弱いもの、強いもの、みんな仲良く

じりじりと肌焼く光土用凪

霊に水お決まり楽し夏芝居

香水を初めてつけておずおずと

風鈴の微かなる音耳に沁む

ふぅ～暑い

斎場の片陰にをり君おくる

赤富士や涙滂沱として流る

美男美女蜜豆食べて微笑みぬ

凌霄花（のうぜんくわ）吾が志を子に託す

この平穏がいつか破れるときが・・・

夕焼けに海の映えをり潮満ちぬ

君想い寝そびれ烏瓜の花

草刈や子らのため公園整へり

山涼し一日三回飯を炊く

きれい好きの男って・・・寒気がする

夏の朝いつしか別（わ）れるとき来る

還暦前ひとり誘われ氷旗

母縫ひし子供の着物土用干し

副木に蔓左に巻きて晩夏かな

この父母でよかったなぁ

夜を徹す気力もあらで月見草

夏氷ひとくちしゃぶり吐息つく

玉虫の翅あざやかにハイビジョン

日盛りの畑耕す女人あり