シニアの一人たび

神奈川県大和市の歩行者専用道を紹介したHPを開設してます。
「歩行者専用道」を中心に「北米の旅」、「飛鳥Ⅱ」も併設

BSデジタル「周波数の活用を」

2006-07-16 10:45:33 | IT関連ニュース
  多チャンネル化への道/総務省研究会
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 総務省の「衛星放送の将来像に関する研究会」は14日、BS(放送衛星)デジタ
ル放送について、現行方式より効率的にデータ圧縮や伝送ができる技術を活用し、
周波数の有効利用を進めるべきだとの報告書案をまとめた。新技術を使った放送方
式の導入で、民間事業者の参入意欲次第では、BS放送の多チャンネル化が進む可
能性もある。

 BSデジタル放送では、BSアナログ放送の終了や、追加の割り当てによって新
たに放送に使える周波数があり、その活用法が課題となっている。研究会は、新方
式では技術的に現行方式より約2~3倍の周波数の効率化が可能だとして、新方式
に対応した受信機の開発・普及に努め、周波数の有効利用を進めることを提言した。
地上波とBSのアナログ放送が停波する2011年に、新方式の放送を始めるのが
適当だとしている。

 研究会の報告を踏まえ、、総務省は今後、BSデジ放送への新規参入計画の提案
を募る方針。参入を容易にするため、BS放送局への出資比率などを規制するマス
メディア集中排除原則の緩和も検討する。
                      (2006.07.15 朝日朝刊/経済)

哺乳類の新種確認

2006-07-15 15:20:53 | 生物学
  国内8年ぶり「トクノシマトゲネズミ」
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 鹿児島県の徳之島に生息するトゲネズミが新種であることを、京都大霊長類研究
所の遠藤秀紀教授(哺乳類学)らの研究グルーブが突き止めた。「トクノシマトゲ
ネズミ」と名付け、日本哺乳類学会誌に論文を発表した。国内で、新種の哺乳類が
確認されたのは8年ぶりだ。

 「トゲネズミ」と総称されるのは、徳之島と奄美大島、沖縄本島にすむ日本固有
のネズミだ。尾を除く体長は15㌢ぼどで、背中の毛が硬いことが特徴。国の天然記
念物に指定されている。
 遠藤さんによると、三つの島のトゲネズミは以前は同じ同じ種と見られていたが
、90年ごろの研究で染色体数に違いがあることがわかった。すでに奄美、沖縄の
トゲネズミは、異なる種として扱われている。

 徳之島のトゲネズミは捕獲数が少ないことなどから研究が進まなかったが、今回、
米国にある標本も使って分析した。奄美や沖縄のものより体が大きいことや、頭骨
の形の違いなどから、新種であると判断された。
 国内で新種の哺乳類が確認されたのは、98年のヤンバルホウヒゲコウモリ、リュ
ウキュウテングコウモリ以来となる。
                     (2006.07.14 朝日夕刊『科学』)

香辛料に放射線照射OK「殺菌で風味損なわないから」

2006-07-15 09:15:12 | 生活関連ニュース

  原子力委が報告書案
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 国の原子力委員会の食品照射専門部会は13日、香辛料の殺菌に放射線の利用を認
めるべきだとする報告書案をまとめた。一般からの意見を募った上で正式決定し、
今秋にも厚生労働省に検討を求める。食品への放射線照射は食品衛生法で原則禁止
されているが、ジャガイモの発芽防止に限って例外が認められている。香辛料で許
可されれば、1972年のジャガイモ以来2件目となる。

 全日本スパイス協会が00年、、「蒸気を吹き付ける殺菌法では風味が損なわれる
」などとして、当時の厚生省に許可を求める要請書を提出。原子力委員会が、昨年
暮れから検討していた。
 専門部会は、国内外の安全性研究が多数あることや、海外の照射実績も多いこと
を理由に「選択肢の一つとして許可すべきだ」(部会長の多田幹郎・中国学園大教
授)と結論づけた。食品への放射線照射は03年現在、32の国と地域が、香辛料や肉
類の殺菌、ニンニクの発芽防止などに使っているという。

