10月7日(土)、突然立てなくなった義母(95歳8ヶ月)。
待てど暮らせど救急車が現れないため、ジェイン(義妹)とその夫が、自らの車で義母を、
グロスター・ロイヤル病院へと運び込んだのが、午後23時半頃。
しかしながら A&E は超多忙で、診察スペースも空きがなく、義母はまず車椅子に乗せられ通路で待たされる。
通路で待つこと4時間半後、通路にある肘掛け椅子がひとつ空いたので、義母、それに移る。
A&E 到着から12時間半後、義母、ようやく空いたストレッチャーに乗せられ、横になる。
が、義母はその後不穏状態に陥り、自力で下りたり、歩こうとしたり、家に帰ろうとしたりする。
到着から22時間半後、診察スペースではないが、ナースのデスク近くのスペースが空いたので、義母、
そちらのスペースに移される。
到着から33時間後、義母、ようやくコンサルタントに診てもらえるも、入院は必要なしと診断される。
到着から39時間半後、義母、搬送車両で病院を離れ、帰宅の途につく。
・・・とまぁ、A&E (Accident & Emergency) の危機的状況には、ただただ驚きです。
オットーによると、A&E はほんとうに、忙しかったそうで・・・ 「まるで野戦病院のようだった」。
オットーは皮肉屋なので、時間を無駄にしているナースがたとえ一人でもいたとしたら、そんな風には言わないはず。
誰もがばたばたと一生懸命に働いていて、そのプレッシャーは耐え難いものだろうと想像できたそうで、
「自分には絶対に勤まらない」 と、しみじみ言っていました。
義母が通路で待たされていた間、ジェインやオットーは、もちろんおとなしく待っていたわけではありません。
義母がすでに数日間、固形物も水分もほとんど摂っていないこと、普段以上に言うことが意味をなさないこと、
落ち着きがなくすぐに立って歩こうとすること、手の甲に差された点滴の針を引き抜いてしまうこと、
などを例に、一刻も早く診てくれるよう何度もお願いに行きました。
でもスタッフはほんとうに忙しそうで、その都度 「誠に申し訳ないのですが、病棟のベッドに空きがないため、
A&E も満杯でどうしようもないんです、もうしばらくお待ちください」 と言われることの繰り返しだったそうです。
オットーは過去に、義父に付き添って何度か A&E に行ったことがありますが、
「あんなにひどい状態だったことは、かつて一度もなかった」 と言っていました。
私も高齢者病院で働いていたとき、転倒して軽傷を負った患者さんに付き添って同じ A&E に行ったことがありましたが、
到着から遅くとも二時間以内には診察スペースに移され、手当てをしてもらえたように記憶しています。
まだ冬でもないのに、例年なら空いているはずの時季なのに、いったいどうしてしまったのか・・・
A&E の現実をまざまざと見せつけられた私たち、
「この冬は、A&E のお世話にならずに済むよう、できる限り気をつけよう」
と誓い合いました。(冬に限らずですが。)
以前だったら義母は、A&E に到着後スムーズにドクターの診察を受け、最低でも一晩は、
経過観察ということで、病棟に収容されたと思います。
超高齢なのだし、腎臓の機能が弱っているし、血圧は低いし、錯乱しているし・・・ということで。
なのに、A&E の通路で診察を受けただけで、家に送り返されるって!
「コロナ禍後は NHS (国民医療サービス)の質が落ちた」 とはよく聞いていましたが、
ここまでとは・・・
その後の義母ですが。
一昨日の水曜日(10月11日)は一切固形物を口にせず、飲んだ量もわずかでした。
頭の中も朦朧としているようで、記憶も乏しく言うこともあまり意味をなさず、だったそうです。
ところが昨日の木曜日(10月12日)は、相変わらず終日をベッドで過ごしたものの、頭の中はかなり清明で、
そしてそして、なんと!
初めて、介護ヘルパーさんによるリハパン交換の介助を、受け入れたそうです!
オットーも義母の家に詰めていましたが、義母、自力では交換は無理と悟り、息子よりは・・・と、
ヘルパーさんの介助を選んだものかと。
(義母は相変わらず、簡易トイレを使う際には、オットーを部屋から閉め出します。)
昨日はジェイン(義妹)が、小学校の教師助手の仕事を休んで来てくれ、義母宅に泊まりました。
母親を夜間、一人でおくことが、忍び難かったのでしょう。
オットー自身は、「夜の泊まり込みだけはしたくない」 と言います。
義母が A&E で見せたような不穏状態にもしまた陥ったら、自分では手に負えないし、どうしたらいいかわからないからと。
それに義母は、簡易トイレを使う際、自分からは決して助けを呼ばないため、一晩中耳を澄ませていなければなりません。
でもオットーは低血圧気味なので、朝が苦手です。午前8時前に起きることは、必要がない限り、ありません。
そのため夜間に寝不足だったら、翌日はまず使い物にならないことでしょうね。
私ですか?前にも書きましたが、私は義母が『我が子大好き』なことを知っているので、
ジェインとオットーがタッグを組んで頑張っている以上、介入するつもりはありません。
現在義母のことでオットーがほとんど仕事にならないため、私は自分の仕事を地道にこなし、
あとは後方支援に徹する所存でいます。
さて義母は、昨日(10月12日木曜日)、けっこう咳が出ていたそうなのです。
十分に水分を摂っていないから、喉が乾いているせいと思っていたのですが、
夜ジェインがふと思いつき、「コロナの検査キットはあるか」 とオットーに連絡してきました。
幸い私が仕事柄もらっていたものの残りがあり、使用期限は2024年1月とセーフだったので、
オットーがそれを義母宅に持っていきました。義母の鼻孔に綿棒を入れてテストをしたところ・・・
陽性でした。
義母は、病院や歯医者など医療機関へ以外の外出は、一切しなくなっていました。
もちろん訪問介護ヘルパーさんたちが毎日のように義母宅を訪れていましたが、訪問介護がスタートしたのは
8ヶ月前の2月だったし、義母はヘルパーさんたちの介助を拒んできたため、ヘルパーさんたちが
義母に至近距離で接することは、少なかったです。
だから、義母が新型コロナに感染したのは、A&E であった可能性が、非常に高い。
というか、私たちは、それで決まりと思っています。
義母のコロナ陽性を受け、ジェインは医療機関に連絡。
救急救命員が来てくれ、昨夜のうちに義母に点滴をしてもらうことに成功しました。
食欲の減退はコロナの症状のひとつだそうなので、もしかしたら義母が何も食べようとしなかったのは、
コロナが原因だったのかも?
