指揮者名鑑【小澤征爾と私】

小澤征爾。
この名前を見聞きするたびに私の心は躍らずにはいられません。

何を隠そう，私がクラシカルミュージックに興味をもったきっかけは小澤征爾さんなのです。

ユーロへの通貨統合である２００２年。ニューイヤーコンサートの指揮者は小澤先生でした。
私はNHKの衛星放送を見ながら，何ともいえない感慨に襲われたのです。

それは，新年という晴れがましい舞台に世界最高峰のＶＰＯの指揮者として，同じ日本人がタクトを振っていることへの眩暈がするような陶酔感でした。
私はこのとき初めて，世界の小澤を体感できた思いがしたのです。

そして気がつけば，今まで興味のなかったジャンルであったにも関わらず，部屋でも車の中でもクラシック！という感じになりました。

ただ，考えてみると，中学生の時に父親の本棚から引っ張り出した本の中に小澤先生と数学者の広中平祐さんの共著があったこと。そして，私の親友にヴァイオリニストがいたこと。
多少はクラシックを聴こうと思える下地が自分にはあったのかなと感じています。
それは本当に幸運なことで，感謝しています。