 厚労省は「まず内部で検討し、必要と判断すれば食品安全委員会に諮問する」(
食品安全部)としている。
 一方、全国の消費者団体など30団体でつくる照射食品反対連絡会(東京都新宿区
)は13日、原子力委員会に反対の要請書を提出した。
                      (2006.07.14 朝日朝刊/総合)

たばこの毒『細胞レベルでは』ダイオキシン似

2006-07-14 22:09:39 | 医学
  悪影響 同じメカニズムか/山梨大研究
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 たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内
で起こる__。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究所の北村正敬教授(分子情
報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。

 ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入る
ように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日
の摂取量を、体重1㌔当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。

 北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市
販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べ
た。国の基準の164~656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあた
る活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。

 さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を替えたマウ
スに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。
 北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオ
キシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と
話す。                    (2006.07.13 朝日夕刊)

楽天、全日空と提携『その2』

2006-07-14 14:17:41 | IT関連ニュース
  宿泊・航空券 ネットで同時予約
  ヤフー・日航も模索
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 いち早くダイナミックパッケージを日本で実現したのは、住友商事が全額出資す
るグローバルトラベルオンライン。昨年10月、海外旅行向けにサービスを開始した。
楽天トラベルも2月、海外旅行でサービスを開始。エクスペディアも今年末までに
日本に参入する計画だ。

 同サービスがこれまで海外旅行に限られていたのは、全日空と日航が自社の国内
旅行予約システムに外部からの接続を認めず、原則として自社運営のサイトからし
か航空券を購入できない仕組みにしていたからだ。JRのチケットも、JRグルー
プのサイトからしかネット購入できない。

 一方。世界の主な航空会社は、世界的な航空券予約システム(GDS)に加入。
ネット予約などは一定額の手数料を払えば、航空券をGDS経由で簡単に仕入れら
れる。
 楽天のライバル、ヤフーも日航と組み、国内旅行での参入を狙ってる模様だ。
ただ、この結果、日本ではネット大手が航空会社を別々に囲い込む構図になりそう
だ。様々な商品を一目で比較できるネット最大の利点がすぐには実現しそうもない。
                   (2006.07.13 朝日朝刊/経済『完』)

楽天、全日空と提携

2006-07-14 08:41:15 | IT関連ニュース
  宿泊・航空券 ネットで同時予約
  ヤフー・日航も模索
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 交通手段と宿泊を同時に予約できる「ダイナミックパッケージ」とよばれるイン
ターネットサービスが広がろうとしている。楽天と全日本空輸は12日、国内旅行で
初めてのこのサービスを始めると発表した。ヤフーと日本航空も提携を模索してい
る。ただ、交通機関側のシステム解放が遅れている問題があり、すでに普及してい
る欧米並みに利用できるようになるには時間がかかる可能性がある。

 全日本空輸と楽天の両グループは折半出費で「楽天ANAトラベルオンライン」
を設立する。旅行サイト「楽天トラベル」で10月から、国内の宿泊施設と全日本空輸
の国内便を自由に組み合わせてネットで購入できる仕組みにする。
 これまでのパック旅行に比べて人件費やパンフレット印刷などの経費が省け、価
格が安くなる。航空券代と宿泊費の内訳が明かされないため、閑散期のホテルや
航空会社が格安の部屋や席を提供しやすくなるという。

 これまで「楽天トラベル」上では国内航空券を直接購入できず、利用者は同サイ
トで宿泊予約をした後に、航空会社のサイトに改めてアクセスする必要があった。
 ホテルと航空券、レンタカーなどを選び、同時購入できるダイナミックパッケー
ジは使い勝手がよく、欧米では急成長した。世界最大手の米エクスペディアは売上
高が年1兆5千億円に達し、日本でもネット関連会社が参入を目指していた。
            (2006.07.13 朝日朝刊/経済『その2に続く』)

