つくばの“ド素人”音楽同好会

クラシック音楽から,邦楽,洋楽とジャンルにとらわれず幅広く語り明かす,音楽の素人さんのための憩いの場です。

棒ふり旅がらす(11)~いよいよ国立歌劇場へ

2005年12月21日 23時42分45秒 | ウィーン’05
このままだと年内にウィーン旅行記が終わらないような気がしてきた。
気が付けば,暮れも押し迫っているが,こっちの旅行記は一向に押し迫らない・・・。
ちょっとスピードアップします。
まだまだ年内に書きたいことがたくさんあるので!

さて,国立歌劇場に向かう前に雪が降ってきたのが前回までのお話。
雪が舞うウィーン。とてつもなく寒い。
この時期の旅行代金が格安の理由が肌身に凍みてよ~く分かった。
でも,シュテファン大聖堂に降る雪は,殊の外きれいでしたよ!


そのシュテファン大聖堂を北上して「アンカー時計」を見に行った。

アンカー時計とは,ウィーンの歴史上重要な12組の人物が時報と共に1組ずつ現れる時計。
そして正午のみ12組全員が登場する,ちょっとした観光名所なのだ。
現地に着いたはいいが,雪である。寒い。
その時計台の前にあったスーパーで一休み。
なぜか爪切りとかを買ってみた。

正午になると雪にもかかわらず十数組の観光客が。
順番に12体の人形がお目見えする。
6体まで見終わったところで,あまりの寒さにリタイア。

凍えた身体を温めるべく,ゲッサー・ビアクリニックへ。
要するにビアホールにビールを飲みに行ったわけだ。
そこの黒ビールのうまいこと,うまいこと。

飲みやすいのに,悪酔いしない。こんなビール日本にあるんだろうか?!
また飲みたいなあ。

店から出ると天気は回復。青空さえ見える。
「よしよし」というわけで,次はウィーン市庁舎に行くことにした。
ちょうど,この時期はクリスマス市なのだ。グッドタイミングとは正にこのこと。
それにしても雪が降っていただけあって寒さに変わりはない。

バスで行こうと,バス停で時刻表を見ていると,側にいたおじさんが話しかけてきた。
「めいあいへるぷゆー?」
別段我々は助けて欲しくなかったが,折角の好意だからと「いえす,いえす」と話を進めた。
すると,おじさん曰く,
「庁舎はこの通りを真っ直ぐ行って左に折れればすぐなんじゃぞ。さぁ行け。若者達よ!」
と,ドラクエの神父みたいな事を言うのだ。
こっちは寒いからバスで行こうとしてるのに・・・。
仕方ないから,しばらく歩いてまたバスに乗ろうと歩き出した。
しかしながら,よほど,心配だったのだろう何度振り返っても,あの親切なおじさんはこちらを見ている・・・・。
結局,庁舎まで歩いてしまったm(_ _)m


ウィーン庁舎ではクリスマス市が真っ最中。
この雰囲気はこの時期じゃないと味わえないのだから,そう考えると,少し寒さも和らぎました。
沢山の出店が所狭しと並ぶ。
それにしても,庁舎の見事なこと。
シュテファン大聖堂みたいじゃないか!

これが庁舎かと度肝を抜かれた。

OGT君はヴァイオリンを弾く天使の像がよほど欲しいらしく,行ったり来たりしながら何体も買っていた。
私もクマちゃんのぬいぐるみを買ったみた。

滞在時間は時間にすると50分弱。でも見応えは充分。
夜に来たらもっと奇麗なのになぁと,話しながらその場を後にした。


このときまだ,午後3時頃。国立歌劇場は午後7時30分開演だ。まだ時間がある。
てなわけで,休憩もかねて訪れた喫茶店がSirkだ。
ここは国立歌劇場の真横。ウィーンフィルのメンバーも常連だという。
ウィンナーコーヒー(や,メランジュか?)を飲みながらソレらしい人を探すが見つけられず。

