農場長のつぶやき

花苗生産農場ハイフラワーの農場長の日々のつぶやきです。うれしい事や驚いたこと農場での出来事をつぶやいています。

生産者として

2009年09月10日 | 農場の話題
生産者として思うことはたくさんあります。

私は最初から花を作りたくてこの道を選んだのではなく、『農業』を選んだ中で、自分に一番合っていそうなものを選んだら、それが花だったというのが今こうしてハイフラワーにいる理由です。しかし、私は『一生農業にかかわって生きていく』という決心を20代のある日にしたのです。



よく、「花作りがしたいのです!」という若い人たちには

花作り(農業)は自然と共に生きるとか土にまみれてとかそういう仕事じゃないんだよ。肥料をあげて、大きくして、今度は大きくならないようにホルモン抑制剤(わい化剤)をかけて・・・・・・。

と いう話はいつもしてあげることにしています。


『農業』というものを志してこの道を選んだ私としても、このような植物とのかかわり方というのは決して100%望んでいるものではありません。

しかしながら、自分の作った物は皆さんに受け入れられて初めて評価を頂くことが出来ます。

そのためには様々な薬品類を使ったりして植物をこねくり回すことになってしまいます。

これを「植物の成長をコントロールして・・・・・・」という人もいるでしょう。



さて、嬉々として出荷し始まったパンジーも、果たしてその『農業』という考えから見てどうなのか・・・・・・。



「今年の冬は原油高の影響でトマトやキュウリが高いわねえ・・・・・・。」

というのはごくごく一般的な家庭での会話です。

これらの夏野菜は一年中食べるのが当たり前の世の中になっています。

“夏野菜”ということすら知らない人もいるでしょう。


「今年のシクラメンは新しい色が出たらしいわよ!」

とは年末近いある日の会話。

本来シクラメンは私の記憶が確かなら春の花です。

事実、夏に避暑をしたり、ホルモン剤を使ってギフトの需要が最も高い年末の出荷を目指して栽培されています。



「今年のパンジーはいつから販売になるの?」

これも私が20年前に花作りを始めた頃には聞かれなかった言葉です。

パンジーが3色すみれといわれているのが普通だった頃は、パンジーは春の花でした。

事実パンジーは3月半ばから4月にかけてが一番きれいな時期です。



四季のある日本という国に生まれ、四季それぞれの植物をまったく意識しないまま、しかし、それは当たり前のように五感に染み付けて育ってきた私たちですが、いつの間にかその常識が『農業』によって狂わされてきたという事実がそこにあります。

そして私はその『農業』をすることを仕事としています。



そしてそんな思いの中で、私達ハイフラワーのパンジー達は来週から本格的に出荷されます。

パンジーやビオラがこんなに早く、というよりこの暑いさなかに出荷出来るようになったのは品種改良が進んだおかげ(マイナスの?)のほかありません。

でも、私たちが作らなければお客様が本当に楽しんでもらえる“早出しのパンジー”は出来ないと考えています。

チョと生意気ですが、・・・たまたまよく仕上がった(?)からか言えるのもしれませんが、農場の全ての技術をつぎ込んで丹生込めて作りました。

日本一暑い埼玉県の北部に位置する羽生市で作ったので日本一暑さに強いパンジー達です。

やっとここまで出来るようになったハイフラワーの“早出しのパンジー・ビオラ”を・・・・・・

      
               まずは私が植えてみないといけませんよね。

               きれいに咲き続けるはずなんですよ。




     今日は早く帰ろうと思います。
           
コメント (2)
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