くらしのタネ


原田 晴子
やきものやる日々

お国柄。

2016-10-01 | 日記

昨今、子供達を早く寝させて夕食後仕事をすることが多かったので、

意外と早く見切りをつけて終われた日なぞは夫君と映画を観たりすることが多かった。

フランス語と英語のバイリンガルのカメ人とて、フランス映画か、アメリカ映画

なら一緒に楽しめる。夫君は基本的にドカンバタンいうアクションものがすきであるが

私はもっぱらヒューマンドラマ・コメディ系が好きである。ラブものに至っては

一緒に見ると奴は寝てしまうので、これらを借りてきたときは一人で見る。

先日手始めに借りたのは エール!! と邦題のついたフランス映画。

聴覚障害のある夫婦のムスメは健常者で、農家の家業を手伝い、娘は彼らの

通訳であり、働き手であり、頼りになる存在。そんな高校生の娘が好きな男の子

目当てに選んだクラブが合唱部。そこで本人も知らなかった才能を開花させる・・

と言った内容なのだけど、聴覚障害のある家族ながら市長選に出たり、

ならではの困難なんかも楽しく理解できて、面白かった。

意外だったのが、昔は第一線で活躍していたという合唱部顧問の教師が

選ぶ歌が今どきの高校生などが聞いただけで、え~そんな古い歌~??

とブーイングが飛んだりする。例えば 仰げば尊し 的な感じかな?

と思うのだが、そういったフランス人ならだれもが知っている古典的な

昔の歌・・・というのを夫君が普通に口ずさむ。キーはこれでもかってくらい

外れているが。

ああやっぱりフランスの植民地だったところで、この人が子供のころはとっくに

独立していたとはいえ、文化は根強く刻まれているのだなあ。と思う。

しかし。古典な歌とはいえ、歌詞に 娼婦が頬を染めるほど などという事が

出てくるのがさすがはフランス。

ともかく、娘のショウの時には、その音は正にその両親の聞こえ方の様に

音は消え、ただ観客が涙し、突然皆がスタンドオベーションで拍手をしていることで

娘の才能を知る・・・。面白い描き方だった。

家族で観られるいい映画でした。