とまあ,こんな感じで過ごしたものの,さすがに2人とも旅のお疲れが出てきた(特に私)。
ホテルに戻り,オペラまで休むことに。

それにしてもかなり強硬なスケジュール。まだ今夜は「椿姫」があるのだから盛りだくさんだ!
さて,今回の旅行記も「椿姫」まで辿り着かなかった。また明日以降に。


<OGT君へ>
それにしても,われわれはザッハートルテも食べているのだが,いつ食べたのだろう?
時系列的に振り返っているんだけどどこだったか。翌日はザルツブルク入りなので。やっぱり4日目の
どこかだよねえ。補足お願い。

棒ふり旅がらす(10)~僕とアナタとベートーヴェン

2005年12月19日 02時00分11秒 | ウィーン’05
さてさて,細切れになったウィーン旅行もやっと4日目。
今日の一大イベントは国立歌劇場で観る「椿姫」です。
この「椿姫」,日本ではチケットが手に入りませでした。
前のブログにも書きましたが,カールスプラッツ駅構内のチケット屋さんで幸運にも2枚ゲットしたわけです。
今回の日記は「椿姫」までの行程です。これがまたいろいろあるんだな。

4日目の午前中は土曜日ということもあり「蚤の市」に行きました。
あれ?どこ駅で降りったけ?記憶があやふやだぁ。
OGT君は古い手帳みたいのを買って,私に見せびらかしてました。はい。

それから一行は,ハイリゲンシュタットに行きました。
ここはウィーンの西側半分をぐるりと取り囲むような形。ガイドブックには「ウィーンの森」と書いてあります。地下鉄とバスを乗り継いで40分ほど。
ここには,あのベートーヴェンの住んでいた家があるんです。
それにしても道中はとんでもなく寒い!風が強くて強くて・・・。そろそろ雪の予感が。

そのハイリゲンシュタットではベートーヴェンが苦悩のうちに遺書を書いた家を訪れました。
外観は当時のままということで,どうぞ写真を参照してください。
この家,狭いんです。小部屋が2つあるだけ。ベートーヴェンが裕福でなかったことがよーく分かりました。隣接する小さな記念館では,エロ以下・・・・。失礼。まったく,一太郎は文化というものを
解さないですな(怒)。
交響曲第3番「エロイカ」をナポレオンに捧げて書き上げた後,彼に失望し,そのことを悔やむかのように塗りつぶした箇所のある楽譜などを見ました。この街並みをベートーヴェンも歩いたんだねと,我々
もベートーヴェン気取りで歩いてみました。
でも如何せん,寒すぎたのでウィーンに戻りました。

ウィーン市街に戻ると市立公園へ。1862年にリングに沿って細長く造園された英国式庭園です。お馴染みのヨハン・シュトラウス像,ブルックナー像,そして生粋のウィーンっ子シューベルト像を前にして記念撮影してきました。
うーむ。これがブルックナーか。
なーんてしてたら,ついに雪が舞ってきました!

さてさて,続きは明日に。「椿姫」まではなかなか辿り着かんな,これは(苦笑)



棒ふり旅がらす(9)~大野和士・ウィーン放送響見参!

2005年12月15日 21時01分20秒 | ウィーン’05
久しぶりにウィーン旅行記が復活です。
皆さんお付き合いください(笑)

前回は小澤・ウィーンフィルに感激した話で終わりました。
今回はその続き。

ウィーンフィルのゲネプロに大変満足した私達は,楽友協会を後にした。
身を切るような寒さは相変わらずだ。
近くのバイキング形式のレストランに入り,食事をした。
もちろんビール付きで。

ウィーンでは,とにかく朝から晩までビールを飲んだ。
スーパーに行くと分かるのだが,ミネラルウォーターとビールが同じ値段なのだ。
銘柄によっては水より安く,ロング缶で100円そこそこなのだ。
そのとき私は思った。「あぁ。ウィーンに永住したい」と。

というわけで,水代わりにビールを飲んだのは当然の成り行きであった。
ビールを飲んで,外に出ると冷たい風で酔いが冷めて,だからまた飲む・・・・。この繰り返し!

