「guwa麿」ならぬ「guwa磨」になってしまった。(修正する気なし)
るびこさんのブログでも紹介されていた、東京国立博物館で開催されている特別展「対決 巨匠たちの日本美術」を観に行ってきました。
『作家同士の関係性に着目し、中世から近代までの巨匠たちを2人ずつ組み合わせ、「対決」させる形で紹介』(公式HPより)というのが、この特別展の趣旨。
芸術を対決させるなんて野暮だという人もいるかもしれませんが、競い合うことによって生まれてきた作品が多くあることも事実です。
で、折角なので、巨匠たちの対決を楽しみながら、独断と偏見による勝ち負けをつけてみました。
【運慶vs快慶】
鎌倉時代の仏師対決。
力強く存在感のある運慶に対し、綺麗ないわゆる「仏様のお顔」を彫る快慶。
力強さに押し切られて、運慶の勝ち!
【雪舟vs雪村】
室町時代の絵師対決。
基本的に、動きのある雪村が好みです。特に、仙人を描いた「蝦蟇鉄拐図」はとても印象に残りました。
が、雪舟の「四季花鳥図屏風」でKO。繊細だけれども力強い。特に雪景色を描いた部分が最高でした。
この1点だけで、雪舟の勝ち!
【永徳vs等伯】
安土桃山時代の絵師対決。
しなやかで着物の柄になりそうな絵と思わせる等伯と大胆な構図で存在感を見せる永徳。まさに静と動の対決でした。
等伯の作品「萩芒図屏風」「四季柳図屏風」は、どちらも、今回の特別展の中でもかなり印象的。写真などで観るより実物が断然良かった。
という訳で、思いのほかたおやかな力強さをみせた等伯の勝ち!
【長次郎vs光悦】
安土桃山時代の長次郎と江戸時代の光悦による陶工対決。・・・ただ、光悦を「陶工」と言い切ってしまってよいものか。多才な人です。書き散らされた文字も展示されていましたが、素晴らしいです。
ところで、私、お茶碗の良し悪しが分からないんです。観るのは好きなんですけど、見分ける目が独断と偏見でも、無い・・・。
なので、使いやすそう!と思った「黒楽茶碗 銘俊寛」を作った長次郎の勝ち!・・・って強引ですが。。
同じ理由で【仁清vs乾山】【円空vs木喰】を割愛させていただきます。。あうあう。
【宗達vs光琳】
江戸時代の絵師対決。
双方から「風神雷神図屏風」が出品されており、一番「対決」として観やすいものだったのではないでしょうか。
先に描いた宗達へのオマージュとして、光琳も描いたとか。雲の表現と構図が大きな違いなのだそうです。また、線がしっかりしていて、光琳の方が洗練された印象を受けます。
雲の表現は光琳の方が好きですが、全体として勢いを感じる宗達の方が好みですね。
他の作品に目を転じると、光琳の「菊図屏風」は金地に白く浮き上がる菊の花が美しくて好きですが、ここはやはり宗達の勝ち!ということで。
【応挙vs芦雪】
江戸時代の絵師対決。
最初に目にする応挙の「猛虎図屏風」がすごい!
今まで目にしてきた絵と違って、たいへん写実的です。虎の毛皮マニア大喜びな、虎の体毛の質感。本当に、屏風から浮き上がって虎がそこにいるようです。
大して芦雪は写実をベースにしつつ、デフォルメされた絵を描くようです。「猛虎図」の隣に展示された「虎図襖」では、勢いのある虎が墨で描かれています。
2人の他の作品も含めて、かなり甲乙つけがたいのですが、虎の体毛に仰天させられた応挙の勝ち!
【若冲vs蕭白】
江戸時代の絵師対決。
説明書きによると、2人ともちょっとアウトロー・・・というか個性派。
確かに、他の絵と比べると雰囲気違うような。独自の世界を築き上げていますね。
色鮮やかに不思議な雰囲気を描き出す若冲と、細かい描きこみながら大胆さを備えた、これまた不思議な雰囲気を描き出す蕭白。
またまた甲乙つけがたいのですが、「鷹図」の鷹の足元に描かれた植物に惹かれて、蕭白の勝ち!
【大雅vs蕪村】
江戸時代の絵師対決。
どちらも点描が印象的だった「瀟湘勝概図屏風」(大雅)と「竹林茅屋・柳蔭帰路図屏風」(蕪村)に目が行きました。
優しいタッチが好みかな、ということで、蕪村の勝ち!
【歌麿vs写楽】
江戸時代の絵師対決。
美人画の歌麿と役者絵の写楽といった構図での対決でした。
美しさでは圧倒的な歌麿。ただ、私、役者絵が大好きなんですよね~・・・。
という訳で、実は観る前から勝負は決まっていた。写楽の勝ち!
【鉄斎vs大観】
明治時代の鉄斎と大正時代の大観による絵師対決。
同じ富士山を描いてもあれだけ違うものになるのですね。
厳かな鉄斎富士とシンプルでダイナミックな大観富士。どちらも素晴らしいですが・・・雲の中から顔を出した富士山という構図がなんとも言えない、大観の勝ち!
いやはや、すっかり長くなってしまいました。
鑑賞時間も想定より長くなってしまって・・・本当に見応えのある展示でした。
同じく上野で開催されていた「フェルメール展」も見ようかと思っていたのですが、かなりお腹いっぱいになってしまい、こちらの展示だけで帰ってきました。
今度の日曜日で終わってしまうようです。
行こうと思っている方は、お早めに!