今日(10月13日金曜日)は、義母のところに、ようやく医者が往診に来ました。
義母が、A&E から帰宅後もほとんど飲まず食わず状態なので、オットーとジェインが何度も往診を
要請してきたのですが、「時間がない」 の一点張りで、ようやく今日になって来てくれたのです。
オットーも義母宅に行って、ジェインと二人で義母の今後について相談したのですが、
医者によると、義母の場合、世話をできる家族(オットーとジェイン)がいるので、
NHS にできる積極的なサポートは無いとのことでした。
(それに義母は、経済的に困窮しているわけでもないですからね・・・。)
ただ今日は、コミュニティー・ナースも訪問してくれ、こちらは、来週早々に、義母のために
病院ベッドを貸し出してくれることになりました。病院ベッドは、私も仕事先のお宅で何度も見ています。
上半分だけを起こすことができるので、食べたり飲んだりが楽になります。
高さも調節できるので、ベッドの上での清拭やおむつ交換が必要になった場合、
介護ヘルパーさんの姿勢への負担を軽減するのにも役立ちます。
『ひとり娘のジェイン効果』 のおかげか、今日は義母は、キットカットを半分と、直径2cmほどの
チーズ・ビスケットを2枚と、缶詰スープの半分を、食べたそうです。
食欲減退がコロナのせいだとしたら、ひょっとしたら、コロナから回復するにつれ食欲も戻り、
また大丈夫になるかも・・・?
オットーを苦しませた病院での不穏状態も、低血圧と脱水状態に起因する一時的な錯乱状態だった・・・?
でも何せ年齢が年齢なので、オットーとジェインは、住み込み介護ヘルパーさん導入に向け、行動を開始しました。
来週の火曜日午後か水曜日から、住み込みがスタートできる予定だそうです。
今日も義母は頭の中が清明だったので、その件について義母に了解を求めたところ、
義母は 「ン・・・ン」 と、口を真一文字に結びつつも、賛同のような音を洩らしたとのこと。
ここ三日間、ベッド脇の簡易トイレを使う以外はベッドから出ていないのだから、
きっと、自分に介護ケアが必要になったことを、悟ったのでしょう。と、思いたいです。
住み込み介護ヘルパーさんが泊まるのは、4年近く前に笑天(←故意の誤字です)したクソ野郎義父の
寝室になるので、今日はオットーとジェインとで、その部屋を片づけました。
義母が嫌がるため、一枚も処分していなかった義父の衣類も、義母が床に就いたままの今が
チャンスなので、二人でこっそり袋に詰め、持ち出したそうです。
義母用に蓋付きストロー付きのドリンク・カップを買い、肘掛椅子用の防水シートを買い、
住み込み介護ヘルパーさん用の新しい寝具カバーを買い、義母がまた居間に
座れるようになった場合に備えて延長コードをつなげて固定電話をその隣に移動し・・・と、
ジェインが義母に付いていてくれる間も、オットー、大活躍です。
まぁ義母は、昨日も今日も、ほぼ90%の時間を、時には深くイビキをかいて、
眠って過ごしたそうですが。
そうそうオットーも、多くの時間を義母と過ごしてきたため、今朝コロナ検査をしてみましたが、
ラッキーなことに、陰性でした。ただ今朝起きたら、声がガラガラで・・・
久しぶりに扁桃炎にかかってしまったようです。
扁桃摘出の手術を受けてから、初めてじゃないかな?
夕方から微熱も出てきたので、薬を飲んで、今夜は早目に床に就きました。
ジェインは昨夜から引き続いて今夜も週末も泊り込みを続けてくれるそうなので、安心です。
でも、ジェインはジェインで、イスラエルとハマス間の戦争により、(世界の関心がウクライナから離れてしまう)と、
ウクライナ人の夫はピリピリしているし・・・
ウクライナから身を寄せているウクライナ人の義父は、ウクライナに戻りたがってジェインたちを悩ませるし・・・
心労が多くて大変そうです・・・。