静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

海面養殖漁業の話

2017年07月14日 09時48分01秒 | 研修・見学

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

遠泳大会を午前中に終え、同じ沼津市内の内浦に向かいました。
ここで海面の魚類養殖を営む漁業士の話しを聞きました。
漁業士と言えば各地域の漁師を指導する役割を担い、県知事が認定する人。
今回、説明してくださるのは、漁業士会の会長さん。
言わば、漁師のリーダーのリーダーです。

内浦と言えば養殖アジで有名ですが、他のマダイ、シマアジ、サバなどを養殖しているそうです。
 病気が出ない飼育密度で養殖している
 出荷するサイズ、値段が決まっているので、そのオーダーに併せて魚を育てる
 使っている餌は飼料メーカーの特注品
 その生け簀に、どれだけ魚がいるかは頭に入っている
などのお話しがありました。
生徒から「養殖以外では、どんな漁業をやりたいか」との質問がありました。
その答えは
「仕事が内浦湾の中だけなので、漁業と言うより海外航路の船に乗りたい」
とのことでした。

1日に使う餌は1トン以上とのこと。
生徒にどんな味か味見をさせてくれましたが、味は...
魚が美味しいと思うかどうかですからね。


お子さんが後を継がないので、生産の拡大ができないそうです。
「身内以外でも後継ぎがいれば...」とのこと。
我こそは!と思う方は立候補してみます?

8月19、20日は模擬授業も体験できるオープンキャンパスを行います。
事前に申し込みが必要です。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/harunokengakukai.html
お問い合わせ、お申し込みは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 【天然魚と養殖魚】
農産物や畜産品と違い、水産物はほとんどが天然ものです。
例外がウナギ、ニジマス、アユなど内水面(陸上の水)の養殖魚ですね。
例えば、内浦の養殖している主力はマアジです。
しかし、沼津港には天然のマアジも多く水揚げされます。
わざわざ、手間とコストをかけてマアジを養殖しても売れるの?と思うかも知れません。
養殖のメリットは需要にあわせ
 必要な量を
 求められるサイズの
 活魚(生きている魚)
で出荷できることです。
いつ、どれだけ捕れるか予測が難しい天然魚ではできないことです。
ですから、マアジも居酒屋などに向けて活魚出荷することで養殖魚に見合った価格で生産することができます。
内浦で生産された養殖マアジも、以前は内浦の地元では食べることができませんでした。
今は漁協直営の食堂「いけすや」で食べることができますよ。

 園長のつぶやき
先日の漁業修就業支援フェアで感じたことです。
学園に入学可能な若者もたくさん来場していました。
学園ブースにおいでになった高校生ですが、
「親としては学園のようなところで勉強した方がよいと思っているが、息子はすぐに船に乗って稼ぎたいと言っている。」
...わかります。
以前のブログにも書きましたが、こんな考えは決して珍しくありません。
現実的に学園の定員は20人なので、フェアにきた若い人を全員受け入れるキャパ(収容力)はありません。
ですから、自分を磨き、大型漁船の幹部を目指す高い志がある人だけ来てくれれば良いとも言えます。
学園に来るも来ないも、自分が決めることです。
入学金も授業料も寄宿費も県が出してくれるんですよ。
その上で、自分にあった漁業を選べるんだから。
この価値が分かる人だけ学園に来てください。
急がば回れ!です。

「急がば回れ」 急ぐからと言って慣れない近道を通れば、道に迷うなどして、かえって遅くなるもの。それよりも、多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行くほうが、結局は早く目的地につくということ。(故事ことわざ辞典から) 

コメント
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