脱「一方通行」公開カルテ/資料下調べ来院し議論
Net IT Bis(変わるビジネスと暮らし)/⑦医療
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都内のある総合病院の幹部は「ネットは患者中心の医療への流れを作った。情報
公開に及び腰では、患者が寄り付かなくなる」という。この病院では病気について
ネットで調べ、印字した分厚い資料を携えて来院する患者が増えている。がんなど
の深刻な病気ほどこの傾向が強く、医師と議論になる患者もいる。
東京都世田谷区の診療所「用賀アーバンクリニック」のカルテは紙とペンではな
く、パソコンで作られる。カルテといえば、素人には判読困難なドイツ語の走り書
きが相場だったが、ここでは出来るだけわかりやすい日本語を使う。
出来上がった「オープンカルテ」は、患者がハスワードを使って使って自宅のパ
ソコンからネット経由で見られ、印刷して他の病院にも渡せる。すでに単身赴任の
父親が子どものカルテを見たり、遠方の家族が高齢の親の病状を確認したりしている。
システムが生まれたきっかけは、医療コンサルティング会社メディヴァの大石能子
社長の妊娠経験。出産が迫り、大手病院に転院したが、診療暦が引き継がれず、お
かしいと思った。患者にカルテを公開すれば問題が解決すると考え、同クリニック
と協力して実用化した。「患者に来院してもらうには、患者から支持されるしかあ
りません」と大石社長は言う。
医師の診断に疑問を抱いた患者が、別の医者に所見を求める「セカンドオピニオ
ン」もネットならぐっと気楽だ。「湿疹がなかなか治らず、医者に行っても薬を処
方されるだけで原因がわかりません」「かぶれやすい体質は一生変わりません。肌
が弱いことを自覚し、しっかりといたわる習慣を付けることが大切です」
(2006.07.09 朝日朝刊/経済『さの3に続く』)
Net IT Bis(変わるビジネスと暮らし)/⑦医療
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都内のある総合病院の幹部は「ネットは患者中心の医療への流れを作った。情報
公開に及び腰では、患者が寄り付かなくなる」という。この病院では病気について
ネットで調べ、印字した分厚い資料を携えて来院する患者が増えている。がんなど
の深刻な病気ほどこの傾向が強く、医師と議論になる患者もいる。
東京都世田谷区の診療所「用賀アーバンクリニック」のカルテは紙とペンではな
く、パソコンで作られる。カルテといえば、素人には判読困難なドイツ語の走り書
きが相場だったが、ここでは出来るだけわかりやすい日本語を使う。
出来上がった「オープンカルテ」は、患者がハスワードを使って使って自宅のパ
ソコンからネット経由で見られ、印刷して他の病院にも渡せる。すでに単身赴任の
父親が子どものカルテを見たり、遠方の家族が高齢の親の病状を確認したりしている。
システムが生まれたきっかけは、医療コンサルティング会社メディヴァの大石能子
社長の妊娠経験。出産が迫り、大手病院に転院したが、診療暦が引き継がれず、お
かしいと思った。患者にカルテを公開すれば問題が解決すると考え、同クリニック
と協力して実用化した。「患者に来院してもらうには、患者から支持されるしかあ
りません」と大石社長は言う。
医師の診断に疑問を抱いた患者が、別の医者に所見を求める「セカンドオピニオ
ン」もネットならぐっと気楽だ。「湿疹がなかなか治らず、医者に行っても薬を処
方されるだけで原因がわかりません」「かぶれやすい体質は一生変わりません。肌
が弱いことを自覚し、しっかりといたわる習慣を付けることが大切です」
(2006.07.09 朝日朝刊/経済『さの3に続く』)