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少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

Start With Why

2010-07-14 22:31:27 | その他
最近読んだ本の名前だ。著者はアメリカ人のコンサルタントのSimon Sinek。この本によるとすべからく世の中の物事には3つの段階があるという。その第一はWhat(何)というレベルで、メーカーが製造する製品とかビジネスで顧客に対して提供するサービスとか、そういう現実に存在する事柄の総称だ。これはいつも我々が見にしたり耳にしたりすることであり、誰でも分かりやすい。その上のレベルにはHow(どのように)というレベルがあるという。つまり良い製品を作るためのノウハウなどのような、前述のWhatを作りだすためのレシピをさす。そういうレシピを持った企業や経営者は、他社よりも安いコストで良い製品やサービスをうみだすことが出来ることになる。世の中の多くの企業は、よりよいHowを編み出して、市場競争力の高いWhat(製品)を生み出そうとしのぎを削っている。
 しかし、著者はそのレベルのとどまっていては継続的な成功は望めないと主張する。次々とヒット製品を生み出し続けるアップルコンピュータ、格安運賃で成長を続けるサウスウエスト航空など、一見他社と大きく異なる特別のリソースを持たない企業の成功の秘密は、それらの会社のWhatやHowではないという。そう、そこでこの本のタイトルが意味を持つ。企業にとって最も大切なのはWhy(なぜ)なのだ。

「なぜ、その製品を作るのか」、

「なぜ、そのサービスを提供するか」

といった、その企業の存在意義をしっかりと経営者が持つかどうかが最も重要なポイントだというのだ。そういう事柄がキチンと堅持されている企業の戦略にはブレがない。その製品が売れるか売れないかではなく、その企業の理念に照らして製品化を判断するからである。
 かつて強いWhyを持っていた企業の多くが、経営者の交代でHowやWhatのレベルになってしまっている例がたくさん挙げられていた。企業のWhyがなぜ上手く継承されないかというと、それは言語で表しにくい“感じる”部分だからだという。スローガンを書いたポスターを職場に貼るだけでは企業のWhyは伝承されないのだ。ここが難しいところかもしれない。企業のWhyをリードする者は、その企業の理念を信じ、その実現に向かって楽観的に突き進めるものでなくてはならない。そういう「信じる」という機能は人間の脳の中の、より原始的な部分で行われ、言語やロジックを扱う皮質の部分とは異なるのだという。企業のWhyが言葉にしにくいのは、そのためだ。
 とにかくこの本は、この三つのレベルとWhyの大切さを繰り返し書いてあり、ちょっとくどいなあという気がしないでもない。でも、自分の会社がなぜその仕事をしているかということを考えてみることも時には悪くないとは思う。