つくばの“ド素人”音楽同好会

クラシック音楽から,邦楽,洋楽とジャンルにとらわれず幅広く語り明かす,音楽の素人さんのための憩いの場です。

指揮者名鑑【小澤征爾と私】その2

2005年02月14日 22時01分04秒 | クラシック
小澤先生と大江健三郎氏の共著『同じ年に生まれて』を読んでいるところだ。
先日,ブックOFFに行ったとき100円で売りに出されていた。
あまりの不当な安さに,私が救出してきた(笑)

前半部分はお互い遠慮しいしいの会話だったが,後半になるにつれて面白くなってきている。

まず,今年で70歳になるお二人(題名のとおり同じ年生まれ)がいまだに現役の第一線で頑張られていることに深い敬意を表したい。

この中で,小澤先生は音楽のダブルスタンダード(世界と日本での二重評価)を恐れるとして,日本人の音楽が「世界のスタンダードと同じなんだよということが当たり前の世の中を早くつくらなくちゃいけない」と言う。
そして,自分には「音楽家,あるいはオーケストラのメンバーとして食えるという夢を実現するような状態をつくる責任がる」と言い切る。

話は日本人としての小澤征爾にまで及び,世界各国を席巻した後も「その次の瞬間には日本のことを考えている(中略)日本から一回も気持ちが離れていない」と語るのだ。

“世界のオザワ”として十二分な地位も名声も獲得しながら,この衰えを知らぬ決意は何だろう。

私は,小澤先生の言葉に胸が熱くなった。
小澤先生とその音楽を,同時代に生きる者として過ごし,体感できるだなんて素晴らしい!
そして,小澤先生と自分が同じ日本人であることを嬉しく感じた!


自分が日本人であることの喜び,同じ日本人として抱く憧れはそんな時に自然と湧き出でてくる。
それは決して法や制度で強制などできやしない!!

やっぱり私は小澤先生が大好きなのである。