今日の予定はまだ終わらない。食事をしたら,大野和士さん指揮のウィーン放送響を観るのだ。
しかも会場は楽友協会。
同じ日に2回も楽友協会でコンサート。なんて贅沢な。

チケットはすでに手配済みだから,余裕で楽友協会へ。
ホワイエでぶらぶらする。
ワーグナーやモーツァルト像があり,記念撮影なんかしてノンビリ過ごす。

お客さんにも日本人が多く見受けられ,着物姿で気合いの入った女性もいた。
OGT君が,
「ウィーン・フィルと間違えて聴きに来る人もかなりいるはずだぜ,むはははは」
と高笑いしていた。
確かに,私もそのクチだった(笑)

さて,会場にはいるとやはり感激はひとしおだ。
楽友協会の座席に座る私・・・・・。
楽友協会で音楽を聴く私・・・・・。
楽友協会で「ブラボー!」と叫ぶ私・・・・。
うーん。ここでは何をしても画になるなぁ。素晴らしい!

曲目はストラヴィンスキーの「火の鳥」。
これって,今年の宮崎国際音楽祭でシャルル・デュトワの指揮で演奏してましたよね?
確か1919年版。

ツアーのオプションなのか,日本人も座席を占めていた。
が,彼らの多くははどうやら楽友協会を自分の部屋の寝室と間違っているようだった。
周りが騒がしい,休憩の時ですら寝ているのには呆れを通り越して感心した。
ある団体は全員夢の中へ。全滅であった。
全くもう!と,自分を棚に上げて言ってみる・・・。

とにかく「火の鳥」は音がうるさいぐらいにバカスカ鳴り響いていた。
うん。感想はこれくらいで。後は相棒の補足を待ちますm(_ _)m


それにしても,クラシックを愛好するようになって1年と半年。
ついにここまで辿り着いたかと感慨深い1日だった。

そしてウィーンでの音楽の旅はまだまだ続く。
明日は朝からベートーヴェンの生地を巡るのだ。そして国立歌劇場でオペラ鑑賞。
もはや,何本飲んだかわからなくなったゲッサービールを飲み干し,寝床についたのでした。

棒ふり旅がらす~(8)小澤・ウィーンフィル見参!

2005年12月05日 22時31分36秒 | ウィーン’05
私事だが,うちの妹についにフレッツ光の環境が整ったようだ。
兄の12Mをあっさり抜かされて羨ましい。おめでと(^^/

さてさて,小澤・ウィーンフィルのゲネラルプローベに間に合うか間に合わないかの攻防の中で,とにかく楽友協会へ早足で向かったのが前回までのお話だ。

我が相棒は途中の道すがら,「あれ?ここはどこだ?!」などと急に弱気なことを言い始めるし,どうしたものかと思った。
なんとか楽友協会に辿り着いたときはほぼ定刻。
せわしなく,立ち見席に向かおうとすると,若くて髪の毛がクリクリした係員が私のリュックを指さして,「クロークへ行け」と言いやがるのだ。
「こ,こいつは・・・。時間がないというのに!」
仕方なく,焦りながらもクロークへ荷物を預ける。このときの私の気の動転たるや,筆舌には尽くしがたかったですね。
とにかく,はやく見たい!と。

さて,晴れて立ち見席に向かう。だが,これが階段が長くて,上ると大変なのだ。
行けども行けども階段。楽友協会には体力も必要だと痛感する。ふう,疲れた。

ついに,あの楽友協会へ足を踏み入れる瞬間です。
「おお!豪華・・・」
あの楽友協会に今,私が立っているのです。感動!
と,言いたいところだったのですが,足は痛いし,息が切れてぜぇぜぇしてました。お恥ずかしい。
立ち見席にはすでに数十人の聴衆が。すでに前列は占められている。

いやあ,それにしても楽友協会ですよ。
私はかなり浮かれていました。
壇上にはすでにウィーン・フィルのメンバーがいるんです。
「うれしい。ウィーン・フィルだぁ。生まれて初めて見たよお」とぶつぶつひとりごと。
会場内はアットホームな雰囲気で,楽団とお客さんが気さくに話している。
たぶん,あれは親子代々の会員券を受け継いでいて,メンバーとも家族的な付き合いをしているに違いない。
岩城先生の本で読んだことがある。間違いない!


