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六花の勇者の感想レビュー(ライトノベル)

2011年08月30日 15時20分43秒 | ライトノベル・小説
スーパーダッシュ文庫のラノベ、『六花の勇者』(山形石雄先生原作、宮城先生イラスト)が発売中です。
アニメ化もされた『戦う司書』シリーズの山形先生久々の新作ということでも話題ですね。

表紙は勇者のひとりでヒロインのフレミー。
背景の霧深い森といい、なんとも幻想的な雰囲気に心惹かれますね。

お話的には、魔神を討伐する勇者達のファンタジー…と見せかけて、自分達の中に紛れ込んでいる裏切り者をあぶり出すために、仲間同士で駆け引きしたり殺し合ったりという、密室疑心暗鬼系犯人当てミステリー風の展開です。
ラノベクラスタでは人狼という呼び方で喩える方が多い印象ですね。

魔神を倒し、世界を救えるのは運命の神に選ばれた6人、『六花の勇者』のみ。
しかし、一同が集まってみると、六花の紋章を宿した人間は7人居た!&森に結界魔法が張られてしまい脱出不可能の密室状態に。
間違って本物の勇者を倒してしまったら(少なくとも新たな勇者が選ばれるまでは)魔神を倒すことは出来なくなってしまうものの、偽物を生かしたままにしていてはいつ寝首をかかれてしまうかわからない!という緊張感にドキドキさせられました。

主人公であるアドレットについては、読者視点で偽物ではないことが判っているわけですが、彼の戦闘スタイルや密室発生時の状況によって早い段階から疑われることになってしまうのも、他の勇者達の視点から考えれば無理もなさそうに見えてしまうのがポイントですね。
真犯人の策謀から逃れるために、他の仲間達の索敵の網の目をくぐって協力者してくれそうな人物に接触&交渉していく…というのが基本的な流れですが、今回が初対面同士というキャラも多く、それぞれが自分の頭の中で推理を重ねつつ、身の潔白を証明するよりも先に疑わしきを罰しようと連携するあたりが人間臭いなとw

どのキャラも一癖ありそう&勇者に選ばれるだけの技量の持ち主なので、単純な設定を見比べるだけではそう簡単には真犯人が判らないようになっているのですが、事件の起きた当時の状況等にも細かなヒントが隠されており、筋道をつけて犯人を推理できる様に工夫されているので、ミステリーファンの方はメモをとるのも良いかと。
個人的には、キャラの設定等からしか推理しようとしていなかったので全く真犯人の正体に気付いていませんでしたが、言われて見れば早い段階できっちりそう書かれていたな~と思い当たる部分ばかりでしたし、理不尽に感じるところは無かったです。

特に、相手の心の殻を打ち破るために、自らの心をむき出しにして対話しようとするアドレットの姿がとても胸熱だったので必見です。
ラブコメメインではないですが、相手に対する好意や信頼が各キャラの行動に上手く影響を与えるように描かれているのも好印象でした。

また、この巻のみできっちりと真犯人捜索の決着がつけられているだけではなく、とある理由から自然に2巻以降へシリーズが続けられる仕様になっているのがお見事でした。
というか、そのラストの設定追加によって更に興味が湧いてきた!という方も多かったのではないかと。
この巻が面白かった!と感じた人なら、間違いなく2巻も買ってしまいたくなることうけあいですね。


各キャラの生い立ちや、戦う理由についてはまだまだ明かされていない部分も多そうですし、シリアスな世界観&絶体絶命の状況の中、如何に相手を疑わずに信じあうことが出来るのか?というテーマには強烈に心を揺さぶられるものがあって、早くも目が離せないシリーズとなりそうです。



気になった方は是非、チェックなさってみてくださいませ。

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