kouheiのへそ曲がり日記

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美しさに感動すること

2005-04-29 09:35:00 | 日記
文化の一側面に、感覚的受容が容易か困難かという判断基準がある。
奇麗なものは感覚的受容が容易であり、醜いものは困難である。
奇麗なものは気持ちよく、醜いものは気持ち悪いのだ。

では美しさとは、一体どのようなものであるのか。
それは、感覚的受容が困難であり、不愉快なものなのだ。
醜悪美という言葉も、立派に存在する。
つまり「奇麗」と「美しい」は反対概念なのである。

ちょっとした奇麗なものを目にしたとき、我々は「ああ、いいなぁ」とか「あらいいわね」等と気軽に言う。
だが、本当に美しいものを鑑賞するとき、我々はむしろ辛い思いをする。

なぜなら本当に美しいものは、我々の日常的小賢しさ、卑しさを嘲笑うかのように迫ってくるからだ。
美しいものを鑑賞すること、それは精一杯の背伸びを強要されることなのだ。

鑑賞者が精一杯背伸びをし、身体の、そして心のアンテナをめいっぱい広げても、美しいものとの距離は、なかなか縮まらない。
偉大な自然や偉大な作者が魂の全てをかけて産み出した作品、それは簡単には受容できない重苦しさを孕んでいる。

奇麗なものは、べったりと日常に寄りかかったままでも気持ちよくさせてくれるが、本当に美しいものは、高潔な魂の持ち主だけに感動することを許すのである。
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