プログラムも購入していざ,マエストロ・小澤を待ちます。
すると,小澤先生登場です。
ウィーンで小澤先生の指揮を,しかもウィーン・フィルで聴けるなんて!!!
曲目はブルックナーの9番です。さぁ!準備はOK。

小澤先生の腕が振り下ろされて,ウィーン・フィルの音が鳴り響く・・・・。
これがウィーンフィルか。

感激した!

ウィーンに来て本当に良かった。
こんな幸せが,いままであっただろうか!!!
当然かもしれないけど,壇上から受ける小澤先生の雰囲気が水戸室内管弦楽団とは違う。
私はすでに,足の痛みも忘れて,演奏に夢中になっていた。

第2楽章のデデデンデンデンには参った。
私がCDで聴いていたのよりも断然良かった。身体がというか,時間が止まった。
あのタイミングと,あの音たるや。

OGT君に言わせると,第3楽章により感銘を受けたと後で語っていた。
恐らくそれが正しい見方なのだろう。しかし彼は間違いなく第2楽章の途中で
「オメェ,足が痛ぇよ」
と後ろに下がったことを忘れてはイケナイ。

あっという間に,夢のような90分は幕を閉じた。素晴らしかった。
私が感動したのには実は,もう一つ理由があった。
私が一度お話しを聞かせていただいた音楽家の方がウィーンを訪れたとき,やはり楽友協会でショルティの指揮で見たと。
しかも,立ち見席で。そして,とても感動したと。
指揮者こそ違えど,私も同じような体験ができたかな?!それがとても嬉しかった。

まあ,そんなこんなで,OGT君のお骨折りもありウィーンで小澤先生とウィーン・フィルを拝謁することができたのは,存外の喜びであった。
や,私のわがままにお付き合いいただきありがとう。
この場を借りて,お礼をする次第なのです

棒ふり旅がらす~(7)ウィーンの街を散策する!

2005年12月04日 23時03分13秒 | ウィーン’05
さてさて,やっとウィーンも3日目です。
いやぁー。我ながら長いですなあ。

本日,天気はそこそこ。まあ薄曇りです。
ウィーン市街をぶらぶらと歩きました。

ウィーンの中心街を通るケルントナー通り。国立歌劇場から北上すると,さまざまな観光名所があります。
そればかりか,カジノがあったり,東芝EMIがあったりと。
おっと,国立歌劇場の側で学生デモが!
警察が取り囲む中,ビラがあちこちに散乱。あれほどちらかっていたのに,夜に通ったときには何事もなかったかのように
きれいになっていたのには驚き。1枚だけ遠目から写真を撮って,足早にシュテファン大聖堂に向かいました。
シュテファン大聖堂は800年の歴史を誇る正にウィーンの顔。身廊の長さは107m。高さは39m。
教会の厳粛な雰囲気にしばし聖堂内で立ち止まる。

お次はシュテファン大聖堂から斜めに入ったグラーベンをぶらぶらと歩く。
ウィーンを代表するポスト・モダン建築家ハンス・ホラインの手がけたハース・ハウス。
そしてペスト記念柱,これは10万人もの命を奪ったペストの終焉に感謝して1693年に建てられたという。



