少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

眼の誕生

2006-06-30 21:09:51 | その他
最近読んだ本の題名である。この本の主題は、カンブリア紀と呼ばれる約5億年前の時代に地球上の生物の進化が爆発的に進み種類が急に増えた理由についての議論である。化石などの調査によると、カンブリア紀以前の地球における生物は実に緩慢な進化しかしていなかったのに、約5億4000万年前ころの比較的短い時間に急にいろんな種類の生物が地上に現れたのだという。これをその業界ではカンブリア大爆発と呼ぶのだそうで、未だにその理由についての定説はないらしい。

学問的に真面目に細かい論証が続くのでちょっと眠くなるところもあったが、この本の著者は、カンブリア大爆発の引き金を引いたのは本の題名からわかるように、生物が眼という器官を進化させたことによると主張している。考古学的な調査によると、地球上で最初に眼を持ったのは、化石によく出てくる三葉虫なのだそうである。

ちなみに眼というのは生物的にはとても「コストのかかる」器官なのだそうで、その証拠に光の届かない洞窟の奥や深海に住む生物は、すぐに眼を退化させてしまうのだという。逆に言えば光の届くところの住んでいる動物にとって眼という器官は、高いコストをかけてもペイするくらいに有用な器官ということになる。

眼の誕生によって突然生物が進化を始めたのはなぜだろうか。本の議論を大胆にまとめると、光によりそれぞれの生物の間に強い相互作用が働きだしだしたということだろう。地球上のどこにいても降り注ぐ太陽の光は、地上のありとあらゆる物を照らし出す。眼が出来るまでは、その光は生物の表面で反射するだけでその光を受け入れる相手がなかったのである。それが眼の誕生によって、例えばまわりに恐ろしい捕食者が迫っている事がわかったり、逆においしい餌が回りにある事がわかったりするようになった。そのことによってそれぞれの生物は、自らを変えて状況に対応せざるを得なくなったのである。

この話を読んで、現代というのはカンブリア紀の生物進化の爆発的現象と良く似ていると思った。生物における眼の役割を果たしているのがもちろんインターネットである。光ファイバーを通して莫大な量の情報が行き来することによって、地球上の人々はより相互に関連するようになってきている。その結果、ものすごい勢いで新しいビジネスが勃興している。状況はカンブリア大爆発とそっくりである。この話が本当だとすると5億年前に起こった史上まれに見る大変化が5億年ぶりに今再びおこっているのかもしれない。

でも、それがわかったからといって今自分がどのような方向へ向かっていけばいいかということは、ちっともわからない。唯一言えることは、この大きな変化は一時的なものではないということだけである。だから情報の流れから身を遠ざけて嵐が過ぎるのを待ってもダメなのだ。自らも情報を発信し、外からの情報に耳を傾ける、そういうプロセスに自ら身をゆだねるしかない。もちろん、それは決してたやすいことではない。とてもコストのかかる活動なのである。

アンドリュー・パーカー著 渡辺・今西訳 「眼の誕生」-カンブリア紀の謎を解く 2006年、草思社

「気」の重さ

2006-06-29 00:02:30 | その他
ここ半年ほど毎朝体重を量っている。gooのダイエットサイトにその数値を入れるとグラフが見れる。その甲斐もあってか、最近少しやせた。そんなことはどうでもいいが、毎日体重の定点観測を続けていて気づいたことがある。

夜寝る前に体重を量って、朝もう一回計ると体重が増えているのだ。もちろんトイレにいったりすると影響するのはわかっているが、そういう条件をちゃんと考えても寝ている間に数百グラムくらい増えているような気がしてならない。マテリアルバランスを考えると寝ている間に体重が増えるはずはない。汗をかいた分だけへることはあっても。

でも確かに増えていると思う。もしかすると寝ている間に「気」を養っているから、その分の重さじゃないだろうか。そんなのに重さなんてあるわけないって?

もちろん。でも、人間の理解を超えたことってまだまだたくさんあるに決まっている。気にだって重さ、あるんじゃないの?

