お義父さん！

ツノ坊の両親と一緒に食事に行ってきました。

昔から、ほとんど外食をしてこなかった二人だし、車の運転もしないので、
二人だけで食事に出るってことはないんです。

だからたまにわが家へ招いたり、一緒に外食したりしてるんです。

たまに気分が変わり、話す相手が変わると、特にお義父さんは食が進むよう
です。

ところがしばらく前、お義父さんの食欲が無くなりました。
掛かり付けの先生に診てもらっても、どこも悪いところがないのに、
なぜか食べられないっていうことで、結局大きな病院に入院しました。

でもやっぱり検査の結果は異常なしで、１週間、病院で静養して、少し前に
退院となりました。


少しずつ食欲も戻って来たので、

　「お義父さん、お義母さんの気分転換に、誘おうか」

と、入院中に物色して、ここなら二人が喜ぶだろうと見つけてあった店に
案内しました。


二人とも、外食慣れしていないこと、いろいろな料理の写真がたくさんある
メニューを見ること、そしてそこから選ぶことが楽しみなので、サガミ　と
いう和食のファミレスに連れていったのです。





案の定、二人、大きなメニューを何度も行ったり来たりして、悩みに悩んで
注文の品を決めました。

この二人、面白いことに、決まって二人同じ品を注文するのです。
それもお義母さんが選んだものにお義父さんが従う。
「ふしょうふずい」でも、この二人の場合は『婦唱夫随』なんです。


注文の品を待ちながら、体重の話になりました。

　「お義父さん、体重は多少は戻ったのですか？」

　「入院前に４kg痩せたけど、２kgは戻りました」

　「そうですか。　で、今、何キロですか？」

　「５８kgです」

　「・・・
　　食べられなくって、痩せて、入院したっていうけど、
　　痩せて、入院した時の体重だって、私より多いじゃ
　　ないですか・・・

（で、ツノ坊に向かって）

　　だからお義父さんより、私にやさしくしてくれなきゃ
　　いけないんだよ」

　「いつもやさしくしてるから、これ以上やさしくなんか
　　できない」

てな調子で馬鹿話をしてたら、料理が出てきました。

つい最近まで食欲が無いと入院までしてたお義父さんは一体何を注文
したのかと思ったら、冒頭の写真の様な結構ヘビーな品を注文してるじゃ
ないですか！


おまけに料理が出てきた途端、両親そろって無口になっちゃって、
黙々と食べ、さらに驚いたことに、

　「お腹がペコペコ」

と言っていたお義母さんより先に退院したてのお義父さんが完食しちゃい
ました　

時間差はありましたが、もちろん、お義母さんも完食です。


おそるべし今どきの８０歳代。
御見逸れ致しました　

　
　「また連れてきて」

だそうです。

喜んでもらい、たくさん食べてもらえて、何よりでした。
また行きましょう！