℡ 小児救急電話相談「#8000」

2006-07-13 16:46:20 | 医学
  携帯・深夜対応 都道府県に通知/厚労省
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 休日や夜間に子どもが急病になった際、地元の小児科医が電話で相談に応じる救
急医療対策事業について、厚生労働省は、携帯電話や深夜の相談に応じるサービス
の拡大に努めるよう、各都道府県に通知した。未導入の16都道府県についても看護
師でも相談に応じられるよう要件を緩和し、普及させたい考えだ。

 04年度から始まった「小児救急電話相談事業」は、夜間や休日に「#8000」
に電話すると、地元の小児科医の携帯電話に転送され、対処法や受診の必要性など
の助言が受けられるシステム。病院の小児救急には、育児不安などから子どもが軽
い症状でも駆け込んでくる親が多い。事前に症状を見極めることで、医師の負担が
減らせると期待されている。各都道府県が運営し、国が費用の半額を補助している。

 同省が7月1日現在の実施状況を調べたところ、31都道府県が導入しているが、
携帯電話からの相談にも対応できるのは福井県だけ。残りは固定電話からしか利用
できないシステムだった。
 また、夜間の受付では、大阪府と大分県で翌朝8時まで利用できるが、それ以外
は最も遅い時間でも午後11時までの利用となっていた。

 電話相談を実施していない16県(青森、秋田、山形、福島、埼玉、富山、山梨、
長野、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、長崎、鹿児島、沖縄)については、対応で
きる医師が少ないことが原因の一つになっているため、看護師なども補助対象に含
めるなど柔軟に対応する方針だ。       (2006.07.12 朝日朝刊/総合)

マイ・ホームページの紹介 2006.07.13 『最新』

2006-07-13 12:11:58 | Weblog
マイ・ホームページの紹介 2006.07.13 『最新』

神奈川県大和市の歩行者専用道を紹介したホームページを開設してます。
歩行者と自転車専用の人に優しい歩道ルートの情報提供です。
この記事を中心にして、「相模の風物」、「飛鳥Ⅱ」ならびに「北米の旅」を
併設してます。
トピックスとして昨日、「相模の風物」に町田市のダリア園の近況を
UPしました。

同園のダリアは、今が見ごろです。
ご一覧下をお薦めします。

http://www7.plala.or.jp/haracolors

5年生存率 最大28ポイント差/がん専門病院(その3)

2006-07-13 08:23:28 | 医学
  病状・年齢除き調査/厚労省研究班
  診療体制の差 背景『解説』
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 医療機関の優劣比較は難しい。重症患者を数多く受け入れる病院は、そうした患
者を切り捨てる病院より、単純な生存率は低くなりがちだ。厚労省研究班はがんの
進行度や年齢といった患者側の要因の影響を除いて、全国のがん専門病院の治療成
績を比べた。

 その結果は、治療水準の格差の存在を示唆している。全国のがん患者が等しく高
い水準の治療を受けられるようにすることが政府のがん対策の課題だが、専門病院
の間でも水準に差があるならば、それ以外の医療機関を含めた格差はさらに大きい
だろう。
 格差をもたらす要因としては、専門医など治療スタッフの経験・技量、標準治療
実施の有無、経験症例数などが考えられる。しかし今回の調査はそうした点を調べ
ておらず、原因がはっきりしない。

 厚労省は全国365カ所の医療圏に原則一つずつがん治療の拠点病院を指定し、
その病院にはがんの進行度や治療方法、治療結果などを患者ごとに記録する「院内
がん登録」を義務付けることにしている。数年後には統一基準に基づく正確なデー
タが集まり、より多くの施設間で治療成績が比べられるようになる。
 ただ、治療格差の解消には、診療体制なども分析し、その結果を各施設に戻した
り、専門スタッフの養成を進めたりする必要がある。
                   (2006.07.11 朝日朝刊/総合『完』)

加齢黄斑変性、活性酸素が原因

2006-07-12 20:56:11 | 医学
  高齢者の視力低下/慶大チーム、マウスで実験
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 高齢者の視力低下や失明を引き起こす加齢黄斑変性は、活性酸素が原因であるこ
とを慶応大の今村裕講師(眼科学)らの研究チームがマウスの実験で明らかにした。
今週の米科学アカデミー紀要電子版で発表した。