次いでミヒャエル広場。ミヒャエル門。


そして宮廷銀器コレクションの博物館・・・・。
休む間もなくシシィ博物館。
いやぁ。いろいろまわってるなぁ。

ヘンデル広場へ抜けて,カール大公騎馬像にご挨拶。寒いですねぇ。

マリア・テレジ広場へ移動して,美術史博物館へ移動。


いやいや,この博物館の大きいこと。中のカフェーで一服。豪華絢爛な内部です。
ブリューゲルの本物の,本物の,本物の(←しつこい)絵画を鑑賞。
個人的には「王女マルガリータ・テレサ(ヴェラスケス)」に大変な感銘を受ける。

と,ここで大切なことに気が付く。
15時からウィーンフィルのゲネラルプロー“ベ”ですよ!(笑)
「おぅ!オメェよ。ゆっくりしすぎたぜ。間に合わないかもしれねえぜ」
何と言うことを言い始めるんだ!

「な,な,な,なにぃ~!!!」
もし間に合わなかったから,どーしてくれようかと悲嘆にくれながら,私達は足早に楽友協会へ向かうのでした・・・

棒ふり旅がらす~(6)ついにカラヤンとの遭遇へ

2005年12月01日 21時15分26秒 | ウィーン’05
いつになっても2日目が終わらないなあ,と職場の同僚に言われてしまった。
でも,まだ2日目なんです。ご勘弁を。

さて,椿姫のチケットばかりか,ウィーンフィルまで手に入れた私たちは意気揚々。
肩で風切って,街を散策することに。
すると,相棒がふと立ち止まり私を呼び止めた。

「おぅ。オメェ,これはカラヤンの店じゃねぇかよ!」

楽友協会と国立歌劇場のちょうど中間くらい。
なんと,‘カラヤンセンター’なるお店を発見。
カラヤンのCDとグッズのお店なのだ。

いやあ。よく見つけてくれましたよ。
私なんか,ウィーンフィルのチケットゲットで興奮しすぎて,気が付きませんでしたもの。

店にはいると,いがいとこぢんまりとしている。小学校の教室くらい。
入って右にグッズ。左にCDの数々。

CDは値段的に日本のそれと変わらないか,それ以上。
早々にCDは諦め,グッズ売場へ。
カラヤンのポスターや,ボールペンがある。
うーん。こんなの日本じゃ買えないよなあ。

ポスターは輸送時の問題で泣く泣く断念。くしゃくしゃのカラヤンなんて見たくないもん!
とりあえず,なけなしの財布をはたいて数点,購入。
ちょっぴり,カラヤンのことが好きになりました(笑)
写真はお店の前の歩道に埋め込まれた,カラヤンの敷石です。

カラヤンの紙袋をひっさげて,帰り際にビールをしこたま買い込んできた。
部屋に戻ると,冷蔵庫が使えないことに気が付く。
でも,外に出しておけばいいだけのこと。
30分も置けば飲み頃です(^^)

偉大な作曲家達に,偉大な指揮者。そんな光景が街中に溢れているのがたまらない。
ウィーンバンザイ!

※そして,この後に下で書き込みしたフォルクスオーパーへ。
 長かった2日目もこれでお終い。さあ,明日はついに楽友協会です!!

棒ふり旅がらす~(5)ムジークフェラインそしてカラヤンへの旅

2005年11月30日 21時42分45秒 | ウィーン’05
いつになっても2日目が終わらない。

中央墓地を後にして,我々は再びウィーンの街へ戻った。

「何となくオメェの音楽教育は貧しそうだから,いいところに連れてってやるよ!」
と,OGT君は寒風の街中を歩いていく。歩くこと数分。脇道に入る。

「イヨーッ!これがムジークフェラインだぜ!」

黄金に輝く,それでいて歴史を感じずにはおれない建物がある。
な,なんと私の目の前にはムジークフェラインが!
「ぎゃぁおー!」私は歓喜の声をあげました。

ムジークフェライン。
つまり,楽友協会ではないですか!!

