静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

なぜ学園では海技士の勉強をするのでしょう?

2018年08月15日 09時00分00秒 | 授業・講演

学園は漁師になるための学校です。
でも、毎日8コマある授業では、約半分が海技士の勉強です。
海技士は20トン以上の船の運航に必要な資格です。
なぜ、多くの時間を割いて海技士の勉強をするのでしょう?

海技士の育成校と言うのがあって、海事教育機関と呼ばれます。
旧商船大学、水産系大学、海上保安大学校、高等専門学校(全国に5つある商船学科を有する高専)、海上技術短期大学校、海上技術学校、水産高等学校・海洋高等学校、海上保安学校、海技大学校・・・
たくさんありますね。
なお、水産高校は、航海科、機関科などの特定のコースが対象になります。

これらの海事教育機関で海技士の資格が取得できます。
純粋に船乗りになりたい場合、私のおすすめは高校を卒業して旧商船大学か水産系大学に進学することです。
高校は普通高校で大丈夫ですよ。
と言うか、偏差値が低くないので普通高校からの進学が有利です。
国立大学に行く自信がない...と言う人は水産高校に入学し、水産高校の専攻科(2年)に進む方法があります。
3級海技士取得は、これが最短の方法でもあります。

でも、漁師になるのなら別です。
海事教育機関には学園のように漁業現場を知る教員がいないし、卒業生を漁師にすることも想定していません。
漁師になるには、海技士以外の知識や技術も必要になります。
だから学園で海技士の勉強は半分なんです。

この海技士、すごく不足していて業界では大問題なっています。
漁船に限らず、海運業界でも同じです。
ですから、海技士資格があれば仕事に困ることはありません。
そして漁船なら、数少ない資格持ちの漁師として、幹部船員としての道が開けます。
早い人は20代半ばで500トンクラスの漁船で船長や機関長になるんです。

お子さんが漁師になりたいと言って困惑している保護者の皆さん。
その気持ちは良く分かりますよ。
でも、漁師と言っても海技士資格が有る・無いでは雲泥の違いです。

そして、漁船で必要な5級、4級の海技士資格。
試験は、そんなに難しくはありません。
最近の学園では半数以上が合格しています。

でも、若いうちならともかく、後から海技士を取ろうと思っても簡単じゃないですよ。
なにより、仕事をしながら勉強するのは大変なことです。

海技士の勉強ができることも、学園に来る大きなメリットです。
漁師になると言うのなら、しっかり学んで資格をとることをお勧めしますよ!

写真は水産技術研究所の調査船駿河丸の見学です。
駿河丸は学園の職員が勤務経験があるので、熟知している船です。
だから、より深く詳しく生徒に説明ができます。
以前は、もっと大きい富士丸という調査船があり、学園の遠洋実習も行っていました。
現在の「実習船やいづ」の建造に伴い、学園は水産高校と一緒に遠洋実習を行うスタイルに変わりました。
県でも、大きな船を何隻も所有するのは大変なんですよ。


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

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詳しくはホームページをご覧ください。
申し込み者が21日に集中しています。できれば22日にご参加ください。
www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

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