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喫煙習慣「脳の病気」/(講演者)中村正和さん『その2』
逆に1年間禁煙すると狭心症や心筋梗塞のリスクはほぼ半減します。がんは少し
時間がかかりますが、肺がんなら禁煙10年~15年でリスクが半分から3分の1に
なります。
たばこを吸うと、肺からニコチンが吸収されて脳に達し、ドーパミンという快楽
物質を出す回路に作用し強い快感が得られます。これが依存をつくり出すメカニズ
ムです。依存になると、ニコチンがないと脳内物質の分泌が悪くなり、心身とも調
子が悪くなります。
脳の大切な働きをニコチンに委ねてしまったような状態が、たばこを吸っている
人の本当の姿であり、「ニコチン依存症」なのです。
世界保健機構(WHO)の分類でも、ニコチン依存症は、アルコールやいろいろな
薬物依存症と同様に、精神・行動障害という病気の一つとして位置づけられています。
禁煙には薬を使ったり、専門家から指導を受けたりした方が確実にできます。喫
煙習慣は「脳の病気」です。治療を受けたほうがやめやすいのです。
ニコチンパッチという禁煙薬剤が今年から保険適用されました。おそらく2年以
内には、飲み薬も出てきます。楽にやめられる方法もありますので、一人でも多く
の方に禁煙していただければと思います。
(2006.10.30 朝日朝刊/特集『完』)
喫煙習慣「脳の病気」/(講演者)中村正和さん『その2』
逆に1年間禁煙すると狭心症や心筋梗塞のリスクはほぼ半減します。がんは少し
時間がかかりますが、肺がんなら禁煙10年~15年でリスクが半分から3分の1に
なります。
たばこを吸うと、肺からニコチンが吸収されて脳に達し、ドーパミンという快楽
物質を出す回路に作用し強い快感が得られます。これが依存をつくり出すメカニズ
ムです。依存になると、ニコチンがないと脳内物質の分泌が悪くなり、心身とも調
子が悪くなります。
脳の大切な働きをニコチンに委ねてしまったような状態が、たばこを吸っている
人の本当の姿であり、「ニコチン依存症」なのです。
世界保健機構(WHO)の分類でも、ニコチン依存症は、アルコールやいろいろな
薬物依存症と同様に、精神・行動障害という病気の一つとして位置づけられています。
禁煙には薬を使ったり、専門家から指導を受けたりした方が確実にできます。喫
煙習慣は「脳の病気」です。治療を受けたほうがやめやすいのです。
ニコチンパッチという禁煙薬剤が今年から保険適用されました。おそらく2年以
内には、飲み薬も出てきます。楽にやめられる方法もありますので、一人でも多く
の方に禁煙していただければと思います。
(2006.10.30 朝日朝刊/特集『完』)