年の初めのウィーンフィル演奏のニューイヤーコンサートは,正にこのムジークフェライン(楽友協会)
から生放送されているのだ。会場の中は黄金色だ。

今まで本やDVDで何度となく見ていた,“楽友協会”にしばし呆然・・・。
あのクライバーも,アーノンクールも,レニーも,カラヤンだってここに立っていたんだと。
書いてるだけで目頭が熱くなってきました(^^

これから行われる予定演目のポスターまでもが壁面で金色に輝いている。
「あぁ。金色のポスターだ・・・。ぶらぼー」とかいいつつ,更に眺めると・・。

ウィーンフィル・小澤先生キター━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!

しかも,その上には大野和士さんのウィーン放送響まで。
ウィーン放送響はチケット手配済みです。明日見ます。

でも,私は急に不満になりました。
「やい。音楽教育が貧しいっていうなら,ウィーンフィルでも見せてみやがれ!」
と,友をけしかけ,協会内のオフィスにはいってみた。

小澤征爾指揮,ウィーンフィル。
楽友協会を目の前にして,見ない手はないではないか!!!!!

OGT君の拙い英語で聞くところによると,向こう側のブロックの事務所に行ってみろということらしい。

そこまでしてくれれば次は私の出番だ。
事務所に直行すると,私はおもむろにカウンターの若い男に向かって,流暢な英語で切り出した。

「あ,あい うぉんと。ちけっと。とぅばい。せいじおざわ。いえす。ういーんふぃる。ゆー。のう。」

とにかく,小澤先生のチケットが2枚欲しいのだ。

若い男は,あまりに堪能な私の英語力に哀れみの表情を浮かべると,キーボードをたたきゴニョゴニョ言っている。
どうやら,明日のゲネラルプローゼの立ち見で良ければチケットがあるぜ,と言っているようだ。

「り,りぁりぃ?! おー。わんだふる。びゅーてぃふる。ゆきがふる! とぅばい ぷりーず」

この男の気が変わらないうちに買わなければ。私の目は血走っていたに違いない。

値段を聞いて驚いた。10ユーロだとのたまうのだ。

10ユーロ?
まさか!そんなに安いわけはないじゃないか!
私は100ユーロの間違いではないかと思ったが,どうやらそうでもないらしい。
しかも,それが2枚での料金と分かったときは,身体が固まった。
さすがウィーン。音楽の都。

5ユーロで小澤が魅せるウィーンフィル。

ついにチケットを手に入れた。あー楽しみ。あー幸せ。
明日は楽友協会でウィーンフィルとウィーン放送響です!

※ついつい書きすぎてカラヤンの話まで辿り着きませんでした。
 また明日・・・(笑)





棒ふり旅がらす~(4)中央墓地に行く!

2005年11月29日 22時54分57秒 | ウィーン’05
ウィーンの写真をデジカメで見ていたら大変なことに気が付いた。
フォルクスオーパーの前に中央墓地に行っていた!
さぁ大変。早速そのことについて・・・。

中央墓地とは,とんでもない墓地なのだ。
簡単に言うと「大作曲家たちが寄り添って眠る墓地」なのだ。
驚くなかれ,ベートーヴェン。モーツァルト。ブラームス。シューベルト。ヨハン・シュトラウス親子。スッペ。などなど。

ウィーン中心街からトラムの71番に乗って,乗り過ごしながらも到着。
それにしても風がものすごい・・・・。
鼻をずるずるしながら中央墓地周辺を散歩(迷うとも言う)した。
寒い寒い。


さて,とにかくこの墓地は広大なわけだが(240ha),入り口にほど近い32Aという区画。
ありましたよ。ベートーヴェンのお墓が。
私としてはそれぞれの墓に深い感銘を受けました。
あのベートーヴェンのモーツァルトのブラームスの・・・・。
そう考えるだけで胸が一杯。