るびこさんのブログでも紹介されていた、東京国立博物館で開催されている特別展「対決 巨匠たちの日本美術」を観に行ってきました。
『作家同士の関係性に着目し、中世から近代までの巨匠たちを2人ずつ組み合わせ、「対決」させる形で紹介』(公式HPより)というのが、この特別展の趣旨。
芸術を対決させるなんて野暮だという人もいるかもしれませんが、競い合うことによって生まれてきた作品が多くあることも事実です。
で、折角なので、巨匠たちの対決を楽しみながら、独断と偏見による勝ち負けをつけてみました。
【運慶vs快慶】
鎌倉時代の仏師対決。
力強く存在感のある運慶に対し、綺麗ないわゆる「仏様のお顔」を彫る快慶。
力強さに押し切られて、運慶の勝ち!
【雪舟vs雪村】
室町時代の絵師対決。
基本的に、動きのある雪村が好みです。特に、仙人を描いた「蝦蟇鉄拐図」はとても印象に残りました。
が、雪舟の「四季花鳥図屏風」でKO。繊細だけれども力強い。特に雪景色を描いた部分が最高でした。
この1点だけで、雪舟の勝ち!
【永徳vs等伯】
安土桃山時代の絵師対決。
しなやかで着物の柄になりそうな絵と思わせる等伯と大胆な構図で存在感を見せる永徳。まさに静と動の対決でした。
等伯の作品「萩芒図屏風」「四季柳図屏風」は、どちらも、今回の特別展の中でもかなり印象的。写真などで観るより実物が断然良かった。
という訳で、思いのほかたおやかな力強さをみせた等伯の勝ち!
【長次郎vs光悦】
安土桃山時代の長次郎と江戸時代の光悦による陶工対決。・・・ただ、光悦を「陶工」と言い切ってしまってよいものか。多才な人です。書き散らされた文字も展示されていましたが、素晴らしいです。
ところで、私、お茶碗の良し悪しが分からないんです。観るのは好きなんですけど、見分ける目が独断と偏見でも、無い・・・。
なので、使いやすそう!と思った「黒楽茶碗 銘俊寛」を作った長次郎の勝ち!・・・って強引ですが。。
同じ理由で【仁清vs乾山】【円空vs木喰】を割愛させていただきます。。あうあう。
【宗達vs光琳】
江戸時代の絵師対決。
双方から「風神雷神図屏風」が出品されており、一番「対決」として観やすいものだったのではないでしょうか。
先に描いた宗達へのオマージュとして、光琳も描いたとか。雲の表現と構図が大きな違いなのだそうです。また、線がしっかりしていて、光琳の方が洗練された印象を受けます。
雲の表現は光琳の方が好きですが、全体として勢いを感じる宗達の方が好みですね。
他の作品に目を転じると、光琳の「菊図屏風」は金地に白く浮き上がる菊の花が美しくて好きですが、ここはやはり宗達の勝ち!ということで。
【応挙vs芦雪】
江戸時代の絵師対決。
最初に目にする応挙の「猛虎図屏風」がすごい!
今まで目にしてきた絵と違って、たいへん写実的です。虎の毛皮マニア大喜びな、虎の体毛の質感。本当に、屏風から浮き上がって虎がそこにいるようです。
大して芦雪は写実をベースにしつつ、デフォルメされた絵を描くようです。「猛虎図」の隣に展示された「虎図襖」では、勢いのある虎が墨で描かれています。
2人の他の作品も含めて、かなり甲乙つけがたいのですが、虎の体毛に仰天させられた応挙の勝ち!
【若冲vs蕭白】
江戸時代の絵師対決。
説明書きによると、2人ともちょっとアウトロー・・・というか個性派。
確かに、他の絵と比べると雰囲気違うような。独自の世界を築き上げていますね。
色鮮やかに不思議な雰囲気を描き出す若冲と、細かい描きこみながら大胆さを備えた、これまた不思議な雰囲気を描き出す蕭白。
またまた甲乙つけがたいのですが、「鷹図」の鷹の足元に描かれた植物に惹かれて、蕭白の勝ち!
【大雅vs蕪村】
江戸時代の絵師対決。
どちらも点描が印象的だった「瀟湘勝概図屏風」(大雅)と「竹林茅屋・柳蔭帰路図屏風」(蕪村)に目が行きました。
優しいタッチが好みかな、ということで、蕪村の勝ち!
【歌麿vs写楽】
江戸時代の絵師対決。
美人画の歌麿と役者絵の写楽といった構図での対決でした。
美しさでは圧倒的な歌麿。ただ、私、役者絵が大好きなんですよね~・・・。
という訳で、実は観る前から勝負は決まっていた。写楽の勝ち!
【鉄斎vs大観】
明治時代の鉄斎と大正時代の大観による絵師対決。
同じ富士山を描いてもあれだけ違うものになるのですね。
厳かな鉄斎富士とシンプルでダイナミックな大観富士。どちらも素晴らしいですが・・・雲の中から顔を出した富士山という構図がなんとも言えない、大観の勝ち!
いやはや、すっかり長くなってしまいました。
鑑賞時間も想定より長くなってしまって・・・本当に見応えのある展示でした。
同じく上野で開催されていた「フェルメール展」も見ようかと思っていたのですが、かなりお腹いっぱいになってしまい、こちらの展示だけで帰ってきました。
今度の日曜日で終わってしまうようです。
行こうと思っている方は、お早めに!