はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

総裁選を巡る「靖国参拝」の駆け引き

2006年06月23日 | 政治

 民主党代表・小沢一郎代表が訪中を決めたようです。
中国の王毅駐日大使は7月の訪中を要請しています。もちろんこの訪中は中国側の招請ですから、実現すれば胡錦濤国家主席と会談するというVI待遇。
 8月15日を前にしての訪中ですから、小沢代表としては小泉首相の靖国神社参拝問題で日中関係が冷え込む中で、アジア重視の外交姿勢をアピールする狙いがありありなことは周知のことです。
 中国側からの仕掛けにわざわざ乗るのですから、どうしても「靖国参拝」問題で自民党内部を揺さぶろうという考えなのでしょう。
 一方の自民党もいろいろな動きが出てきました。
 山崎拓は「新たな国立追悼施設」という路線を引いて、是が非でも福田康夫を引っ張り出す覚悟を決めているようです。
こうした「新たな国立追悼施設」を巡る論議の火消しに、小泉首相の意を受けて中川秀直が出てきました。官邸で会談を行い、千鳥ケ淵戦没者墓苑に隣接する公務員宿舎や庁舎などを廃止して、同墓苑を拡充する方針を打ち出しました。
 千鳥ケ淵戦没者墓苑は言わずと知れた国立施設。この戦没者墓苑の駐車場や休憩所を整備するなどして、多くの人が訪れやすいようにすることで、「新たな国立追悼施設」論を封じ込めることができます。こうした動きは、福田より安倍晋三に首相ポスト継承したい小泉首相の親心でしょうか。
 いずれにしても、国立の追悼施設と靖国神社参拝は別問題です。
そこに敢然と突っ込んできたのが、麻生太郎外相です。
時事通信のインタビューに応じ、宗教法人の靖国神社を財団法人などにすべきだとの考えを表明しています。
宗教法人格から別な法人格にというのですが、これも靖国神社側からの動く気持ちがなければいけません。政治が介入してしまったら憲法に抵触します。
靖国神社をその気にさせることが可能なのかはこれまた別問題です。
 神道を宗教として位置づけているからこその宗教法人法。仮に財団法人に移行することができて、首相の参拝は違憲でないと主張できるかもしれません。
しかし、A級戦犯が合祀されている点を突いてくる中国からの批判は変わりません。
 麻生太郎が何を考えているのか。靖国神社が分祀論を受け入れないことは百も承知でしょう。それでもなお前向きな姿勢を見せることで、メッセージを発信しているだけなのでしょうか。「首相になっても参拝します」と明確に言った方が分かりやすいと思います。

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