ちなみに写真中央がモーツァルト。
右にシューベルト。
左にベートーヴェンです。

ブラームスのお墓の前では共に献花を。

つい,交響曲2番を口ずさむ私でした(^^)v

棒ふり旅がらす~(3)さぁ!フォルクス・オーパーへ

2005年11月29日 00時55分41秒 | ウィーン’05
すでにウィーンの街は寒くって,いまにも雪が降りそうです。
「椿姫」のチケットを手に入れたその日。今夜の最大のイベントはフォルクスオーバーでの「カルメン」鑑賞です。

フォルクスオーパーとは,1898年に開場したオペラはもとより主にオペレッタを上演し続けてきた劇場です。
ウィーンからは地下鉄U6で20分くらい。

建物からは時代の重みが。
中にはいると,意外と狭い。
ノバホールよりも狭そう。でも階層があるので人は入っている。

こちらにきて知ったのだが,クロークでチップがいる。
1ユーロ(だいたい150円)にも満たない額だが,小銭を用意するのに気を割かないといけない。
そっかー。サントリーホールには感謝しないと(笑)
プログラムも劇場内のスタッフから買う。だいたい2ユーロくらい。
ついに小銭を切らしてしまい,迷惑だよなあとは思いつつお札で購入・・・・。

さて,カルメン。かなり良い席で見ることに。
い,いかん。旅の疲れで睡魔が・・・・。(←またかよ!)

聴き慣れた例の音楽が鳴ると元気になって,それが終わるとまた睡魔が・・・・。
OGT君いわく「あの演出は斬新だねえ!」
私「ふぁ?!」
と終演後の会話はほとんど噛み合わなかった。

でもいいの。フォルクスオーパーに私がいたという事実は変わりないのだから!
あの少し薄汚れた壁と,休憩時の雑多な雰囲気は忘れられません。

棒ふり旅がらす~(2)ウィーンの街へ!

2005年11月27日 20時50分04秒 | ウィーン’05
さて,ついに念願のウィーンの街です。
ここで,私の相方を紹介しないと。
このブログではお馴染みのOGT君が今回の旅の指南役です。
ウィーン経験者だから,頼りっぱなしです。

地下鉄を乗り継いで辿り着いたのは,カールスプラッツ駅。
市内の公共交通機関は主に6つ。
地下鉄、市電、バス、Sバーン(快速電車)、郊外電車(R)、バーデン線。

72時間フリーパスという便利なカードがあるので,公共交通機関は乗り放題です。
便利だった~。

で,駅を降りていきなり左手に国立歌劇場です。
「ひぇえ~。本物だぁ!」
私は感動しきり。
小澤先生が音楽監督を務める国立歌劇場・・・・。
写真でしか見たこと無いのに,いきなり本物が!
今宵の演目は「サロメ」でした。

残念なことに,歌劇場のチケットは日本で手に入りませんでした。
でも,目の前にしてしまうと,何とかチケットを手に入れて見たくなりました。はい。

とりあえず,その後にウィーン市内の半日観光をしました。
日本語通訳でとてもわかりやすい案内でした。
モーツァルトの像。
おお。ゲーテの像もある。
シェーンブルン宮殿も見ました。

この時点ですでに私は留学生の気分。
気分は高揚したまま,「チケット取ろうぜ!」と国立歌劇場のチケットを探すことに。
希望演目は「椿姫」。
でも,チケット売りの人が言うには「全席売り切れだよ。今,ウィーンで2番目に確保が難しい演目だね」とのこと。
ちなみに一番入手困難なのは小澤・ウィーンフィルだって。それも欲しいんだけどなあ・・・。

しかし,ダメもとで足を運んだチケット屋さんに席は離れるけど「椿姫」,2枚だけありました!!
値段も関係なく「とにかく売ってください!」と入手!

やったぁ~。
現地で探してみるのもいいよ,と出発前に教えてもらっておいて正解でした。
さあ,これで国立歌劇場で見る最初のオペラは「椿姫」に決定です!

さ,さ,お祝いにビール飲も。ゲッサービールだ,わっしょい,わっしょい!