マジックや～ん

　お弁当屋さんへお弁当を買いに行った。
　￥４３０だったから、千円札１枚と３０円をテーブルに置いて待っていた。
　店員さんがお弁当持ってきて、さあ会計・・・と言う段になったら、何故か１０円玉が１枚消えていた。

　うそ・・・。だって置いたよ。３０円・・・。
　って思ったんだけど、１０円で「なくなったなくなった」騒げないだろう。

　１０円を笑う者は１０円に泣くかもしれないけど、騒げんだろ・・・。

　しょうがないので、千円札で会計してもらって・・・。
　納得はしてない。寄付したってことかしら？と不承不承ながら店を出て、数歩歩いた時。

　マジックが起きた。
　
　チャリーン。硬化が落ちる音。
　え、何？

　ふと見たらですね、１０年玉が転がって落ちてきたんです。

　何処からだと思います？

　私の袖口です。


　マジックや～ん。

　マジシャンはその指さばきで袖の中から物を入れたり出したりしてる。これって基本の基本らしいけど。
　できてる、この不器用な私が。

　しかも無意識に、必要のない時に。

　騒がなくて良かった・・・しみじみ思ったけど。

　何でお弁当ができて会計待ってる、ほんの・・・多分１分とか２分だよ。どうしてその間に袖口に１０円玉だけ紛れ込めるの？

　どんな偶然が加わるとそんな器用なことができるんだ・・・。
　確かに袖口目茶苦茶長かったけど。

　神秘だわ・・・私・・・。