 加齢黄斑変性は、目の網膜の黄斑部分に沈着物ができ、視力がおちる病気。推定
患者は40万人ともいわれる。活性酸素との関連が指摘されていたが、変性の過程で
でるのか、変性の原因なのか、はっきりしなかった。

 研究チームは、体内で活性酸素を取り除くSOD1という酵素を作れないように
遺伝子操作をしたマウスをつくった。生後10カ月以上の場合、36匹のうち30匹で
病気特有の沈着物がではた。高齢者ほど数は多かった。
                         (2006.07.11 朝日夕刊)

5年生存率 最大28ポイント差/がん専門病院(その2)

2006-07-12 18:33:30 | 医学

  病状・年齢除き調査/厚労省研究班
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 胃がんの18施設の中で最下位だった施設は、症例数では全体の4番目と多いにも
かかわらず、生存率の低さが際だっているため、研究班では問題点の調査を施設側
に依頼している。

 研究班は昨年初めて、同様の調査をした。施設が異なり直接の比較はあまり意味
がないが、97年に初めて入院治療を受けた患者の5年生存率は胃がん(13施設)が
70.3%~53.3%で17.0ポイント差▽肺がん(18施設)が34.9%~15.1%で19.8ポイ
ント差▽乳がん(14施設)が86.1~73.1%で13.0ポイント差だった。

 研究班では、施設名を含め、今後どのように個別の治療成績を公表していくか検
討中だ。
 猿木さんは「施設間に格差がある可能性はある。各施設が自らの弱点を認識し、
診療体制などを検討するきっかけにしてほしい」と言っている。
            (2006.07.11 朝日朝刊/総合『その3に続く』)

5年生存率 最大28ポイント差/がん専門病院

2006-07-12 08:53:40 | 医学
  病状・年齢除き調査/厚労省研究班
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 国公立のがん専門病院などでつくる「全国がん(成人病)センター協議会」(30
病院)の加盟施設で、入院治療をうけた胃がん患者の5年後の生存率(5年生存率
)は最高70%、最低42%と28ポイントもの差があることが、厚生労働省研究班(
班長=猿木信裕・群馬県立がんセンター手術部長)の調査で分かった。診療体制や
治療内容が影響した可能性がある。

 胃がんのほか、肺がん、乳がんについても、98年に初めて入院治療を受けた患者
の5年生存率を比べた。それぞれのがんで50人を超える患者を治療し、90%以上の
患者について経過を追えているなどの条件に合う病院に限った。また、早期がん患
者が多い病院ほど生存率が高く出でしまう可能性があるため、進行度や年齢の影響
を除いて生存率を算出した。

 その結果、胃がん(18施設)は最高70.1%~最低42.3%で27.8ポイント差▽肺がん
(18施設)は43.5%~18.3%で25.2ポイント差▽乳がん(14施設)は92.6%~
79.0%で13.6ポイント差だった。施設ごとの成績は公表していない。
             (2006.07.11 朝日朝刊/総合『その2に続く』)

鳥インフルエンザ/若い患者の死亡率高く

2006-07-11 14:24:50 | 医学
  WHO「スペインかぜと似る」
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 世界保健機構(WHO)は、高病原性の鳥インフルエンザにかかった患者は若者
が多く、死亡率も若い年代の方が高い傾向にあるという分析結果を週報で発表した。
通常のインフルエンザとは違い、20世紀最大の被害をもたらしたスペインかぜ(
1918~16年)の当時の傾向に似ているという。

 03年12月~06年4月、ベトナムやタイ、中国など9カ国で、鳥インフルエンザ
(H5N1型)と認識された203人を分析した。
 発症者の半数は20歳未満で、40歳未満が90%を占めた。患者全体の死亡率は56%
だが、年代別では10~19歳が最も高く73%、50歳以上が18%で最低だった。現在の
通常のインフルエンザで、高齢者の死亡率が高くなるのとは対照的だった。