M56球状星団

2006-06-27 23:13:41 | 天体観測
GINJI-250D PENTAX XW-10

リング星雲のちょっと下にあるマイナーな球状星団。確か今までに一度も見たことがなかった気がする。そこは25cmの口径はありがたい。何とかその存在は確認できた。もちろんそらし目を使いながら望遠鏡をちょんちょんとつついて振動を起こすというスペシャル技連発で、何とか存在を確認。まあボオッとした白いシミが見えるだけで全く個々の星に分解することはなかった。

OⅢフィルタで見たRing Nebula

2006-06-27 23:10:48 | 天体観測
GINJI-250D PENTAX XW-10

午後から天気が回復して夜も晴天が続いた。早速25cmドブを外に引っ張り出して観望開始。

まずは木星を見たがシーイングはイマイチで何とかスケッチできたという程度。それからこと座の有名なリング星雲M57を観察。空が明るいので25cmの口径でも、そらし目でも何とか分かる程度。でもOⅢフィルタをつけると様相が一転。見える!メチャメチャコントラストが上がって見えるではないか。それでもそらし目を使いながらのスケッチだったが、輪のなかにも多少ガスがある様子などが分かった。

目の誕生

2006-06-26 22:59:53 | その他
ちょっと前にこのブログに書いた標記の本、勤務先の大田区の図書館で見つけて読んでいる。まだ全部は読んでいないが、本の主題はカンブリア紀と呼ばれる時代に急速に生物の進化が爆発的に進んだ理由を目の誕生に求めるという話だ。

ちょっと硬めの記述なので眠くなるようなところもあるが、全般に内容は非常に面白い。生物の進化において光の存在というのがものすごく大きな役割を果たしているという。

目というのはものすごくコストのかかる臓器であり、いらなくなればとっとと退化させた方がよいらしい。だから洞窟や深海で暮らす生物には目がないのだとも。

光とそれを受ける目があることによって進化が遂げられたとすると、光に人一倍興味を示す写真家や星を眺めてスケッチをする天文家は、人類進化の最先端を行っているのかもしれない。我田引水。

詳しくは全部読んでから、また。

親子参観

2006-06-25 21:41:26 | 写真
BESSA VOIGHTLANDER R3A, NOKTON 40mm F1.4
FUJI NEOPAN 400 PRESTO EI=200

親子参観で学校へ。教室の中ってなんかフォトジェニックなものがたくさんある。椅子も机も何でも写真になりそうな気がする。きっとたくさんの思い出が、僕の頭のなかにつまっているからだろう。

サイクル

2006-06-24 22:15:48 | 写真
BESSAを買った時に一緒に40mmF1.4のNOKTONを買った。大口径のレンズで撮る写真は、何と言ってもボケがいい。楽しくていろいろと撮った。夜になっても結構シャッターが切れる。それも楽しかった。

しばらくすると広角レンズが欲しくなった。GR21のような全てを写し込むレンズ。フォーカスなんて大体でいい。ちょっと絞ればパンフォーカスになった。人民大会堂や万里の長城は21mmF4.0の独壇場だった。

でも、次第に外付けのファインダーがうっとうしくなった。レンジダインダーの機動性というか気楽さが半減してしまうのだ。

いま、そのカメラにはまたノクトンが着いている。先週撮った小学校での授業参観もいい感じに撮れたと思う。

こうなると21mmはいらない買い物だったのだろうか。いやいやそんなことはない。きっとまた広角で取りたいときが来るに決まっている。いろんな波が重なり合って今という時はあるのだと思う。その波に飲み込まれるのではなく、上手くその波と付き合っていくことが大切だと思う。今は40mmF.14.そういう波がきているだけなのだ。今はそれを楽しめばいい。

最近ちょっとカラーも気になる。一時ポジの写真をだいぶ撮ったが、ちっともそんなものは撮らなくなり、モノクロ自家現像一本になっていた。でも、色もいいよね。アジサイの濡れた青紫や、街のネオン、いろんな色も記録にとどめておきたいと思う。勝鬨橋の夜景もキレいだろう。

無駄なものって何もない。全ては波の中にある。ダメであっても、それを甘んじて受け入れる勇気。それが大切なことだ。

朝顔のコマ送り撮影

2006-06-23 22:52:34 | その他
1時間おきに134時間渡って撮影した朝顔のムービーが完成した。ファイルがでかくてアップはできないけど、双葉の間から本場が出てくる様子がみごとにとらえられていた。

時間を縮めて単位時間あたりの情報量を増やすと、一見意味のない止まった植物もいろんな動きを持っていることが分かるようになる。おもしろいなあ。