはり14MHZで、10mの竿単体では、EFHWよりも若干信号が弱かったが、7mの銅線をつなげたことによりプラスに転じ、EFHWを若干上回る結果となった。

21MHzはほとんど変化しないが28MHzは大きく性能低下

14MHz以外のバンドでは、銅線をつなぐことによっていずれも性能が低下した。21MHzではほとんど差はなく、EFHWを上回る性能を発揮しているが、28MHzでは極端に性能が劣化した。これはエレメント長が波長に比べてかなり長くなっているため、様々な方向に電波が輻射されるようになっていることがSNRの低下につながったと考えられる。以前議論した通り、28MHzでは7m程度の長さのカーボン竿のみで良い結果が出るだろう。

7MHzはさらに性能低下

7MHzでは静電容量による短縮効果が効くために、効率よくアンテナを動作させるためにはかなり長い銅線が必要になる。したがって7m程度の延長では不十分である。さらに延長した銅線部分に大きな電流が流れるが、今回の実験ではその部分が自宅の軒下になっており、あまり効率的に電波が輻射されていない傾向があると思われる。SOTAのような場合にはこのくらいの延長銅線でも効果が期待できるかもしれない。あまり長い銅線は結局地面に這わせることなるのでアンテナ性能的には多分よろしくない。

 

今回の実験では2階のベランダにポールを設置し、延長銅線がほぼ垂直になるように配置して実験を行ったが、実際の運用ではなかなかそうはいかないかもしれないので断定的なことは言えないが、14~21MHzで運用する場合は、10mのカーボンポールに5m以上の延長銅線を接続、2m程度のカウンターポイズでの運用すればかなり良い結果が期待できるのではないだろうか。

あまり長い銅線をつなげると何のためにカーボンロッドを使っているのかわからなくなる。やはり、カーボンの軽量と強靭な機械的性能を活用して地上高を高くとることができることが最大のメリットであるはずであり、対波長で考えると比較的高い周波数帯の方がその効果は大きいことはうなずける。HF各バンドにおける使い方についてもだいぶチューニングできてきた感じがする。

 


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