 スベインかぜは鳥インフルエンザから変異したウイルスが原因という説が有力だ。
若者に犠牲者が多かったのは、若者の抵抗力の強さがあだとなり、ウイルスを防御
する免疫系が過剰反応したのではないかなどとの見方があるが、詳しくはわかって
いない。
 鳥インフルエンザ患者の発生は冬と春に多く、WHOは「06年後半か07年前半に
患者が急増する恐れがある」と指摘している。
                         (2006.07.10 朝日夕刊)

病歴共用 主役は患者(その3)

2006-07-11 08:51:10 | 医学
  脱「一方通行」公開カルテ/現役医師が会員に回答
  Net IT Bis(変わるビジネスと暮らし)/⑦医療
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 医療専門ポータルサイト「ソネット・エムスリー」が05年6月に始めた「アスク
ドクターズ」は、月額315円の有料会員の質問に、約千人の現役医師が答える。
6月毎日平均105件の質問があり、97の回答が寄せられました。
 ただ、このようなネット活用による利便性の追求が急速になるほど、医療関係の
法制度などとの摩擦が大きくなる。現状では診察は患者とじかに向き合うことが前
提になっている。ネット経由で問診などを行なっても、診療報酬はもらえない。

 「アスクドクターズ」では、役立ったと思った助言に会員がポイントを与え、こ
れがたまると電化製品がもらえるいった「やる気」を引き出す工夫を重ねている。
 情報の共有範囲が広がるほど、ネットの利便性は高まる。だが、医療分野では
ネット投資で製品やサービスの価格が劇的に下がったり、収益が目に見えて改善し
たりといった波及効果が、現状では期待しにくい。

 患者情報を共有する切り札の「電子カルテ」も、中規模病院がシステムを独自に
整えると数億円はかかる。だが今の診療報酬体系では、電子カルテを作っても初診
の時に報酬が30円増えるだけ。投資の回収リスクが高く、中・大規模病院でも普及
率は2割程度とみられる。「今年度末までに6割」といった厚生労働省の目標には
ほ遠い。
 電子化した患者情報のセキリティーや、重大な病気のカルテを患者に公開するこ
との是非など、情報分断の時代には意識されなかった問題が技術革新のたびに表面
化している。            (2006.07.09 朝日朝刊/経済『完』)

病歴共用 主役は患者(その2)

2006-07-10 21:26:50 | 医学
  脱「一方通行」公開カルテ/資料下調べ来院し議論
  Net IT Bis(変わるビジネスと暮らし)/⑦医療
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 都内のある総合病院の幹部は「ネットは患者中心の医療への流れを作った。情報
公開に及び腰では、患者が寄り付かなくなる」という。この病院では病気について
ネットで調べ、印字した分厚い資料を携えて来院する患者が増えている。がんなど
の深刻な病気ほどこの傾向が強く、医師と議論になる患者もいる。

 東京都世田谷区の診療所「用賀アーバンクリニック」のカルテは紙とペンではな
く、パソコンで作られる。カルテといえば、素人には判読困難なドイツ語の走り書
きが相場だったが、ここでは出来るだけわかりやすい日本語を使う。
 出来上がった「オープンカルテ」は、患者がハスワードを使って使って自宅のパ
ソコンからネット経由で見られ、印刷して他の病院にも渡せる。すでに単身赴任の
父親が子どものカルテを見たり、遠方の家族が高齢の親の病状を確認したりしている。

システムが生まれたきっかけは、医療コンサルティング会社メディヴァの大石能子
社長の妊娠経験。出産が迫り、大手病院に転院したが、診療暦が引き継がれず、お
かしいと思った。患者にカルテを公開すれば問題が解決すると考え、同クリニック
と協力して実用化した。「患者に来院してもらうには、患者から支持されるしかあ
りません」と大石社長は言う。

 医師の診断に疑問を抱いた患者が、別の医者に所見を求める「セカンドオピニオ
ン」もネットならぐっと気楽だ。「湿疹がなかなか治らず、医者に行っても薬を処
方されるだけで原因がわかりません」「かぶれやすい体質は一生変わりません。肌
が弱いことを自覚し、しっかりといたわる習慣を付けることが大切です」
              (2006.07.09 朝日朝刊/経済『さの3に続く』)